030:カーサ
貴族街冒険者ギルド:治療室
「キュア!」
状態回復の効果で体に残っていた毒素が消える
無詠唱はよろしくない事を遅まきながら知ったので
治療士の仕事の時はなるべく呪文を唱えるようにしている
「ありがとう、楽になったよ」
「はい、体力も回復しますか?」
「ああ、頼む」
「ヒール!」
毒により減っていた体力が回復する
「終わりました、料金は職員の方にお願いします」
「わかった、ところで、」
「まてーい!」
テレスさんが出現する!
「ここでのPT勧誘はご法度と知っておろうな!」
なんか時代掛かってるね
(ご法度でござる!)
「あー、ああ、じゃあこれで失礼する」
治療に来る人が必ずPT勧誘してくるのを職員の人に話したら
勧誘禁止にしてくれた、毎回断るのが面倒だったので助かっている
「テレスさん、仕事しなくていいんですか?」
なんだかんだで、私がいるときはここにいついている彼女に尋ねる
「大丈夫です、これが仕事なのです」
クロと遊んでいるだけだよね?
(我と遊ぶのも大事な仕事だ!)
私に近づく男性をことごとく撃退するテレスさんを
クロは気に入っている、私が治療中はテレスさんと遊んでいる
まあ、テレスさんがいれば、ああいう禁止無視の人も撃退できるから
楽でいいんだけどね、、
お先に失礼します、といいギルドを出る
リンちゃん一緒に帰りましょう、とテレスさんがついて来る
しかし、ウィリアムさんに行く手を阻まれ
テレスさん仕事がたまっているので終わるまで帰っちゃ駄目ですよ
と、頭をつかまれ引きずられていく
彼女って少し前までは看板受付嬢だったんだよね?
スキルで格闘術を持っているためか、ほどよく引き締まった体
それに対して少しアンバランスかとも思える大きな胸
喋らなければ少しきつめの目が印象的な美人さん
出来る女って感じ?
魔道具屋:
カランコロン、扉につけてある鐘がなる
「何しに来たのよ?、クスノキ リン」
魔道具屋の女主人カーサさん、見た目は私と同じくらいの女の子
しかし年齢は116才!、ハイ・エルフって長寿なのかな?
116年生きてるんだし人生経験豊富だよね、やっぱり敬うべきかなあ
「ちょっと、何じろじろ見てるのよ!、また変な事考えてるでしょ?」
勘は鋭いんだけど、なんだろうなあ
「もー、喋りなさいよ!、クスノキ リン!」
そういえば、他の従業員を見ないけど彼女1人でやっているのかな?
「ね、ねえってば、、怒ってるの?」
ほんとに116年生きてきたのかなあ?
「な、なんか気に障ったんなら、、ご、ごめんね?」
エルフの特徴である長い耳が垂れ下がる、ちょっと可愛い
「ねえ」
「な、なに?」
びくびくしながら聞いてくる、なんだろうなあ
「私のことは、リンでいいわよ、貴女の事もカーサって呼んでいい?」
「う、うん、いいわよ、、、リン」
なんか、嬉しそうだ耳がぴこぴこ動いている、わかりやすいなあ
「カーサ、我の事はクロ様と呼べ!」
クロがカーサの前にトンと降り立ち、偉そうに言っている
「え、う、うん、クロ様?」
カーサ、クロを撫でたいみたい、手を出したり引っ込めたりしている
「クロでいいからね?」
「リーンー!」てしてし!
「カーサは、錬金3持ってるでしょ、これと同じ物作れる?」
糸を垂らす
「手?」
「鑑定も持ってるでしょ、してみて」
「糸?、こんなに細いの見たこと無い」
手にとって確認している、たしかにこの糸は特殊だ
「どうかな?」
「多分、出来るけどこの材質は、うーん」
アイテムボックスから、ミスリルの指輪を取り出す
「これを分解か何かして使えるかな?」
「ちょ、それミスリルの指輪なの!」
鑑定持ちだと話しやすくていいなあ、説明しなくて済む
「多分出来ると思うけど、色々と試してみないと、、」
糸を確認しながら、悩んでいる
「じゃあ、いらない指輪渡すから、これで試してみて」
スライムの迷宮で手に入れた指輪を渡す、鉄や銀などさまざまだ
「リンは、なんでこんなに指輪持ってるのよ?」
「え?、迷宮で手に入れたんだけど」
「仲間の冒険者がいるの?」
ちょっと寂しそうに聞いてくる、ん?
「我だ!」
「え?」
「クロと2人で潜ってるのよ」
「え?、え?」
なんで混乱すんのさー
「ねえ、リンはスキルなに持ってるのよ?」
カーサが聞いてくる
「最初あったとき鑑定したでしょ?」
「見えなかったわ!」
えー、なにそれー
「じゃあ、秘密!」
「我も秘密!」
「なんでよおおおおおおお!」
カランコロン、扉につけてある鐘がなる
「こんにちは」
「まってたわリン、取り合えず鉄で作ってみたわ、これよ!」
自信満々で手を突き出してくる、んー
糸を受け取る、重さは、感じない、細さも、いい
「クロ」
「うむう!」
宙に火の玉が浮かぶ
「ちょ、ちょっとおお!」
糸に魔力を通し、ヒュン!、パシュ、、ふたつに裂かれ消える
「悪くないけど、、」
「え?、なに?、ちょっとリン貴女でしょ!」
カーサが宙に浮く、けど、ピンッ!、糸が切れる
「きゃ!」
「んー、重さはこのままで、もう少し密度を上げれない?」
「いたい、、」
「リン、自信作よ!」
「強度は上がったみたいだけど、ちょっと重いわダメね」
「え、え?、試しもしないの!」
「こんどこそ!」
「最初のと同じじゃない、ダメ」
「頑張ったわ!」
「結果が出ないと意味無いわよ?」
「これで、どうかしら、、、?」
「んー、いいわね、クロ」
「うむ!」
試す、、これは、今使っている糸よりいいかも
「いい出来ね、、もしかして?」
鑑定してみる、やっぱり、錬金が4に上がっている
「もう、鑑定しないでよ!」
口では嫌がっているけど、なんか嬉しそうだ
「じゃあ、同じ品質のをミスリルでお願いね」
「まかせて!」
「それで、お金はどれくらい掛かるのかな?」
「え、金額?、んーと」
「錬金4になったんだから、当然無料奉仕だな!」
クロが宣言する!
「う、うん、材料もあるし別に只でもいいわよ?」
「え、そう?、じゃあおまけで偽りの宝石も頂戴?」
「う、うん、いいわよ、、ん?、何言ってんの!!!」
ちっ!、失敗した!
「まて、リン、今カーサはうんと言ったぞ!」
「何言ってんのよ!、ダメに決まってるでしょ!」
「いいや、商人に二言は無いんだ、丁度2個装備しているだろう
ひとつよこすんだ!」
おおぅ、クロ君畳み掛けるね、けど二言は無いは武士じゃないの?
「え、そうなの?」
違うぞ!
「そうだぞ!、カーサは人族の理に詳しくないんだろう!
約束を反故にしたら商人失格なんだぞ!」
ペテン師クロと名づけよう!
「え、そうなの?、まだこっちに来て間もないから、、」
「商人失格になったら、死刑なんだぞ!」
「えええええええ!!」
えええええ、そんな嘘に騙されるの!!
「今ならまだ大丈夫だ、我もリンも寛大だからな!」
そうだね!
「え、じゃ、じゃあ、、」
リンは、エルフ族の秘宝:偽りの宝石を手に入れた!
いえい!
(カーサは、ちょろいんの称号を手に入れた!)
ちょっとクロ、それはウィン君の称号だよ!
「迷宮探索再開だな!」
「うん、いくなら次元の迷宮かな?」
「だな!」
隠密じゃないけど、偽りの宝石の効果で見つからずに入れる
「わたしも!」
ん?
「わたしも、いきたいなぁ?」
カーサが仲魔になりたそうにこちらを見ている!
「だが断る!」
「だが断る!」
ダブルアタックだ!
「な、な、なんでよおおおおおお!!!」
魔道具屋から少女の絶叫がこだまする
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名前:楠木 凛 種族:人族 性別:女 年齢:16
レベル:5
HP:60/60 MP:200/200
STR:55 VIT:45 DEX:55 MND:45 INT:200
スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定
(技) 罠解除1
(魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法1
水魔法2、光魔法2
装備:普通の服
白のローブ:INT20
素早さの靴:DEX10
魔力の腕輪:MP20
力の腕輪 :STR10
魔法の鞄
偽りの宝石(new)
金貨:24200
使い魔:クロ
スキル:火魔法2、風魔法2、光魔法1
名前:カーサ 種族:ハイ・エルフ 性別:女 年齢:116
レベル:30
HP:20/20 MP:200/200
STR:15 VIT:10 DEX:60 MND:30 INT:150
スキル:(特殊)鑑定
(武技)弓術3
(魔法)水魔法2、風魔法3
(生産)錬金4(1up)
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