036:次元の迷宮4
はかせー、まものどこー?
迷宮と言う所にいるみたいだよ
めいきゅう?
まだ3人しかいないから正確な場所はわからないよ
しばらくすれば増えるから、そうしたら正確な場所がわかるよ
はかせー、おなかすいたー
「おい、お前なんでこんなところにいるんだ!」
ご馳走が来たみたいだよ?
やったー
「返事をしろ!、気味の悪いやつだな」
ぎゅ!、、ベキッ!、、ずる、、ぱく、もぐもぐ、、
ジェーン、美味しいかい?
うん、あったかくっておいしいー!
市民街中央通り:
(並列思考?)
(どうした、リン)
次元の迷宮に行くために、街外れまで馬車で移動していたところ
イレーヌ姫達の探索組みの帰還に鉢合わせた
こちらはパレードを避けるため道の端に寄せた馬車の中なので
気づかれない
遠征は失敗だったらしい
生き残りはイレーヌ姫、鷹山君、騎士の隊長さんの3人かな
ほかの人達は負傷が酷いので先行して教会に収容されたらしい
負傷だけなら教会に収容って無いと思うんだけどね、死んだのかな?
行きは数十人の勇者や騎士がいたのが、帰りのオープン馬車には
先述の3人だけ、周りは救援に向かった騎士達と言う有様だけど
凱旋?パレードはするんだね
鷹山君が隷属になってるか確認しようと鑑定してみたところ
隷属は無かったけど、スキルに並列思考というのが増えていた
イレーヌ姫と騎士の人にも増えていた、なんだろうね
(スキルに並列思考っていうのが増えてるんだ)
(なんだそれは?)
詳しく鑑定してみる、
並列思考:多重人格
なにそれ?
(多重人格だって)
(なんだそれ?)
(さあ?)
もしかしてこれって、私の召喚魔法(式神)みたいなものじゃないかな
向こうの世界で元からあったものがこっちにくることで
強制的にスキルと言う形に変換されたとか
けど、そうすると伝染するスキルってことになるのかな?
私の式も出来なかった事まで可能になってたし、これもそれかなあ
他の人格が寄生するとか、もしかして人格を乗っ取られちゃうとか?
うーん、かかわり合いになりたくないなあ
(お金もあるし、この世界の常識もある程度覚えたし)
(強さが少し心ともないな)
クロが、私の考えている事を言う
(そうだねえ)
(カーサやテレスと別れるのも寂しいな)
すりすりしてくる
(まあ、こちらから能動的に動く気は無いから)
何も無ければ現状維持だよ
(リン、今ここで不安材料を吹き飛ばすというのもありだぞ?)
クロがクロらしい発言をする
(今言ったじゃん、干渉して来ない限りこちらからは何もしないよ)
クロの肉球をぷにぷにする
(リンは、あまあまだな!)
クロは激辛だよね?
剣呑な事を考えている少女とネコだが
周りから見るとただ黙ってじゃれあっているだけという
同乗している冒険者から見るとただの癒し空間だ
街道:
とことことことこ、周りの景色を楽しみながら歩く
「なんか、健康的だねー」
前までは迷宮まで歩くと少し疲れてたけど、レベルが上がってから
あまり疲れなくなった、なんか便利だね
日差しが強いのでローブの中で風を循環させている、クロが!
私、風魔法持ってないからね、クロ器用だよね
胸元から顔だけ出して、私の顎に頭をぐりぐりしてたクロが固まる
「リン、敵だ隠れろ!」
クロが叫ぶ、確かに前方から何かが迫ってくるけど
「はやくはやく!」
うーん、魔物じゃ無いと思うけど、まあいいか
街道から外れ茂みに隠れ、気配を絶つ
「あー、だりー」
独り言をつぶやきながら、藤原君が通り過ぎていく
(危なかったなリン、こんな人気の無い場所であんな変態にあったら
何されるかわかったもんじゃないぞ!)
そうだね!
しかし藤原君凄いね、魔法を空間魔法以外全部取得してて
しかもレベルとかも高い、あれ?
「魔法って、火水風土、光闇、空間、召喚の他にもあるの?」
クロに聞いてみる
「さあ?」
だよね!
むくむくむく、なにかが起き上がる
「ぎゃー!」
「おのれはフジワラかあああ、爆炎!」
クロの魔法で消し飛ぶ、なんなのここは、鑑定してみる
オークの迷宮:
あー、ここかあテレスさんが絶対行ったらダメって言ってた所は
「オークの迷宮だってさ」
「リン、この迷宮自体を破壊すべきだ!」
だから次元の迷宮破壊したらダメだってば
「まあ、ここは出よう、クロおいで」
試すのにちょうどいい
転移!
空間魔法2で覚える、脱出の呪文を発動してみる
迷宮や室内から外に転移できるらしい
ゲームとかだと次は登録地点に戻る呪文で、最後に街を移動できるとか
そんな感じになると思うけど、ここでもそうなのかな?
さすがに街を移動は無いか、登録地点が増えるとかかな
無事に外に出れた
「便利な呪文だな!」
だね、しかしあれはある意味心理攻撃だなあ
気を取り直して、再度挑戦!、先に鑑定をしてしまおう
死者の迷宮:
「死者の迷宮だって、ゾンビとか出てくるのかな?」
「臭そうだな!」
「クロも光魔法有るし、ターンアンデッド連射でいけるかな」
「肉弾戦だ!」
「ゾンビの腐った肉とか殴ったら、私に乗っちゃダメだからね?」
「むむむ!」
カタカタカタカタ!
かたかた言いながら骨の戦士が出てきた、剣と盾を持っている
「やった、肉が無いのだ!、とぅ!」
クロが肩から飛び降りる、トン!、トトト、ドンッ!
この前話してた自爆歩法とか言うやつで突っ込んでいく
「爆裂歩法なのだ!」
はっ!、喋っていないのに突っ込みが入る
1Fボス部屋:
骨戦士が6体
「粉々にしてやるっぜ!、とぅ!」
「ターンアンデッド!」
光が満ちる、、、終了した
「...」
クロが無言で戻ってくる
「リンのばかばかばかばかー!」
2Fボス部屋:
レイスが2体
「ヒール!、ヒール!、ヒール!、ヒール!」
クロがレイスに回復を連射する、アンデッドに回復当然ダメージになる
ターンアンデッドする前にレイスが消滅し終了する
「ふふん!」
別にいいけど?
3Fボス部屋:
骨戦士と骨魔術師と、なにあれゾンビロード?
「クロ、変なのがいる防御からね、水の壁!」
正面に水の壁を出し、糸を飛ばす
「うむ、風の守り!、ターンアンデッド!」
部屋に光りが満ちアンデッドにダメージが入る、が全員残っている
ゾンビロードに統率がある、あれで他のも強くなっているのかな
「クロ、火魔法で」
実は光魔法、私達にはあまり相性がよくない、MND判定なのだ
弱点で3倍位のダメージになってもMND55×3=165
ゾンビなら火も弱点だろうし光より補正が少なくて2倍でも
INT220×2=440だし、そのままでも220で多い
「爆炎!」
火魔法、火の玉がゆっくり飛んでいく、威力が高くなっている
「水の壁!」
補強しつつ、ゾンビロードのそばの骨戦士を糸で操り
ゾンビロードに攻撃、クロの魔法が発動するまで足止めをする
魔術師から魔法が飛んで来るけど水の壁に任せて無視
ドガァァン!
消し飛ぶ、だけど、ゾンビって職業無いよね?
スケルトンロードなら、戦士や魔術師がいるからわかるけど
「ゾンビに君主とかいるの?」
「さあ、君主がゾンビになったんじゃないか?」
「うーん、まあいいか」
目の前には、宝箱と転移魔法陣
「あ、3Fで終りなのかあ、鑑定の時出てたっけ?、あれ」
「初心者迷宮だからな、超余裕だったな!」
「えー、あんなの普通の冒険者じゃ太刀打ち出来ないと思うんだけど」
「我等だけの特別待遇?」
うーん、まあ珍しいアイテム手に入るならいいけど
直接ドロップは無かったみたい、クロがコロコロしていない
宝箱:罠:転移
「転移だ、良い物入ってそうだね」
「ゾンビロードだな、もしかして激レアだったとか?」
「ありうるね、アンロック!」
「?鎧」「?巻物」「?リボン」
りぼん?、、鑑定
「聖なる鎧」「闇魔法の巻物」「ブラックリボン」
うーん、
「クロ、ブラックリボンって知ってる?」
「しらんー」
鑑定!
ブラックリボン:闇の君主の証
「闇の君主の証だって」
「我は闇の王だがな!」
凄いね!
「闇魔法はサポート系だから、私に使うよ」
「うむ!」
「聖なる鎧って、凄いんだっけ?」
「凄いんじゃないか?」
まあいいや、こんなごっついの装備出来ないし
アイテムボックスにしまう、リボンもしまっとこう
装備してると変なとこに転移とかありそうだよね
カーサに聞いてみようかな?
「じゃあ、外に出て少し休憩しようか」
「肉串だな!」
そうだね!
魔道具屋:
「カーサから連絡してくるなんて珍しいねえ」
「うん」
「どうだい、初めての人の街は?」
「別に普通」
「普通そうには聞こえないんだがねえ」
「...友達が出来たの」
「ほぉ、そっちに同族はいなかったはずだけどねえ、混じり者かい?」
「人族なの、、」
「...偽りの宝石が破られたのかい?」
「うん」
「何者だい?」
「多分、勇者だとおもうの、使い魔もいるから召喚魔法持ちの」
「多分?」
「正確に鑑定できなかったの」
「鑑定を阻害できるなんて化け物じゃないかい」
「友達なの!」
「カーサ、、、」
「我等と人族では過ごす時間が違うのは解っているね?」
「うん」
「定期的に連絡はするんだよ」
「うん」
「連絡が途絶えた場合は、解っているね?」
「うん」
「まったく、困ったもんだねえ」
「ごめんね」
「いいさ、惚れたんだろう?」
「え?、女の子だよ」
「は?」
「友達なの」
「はあ、そうかい、なんだかねえ」
「私の街に来ることがあれば、顔を見せるんだよ」
「うん、だけど姉さん喋り方がババくさいよ」
「あんたより長いからねえ、もうこっちのほうが慣れちまったよ」
「それって、なんか嫌」
「あんたもそのうちこうなるさ、、じゃあねカーサ」
「うん、、じゃあねカーレラ姉さん」
--------------------------------------------------------------------
名前:楠木 凛 種族:人族 性別:女 年齢:16
レベル:6
HP:70/70 MP:220/220
STR:65 VIT:55 DEX:65 MND:55 INT:220
スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定
(技) 罠解除1
(魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法2
水魔法2、光魔法2、闇魔法1(new)
装備:ミスリルの糸、普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄
白のローブ:INT20
素早さの靴:DEX10
魔力の腕輪:MP20
力の腕輪 :STR10
金貨:24200
使い魔:クロ
スキル:火魔法3、風魔法2、光魔法1
--------------------------------------------------------------------




