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ネコと私  作者: 昼行灯
冒険者編
49/143

048:冒険者の平凡なる日常9

水さえあれば生きられる、誰が言った言葉か現実的である

ローラン国が首都を発展させる上で行った政策は用水の整備

人口が一定以上の区画には井戸を作り水源の確保

水の出ない場所には、用水路を作り水周りの整備をした




首都ローランの中で、街として認められていない場所、市民街

なかでも貧しい者達の住む区画、貧民区


村が魔物に滅ぼされた者

王都で一発当てようと故郷を出て失敗した者

罪を犯しまともな場所に住めなくなった者

親が死に行き場をなくした子供


市民ではないと言うだけで、住む者が存在するこの区画

当然井戸は作られる


排除すべき対象は、人ではなく魔物であり

国から見ればここは、生きた城壁であり

貴族から見れば、存在しない場所であり

経済力のある市民から見れば、貴重な労働力なのだ




貧民区の一画、ここは比較的まともな場所だ

教会らしきものがあり、そこに隣接する孤児院も存在する

教会の体をなしているが、正式に認められたものではない

ここの主は皆から神父様と呼ばれている

現在の国教では司祭と呼ばれている者と同義だろう

信仰している神が違うのか、教派が違うのか


「こんにちは!」

教会に冒険者風の男が挨拶をしながら入ってくる

「あ、兄貴おかえり!」

少年が答える

「うーん、兄貴はやめて、はいお土産!」

といいつつ、持っていた荷物を少年に渡す


「セイ兄ちゃん!」

「セイ兄貴!」

少年の声を聞いたのか、次々と子供が出てくる

「お帰りセイ」

聖職者風の初老の男性が声をかけてくる

「どうも、神父様」


「お、やっぱりセイかメシだな!」

「なんだいその言い草は、ゲンキンだねえ」

「今日はなんだろうね」

それぞれ口を開きつつ数人の男女が入ってくる

「はい、これ、皆も呼んでくるね!」

少年が女性に荷物を渡しつつ外へ駆け出していく


「日をおかずにまめだねえ」

女性がセイに揶揄するように声をかける

「え、最近はヒマだから来てるだけだよ?」

セイが周りを見回しながら答える

「はあ、そうかい、彼女ならあっちだよ」

女性が指を刺すほうを見ると、子供達に混じって1人の女性がいる


「やあ、元気だった?」

セイが気軽な感じに声をかけると、コクコクと女性がうなずく




暖かいある日の昼下がり、、

水源である井戸にふらふらと奇妙な服を着た女が来た

見た目で女性とわかるが、服も髪も顔も黒茶色に染まったその姿

染料はここに住む者にとっては容易に想像がつくものだ

自分のものか、他人のものか、魔物のかもしれない

もしかしたら彼女は狂人で誰か知らない人を殺したのかもしれない


誰も声をかけるものはいない、どう考えても面倒事だ

そこにいるが居ないものとして彼女は扱われた


...いつものこと


水を飲む、冷たくておいしい

顔を洗う、冷たい

髪も洗う、水が真っ赤になる

服も洗おう


注目されている、なんでだろう


これからどうしよう、絞っただけのまだ濡れている服を着ながら考える


考えていたら、声をかけられた、ちょっと来てくれという

なんだろう、ついて行く


...


また服を洗わないと、、夜中だから誰もいない、暗くて困る


濡れた服を着て歩いている、夜だとちょっと寒い

「ねえ、こんな時間に1人で出歩くと危ないよ?」


教会みたいな場所につれていかれた

「行くところがないなら、ここに居ればいいよ」


久しぶりに普通の食事をし、柔らかい布団で寝た

「ジェーンさんは、何かしたい事ある?」


子供たちの面倒を見ることになった

「ジェーンねえちゃん、ここ教えて!」

「私も教えて!」


「俺はセイ兄ちゃんみたいな冒険者になるんだ!」

「私は商業区で働くの!」

「わたしはお嫁さんになるの!」

「誰のだよー?」

「秘密!」

「先生は兄貴と結婚するのか?」

「ダメー!」

「秘密になってないじゃんー」


「兄貴がお土産持って来たぞー!」

「わーい、行こう!」


「やあ、元気だった?」


神父様と子供達と近所の人達とセイさんとみんなで食事をした

みんな楽しそうに笑っていた



...幸せかい?

...うん




市民街冒険者ギルド:

「フジワラ、迷宮行こうぜ!」

ライが陽気に声をかけてくる

「うほっ!、だが断る!」

楠木と潜りたい、いや変な意味じゃなくて!


前回会ったとき

貴族街のギルド長とじじいがいたせいで楠木とはろくに話せなかった

また一緒に次元の迷宮行きたいが、連絡も待ち合わせ手段も無い

現地で会うか、もしかしたらまたここに来るかもと思いたまに来ている


ま、いつもの事だが全然会えない、ことごとくすれ違ってんだろうな


考えているとライが話を続けてくる

「最近セイが付き合い悪くてよ、どうも好きな人が出来たみたいでさ」

どっちだ?

「...」

お、おぅ、そうか女性か


「セイにふられてさびしいってか?」

ジム語を理解できる奴らは少ないので、ライに的をしぼる

「は?」

うほ、いい反応だ!

「セイに振られてさびしいってか?」

大事な事だから2回言ってあげるぜ!

「そうなんだよ、だからさ、付き合ってくれよ、フジワラ」

うおぃ!、そういう返しマジやめろ!


「キャー、やっぱりそうだったのね、禁断の恋!」

「やべえ、あいつらやべええよ!」

「お、俺はありだと思うけどな!」

「え?」


まあ、そうだな早くレベル10になって冒険者ランク上げたいし

「次元の迷宮なら付き合ってもいいぜ」

「え、あそここっちと同じ強さの敵が出るじゃん、無理」

へたれめ!

「セイがいれば行ってもいいんだがなあ」

そりゃ本末転倒だ


「わしが付き合おうか?」

なんでギルド長がいるんだよ、いきなり現れんなよ

「なあ、サラさんボケ老人が紛れ込んでるぞ?」

「殺し屋が来るはずなんじゃが、全然来なくて暇なんじゃ」

「なあ、サラさんボケ老人が紛れ込んでるぞ?」

「特殊なスキルを持ってるらしくて、字が抹殺とか滅殺とか」

必殺じゃね?、もう死んでるぞ

てゆーか、じじいのとばっちりで俺狙われてたのかよ

「まじしね」

「サラさんや最近の若者は酷いのお」

「はいはい、おじいちゃんあっちでお茶でも飲みましょうね」


「大体じじいレベル幾つなんだよ、

 あんたのレベルに合わせた敵出てきたら俺達一撃で死ぬだろ」

乗りの良いじじいに声をかける

「あそこは一定レベル以上の敵は出ないみたいなんじゃよ

 楽しそうだったので一度ウィリアム達と何回か潜った事あるんじゃ」


出てくる魔物はランクC位まで、レベルは30位が上限とのこと

レベルが同じ冒険者なら転移装置が作動する上限の6人PTか

レベル30以上の冒険者を何人か護衛にすれば問題は起きないと

「それでも戻ってこない冒険者も出るから何かあるのかもしれんが」

冒険者ならそれくらいのリスクが無いと楽しくないじゃろ、だと


そうだな、たまにとんでもない敵が出るんだろうな、楠木も言ってたし

それが無ければ貴族のレベル上げに利用されてるだろうから

ま、丁度いい廃れ具合だな


「レベルがガシガシ上がるぞ?」

「どうせ途中で手を抜いて俺に戦わせようとか考えてんだろ」

「何いってんのフジワラちゃん、わしそんなことしないよ?」

あからさまに目を逸らすじじい

「絶対いかねー、じじいまじしね」

「それならあのお嬢ちゃんに声掛けてみようかなー」


無視する、どうせにやけた顔でこっちを見ているのだ

ま、ソロで次元の迷宮潜るか隠密3だし戦い方も試行錯誤したい

1Fだけなら激レアボスってのが出ても何とか対応できるだろうしな


そういや俺、統率1も取得したんだった、あれ?

もしかしてライ達とPT組むのまずくね、楠木には効果でなかったけど

おそらくライ達には統率でステータスアップの効果でるよな

普通の奴らとPT組めなくなった?

あれ?、ぼっち?




いっぽうそのころ:

「むぅ!」

久しぶりなきがするのに扱いが適当でござる!

「どうしたのクロ?」

「不愉快でござる!」

「なんで?」

「なんとなく?」

「なにそれ、じゃあなんとなく肉串たべる?」

「くれくれー!」

大好きな肉串とリンに囲まれて幸せなクロであった


「むぅ、肉串の後なんて不愉快でござる!」

「違うのだ、リンが一番なのだ!」

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名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:7

HP:130/130 MP:240/240

STR:75 VIT:90 DEX:75 MND:90 INT:240

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (技) 隠密1、罠解除1

    (魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法2

        火魔法1、水魔法2、雷魔法1、土魔法1

        光魔法3、闇魔法1

    (自動)HP回復


装備:普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄

   聖なる糸 :HP50、VIT25、MND25、HP回復

   白のローブ:INT20

   素早さの靴:DEX10

   魔力の腕輪:MP20

   力の腕輪 :STR10


金貨:26225


使い魔:クロ

スキル:(技) 隠密1

    (魔法)火魔法3、風魔法2、土魔法1

        光魔法2、闇魔法1

    (自動)HP回復


名前:藤原(フジワラ) 秀平(ヒデヒラ)


金貨:12160

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