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ネコと私  作者: 昼行灯
冒険者編
44/143

043:次元の迷宮6

休憩継続中:

転移の出口というのもあるので、場所を少し移動し

今までのお互いの情報を交換することにする


私的には藤原君、お城以降も何度か目撃していたので

特に久しぶりという気もしなかったのだけど

藤原君的には、お城以来の凄い久しぶりなので

話が止まらない


遠征の途中で、クラスメイトの日井君を殺してスキルを奪った事

そのときに目撃された僧侶の人も殺した事

冒険者になった事、たまにPTを組む冒険者仲間が出来た事

迷宮をソロで潜った事、ギルド長に殺されかけた事

話が止まらない、、、


(リン、ずっとフジワラの話を聞いてるだけだが、なぜだ?)

肉串を食べて満足し、熱く語る藤原君には見向きもせず

私の腕の中で目を瞑り尻尾をゆらゆら揺らしているクロが尋ねる

(うーん、私にはクロが居たからね)

見知らぬ世界でただ1人、頼れるものも無く己の力のみで生きていく

覚悟の上とはいえクラスメイトを殺し

覚悟も無く自分の命を何度も助けてくれた人を殺し

本当の自分を見せる事も語る事も出来ずに生きる

普通は耐えられない


(藤原君にとって始めて気を許せる相手なんじゃないかな)

多分一緒に召喚されたクラスメイトで変わってないのは私と藤原君だけ

元から変わり者だったから変わってないのかもしれないけど

私が私でいられたのは、クロがいたから


藤原君が藤原君でいられたのは、彼が頑張ったから

ちょっと変態っぽくなってるけどね!


(気の済むまで話を聞いてあげようね?)

(我は聞いてないから別にいいけどな!)

頭をぐりぐり押し付けてくる、はいはい、やさしいね



「オークからHP回復強奪して、魔法連射出来るようになったし

 スライムの迷宮で魔法上げようとしたら、無かったんだぜ?

 信じられないよな、吹き飛ばしたバカがいるらしくてさ」

ぺしぺしぺしぺし!、ゆらゆらしていた尻尾がテーブルを叩く

(クロ、がまんがまん)なでなで

(別に怒ってないし!)ぺしぺし!



「そういや鷹山達戻ってきたんだよな」

たしか殺すって言ってたっけ?

「あー、鷹山君やイレーヌ姫には関わらないほうがいいかも」

並列思考の事を話す

「なんかあったってことか、本物か?」

「うん、偽者じゃないっぽい、そのスキルが増えてただけだから」


「強奪があるから、付与みたいなのもあるのか?

 いや、前提で強奪がないと付与は意味無いよな

 この場合、並列して思考できる何かに支配されたと考えるほうが」

同じような結論に行き着く、やっぱりなんか思考が似てる


「殺されて感染すると考えると、殺すと感染するというのもありえる

 確かにそんな得体の知れないのに関わるのはやばいな」



「楠木はどうだったんだ?」

私が話す番らしい

「だが断る!」

クロが言い放つ!

「...ネコうぜー!」

「フジワラうぜー!」

にらみ合いが続く、まあ私もあったことを正直に話す気無いしいいか


城内で何か事件が起きて、それに紛れて逃げた事

貴族街ギルドで治療士として働いている事

スライムの迷宮はクロが消し飛ばしたことを話す

「フジワラが来ると聞いて潰した、後悔も反省もしていない!」

今度は反省もしていないらしい!


「ネコまじムカつく!」

「フジワラまじシネ!」

にらみ合いが再開する、うーむ



「迷宮潜ろうか、」

埒が明かないので迷宮に行くことにする


んー?

「藤原君、装備何もなし?」

「寄生する気だな、このイナゴ野郎め!」

イナゴ野郎?、どういう意味なのクロ君

「真の強者は装備など不要!」

腕を組み目を瞑り、、なんか格好つけてるけど、本当にそうなの?

「不本意ながら同意せざるを得ない!」

え、クロ同意するの?、クロは装備出来ないだけじゃんか

それに、私の装備効果が適用されてるし装備しているようなものだよ


「私の使ってた装備なら上げれるけど、いらない?」

「いる!」

即答された!

「貴様リンが使ってたと言うところに反応したな、下種野郎!」

「ちげーし!」

即答した!


「リン、下種野郎には見えない服を渡してやれ!」

「じゃあ、はいこれ」

と、手のひらを差し出す

「え?、え?、み、えない、だと!」

動揺している、何も持ってないし!


緋色のローブを渡す

「宮廷魔術師の装備品らしいから、装備している所を見られないよう

 私と一緒かソロの時だけ使うようにしてね」

「わかった、サンキュ!」


「剣とかは使わないの?」

「スライムに溶かされた」

「ぷぷぷ!」

ざまぁ!、とクロが言う、どこかで聞いた気がする!


騎士の剣を渡す、在庫はそれなりにあるのです

「魔力を通せば強度が上がると思うけど、やったことある?」

剣にも糸と同じ理屈で出来ると思うけど、どうだろう

「こんな感じか、、魔法も合わせられるのか、な」

普通に出来たね、あ、剣から炎が立ち昇る

「おおおお、炎の剣、かっこいい!」

クロはこういうの好きだもんね


「フジワラ、炎を飛ばせ!、爆炎斬だ!」

藤原君の頭の上に乗って、てしてししてる

「ファイアスラッシュ!」

斬撃の形で炎が飛んでいく

「バカワラー、爆炎斬だぁぁ!」てしてし!

仲良しだね


しかし、緋色のローブに炎の剣って、なんか凄い目立つね!



藤原君は隠密で、私は偽りの宝石の効果で次元の迷宮に入る

「楠木も隠密使えたのか?」

不思議そうに聞いてくる

「アイテムの効果だよ、隠密みたいなものだね」

秘宝アイテムなので詳細は秘密です


「戦闘は、、、私は2人に合わせるから取り合えず適当でいいかな」

「いいのか?」

「フジワラは隅で座ってろ!」

「は?、お前こそフードの中に隠れてろよ?」

「あ?、やんのか?」

「あ゛?、ひき肉にしちゃうぞ?」

「ああ?、ハンバーグにしちゃうぞ?」

なんだかなー、漫才だよね?


「2人とも似たもの同士だし、戦い方も似てるでしょ、どうせ」

「にてねーし!」

「にてないぞ!」

...おなじじゃん?


死者の迷宮(1/3):

「死者の迷宮だってさ」

鑑定の結果を伝える

「ゾンビとか出てくるのか?」

初めてらしい藤原君が聞いてくる

「うん、ゾンビ、スケルトン、レイスかな

 スキル持ちは私が教えるから藤原君が止めさしてね

 クロはなるべくそれ以外のを殺るようにね」

「後ろ向きに検討したいと思います?」

どういう意味です?


カタカタカタカタ、


早速お出ましのようです、この音はスケルトンだよね

「ターンアンデッド!」

カラカラカラカラ、崩れ落ちる

無言で私の肩を、じとーっと見つめる藤原君

すりすりすりすり、私の頬にすりすりするネコ君


「ターンアンデッド!」

「ターンアンデッド!」

「ターンアンデッド!」

「ターンアンデッド!」

新しい歌が流行り出したらしい、その名もターンアンデッド!

クロと藤原君が合唱中だ


1Fボス部屋前:

MP回復待ちの小休止です、効率悪いよ2人ともさー

「次の階からは道中は順番に戦闘してください」

「わかったのだ」

「おう」

ボス部屋以外の雑魚は基本同じ魔物が出るし、これでいいよね


レイスが4匹、あれ?、鑑定をする

「強奪可能スキルなし、ターンアンデッド!」

「ターンアンデッド!」

「ターンアンデッド!」

終了する、楽だね


「レイスは、2Fのボスだった気がするんだけど」

疑問に思ったことを口にする

「またずれたんじゃないか?、3Fは未知との遭遇だな!」

腕が鳴るぜ、と肉球をぷにぷにしてくる


「ずれる?」

「うん、本来下の階層で出るべきボスが出てくるの

 階層自体は変わらないので、ずれた分下の階層では

 本来出てこない魔物が出てくるんだ」

「よくあることなのか?」

「うーん、出てくる敵がおかしいんだよね、レアボス並みのが出るんだ

 なのでちょっと調べてみたら普通はありえない現象みたいで

 ここからは想像になるけど

 私達ってレベルとステータスがあってないでしょ

 STR60とかってレベル30でランクC辺りの冒険者のステータスだし

 その辺が影響を与えてこういうことが起きてるんじゃないかなって」

私のINT220とかはランクAとSの間だしね、流石にこれは言えない


「出てくる敵そんなに、強いのか?」

興味津々ですね

「この前は、DEX150の敵が出たよ、攻撃が当らなくて苦労した」

「我の痛恨の一撃が炸裂して勝てたがな!」

ドヤ顔してるけど、クロ寝てたよね?

「DEX150とかよく勝てたな、やっぱ2人だと連携とかも取れて

 難敵もどうにかなるものなのか」

「当然だ、我とリンは以心伝心、阿吽の呼吸だ!」

クロ寝てたけどね?


「いいなあ」

藤原君が、つぶやく

「我とリンの華麗なる連携の邪魔だけはするなよ?」

クロ君、追撃に余念が無い、ここで援護射撃!

「でも、クロ寝てたよね?」

誤射してしまった!、クロの動きが鈍る、ぎぎぎぎとこちらを向き

「リンのばかばか、それは2人だけの秘密なのだー!」

ごめんごめん


「アンロック」

宝箱を開錠し戦利品を取り出す

「なにそれ、反則じゃね?」

藤原君が唖然としている


「私は運よく巻物拾ったけど、藤原君は強奪できるし

 そのうち必ず手に入れられるんじゃないかな、ちょっと羨ましいね」

ほんとにスキル強奪は反則だよね

「いやいや、運よく拾うってほうが羨ましいから!」

突っ込みが入る



2F:

「見よ!、これが爆裂歩法・極!」

トトトト、ドン!、ドン!、ドン!

無駄に空中で方向転換している、HP減ってるよね?


「なあ、あれ自分にダメージ入ってるよな?」

藤原君が聞いてくる、うん、入ってるね


「ふぅ、いい汗かいたぜ!」

HPとMPが半分になったクロが戻ってくる

「クロ、それどう見ても自爆歩法だからね、禁止します!」

「なん、だ、と!」

「いやいや、攻撃受けてないのになんでHP半分になってんのさ?」

「なんとなく?」

「なんとなく死んじゃうじゃん?、禁止ね」


「リン、はしゃぎ過ぎただけなのだ、方向転換は極力使わないのだ!」

肩に上ってきてぺろぺろ舐めてくる、わかってるよ

なんかクロ、今日ははしゃいでるもんね、なんだかんだで楽しいのかな

「はいはい」

撫でてあげる、まだいいけど3Fは気を引き締めてね


「いいなあ」

やさしげにネコを撫でてる楠木を見ながら、先程と同じ言葉をつぶやく

--------------------------------------------------------------------

名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:7

HP:130/130 MP:240/240

STR:75 VIT:90 DEX:75 MND:90 INT:240

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (技) 罠解除1

    (魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法2

        火魔法1、水魔法2、雷魔法1、土魔法1

        光魔法3、闇魔法1

    (自動)HP回復


装備:普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄

   聖なる糸 :HP50、VIT25、MND25、HP回復

   白のローブ:INT20

   素早さの靴:DEX10

   魔力の腕輪:MP20

   力の腕輪 :STR10


金貨:24225


使い魔:クロ

スキル:(魔法)火魔法3、風魔法2、土魔法1、光魔法2

    (自動)HP回復


名前:藤原 秀平 (フジワラ ヒデヒラ)

種族:人族 性別:男 年齢:16

レベル:7

HP:80/80 MP:85/85(20up)

STR:85(20up) VIT:65 DEX:65 MND:65 INT:75(10up)

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、スキル強奪

    (武技)剣術2、弓術1

    (技) 隠密1、罠解除1

    (魔法)火魔法3、水魔法3、風魔法3

        土魔法3、光魔法2、闇魔法1

    (自動)HP回復5


装備:騎士の剣(new):STR20

   緋色のローブ(new):MP20、INT10


金貨:160

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