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ネコと私  作者: 昼行灯
冒険者編
28/143

027:冒険者の平凡なる日常3

「グギャ!」「ゲギャ!」「プピャ!」

ボス部屋に入ると奇妙な泣き声と共にゴブリンが湧く

鑑定すると全てゴブリンファイター、計6匹

ボス部屋のゴブリン戦士なので通常よりHPが若干多い

まあ、剣を持っているが鎧は着ていない、特に問題はなさそう


バス君のボルトが先頭のゴブリンに刺さり

ウィン君の火の矢が追撃する、私はどうしよう

というか、私が狙われている気がする、4匹こちらに向かってくる

「リンさん、僕の後ろに!」

何となく理由がわかった、白い装備は目立つのだ!

「水の壁!」

3方向から同時に攻撃されるのは避けたいので、右方向を塞ぐ

正面の敵をサンド君が抑え、左から来る敵にジュノ君が攻撃する

後方から私、バス君、ウィン君で攻撃、前衛の受けるダメージは

ウィン君の大地の守りが一定数肩代わりし、それが切れた後は

時間回復の回復量を上回るダメージも無く、戦闘が終了する

(本気出せない戦闘ってつらいね)

(見てるだけのほうがつらいでござる!)

それもそうだね


下りの階段と宝箱、そして転移魔法陣が出現する、鑑定

宝箱:罠:無し

罠は無いみたい、基本口を出す気は無いけど転移の時だけは別だよね


「罠は無いみたいだ、開けるから念の為下がっててくれ」

バス君が言い、皆が壁際に下がる


「鉄の短剣」「鉄の剣」

戦利品はサンド君の魔法のリュックにしまう換金して等分配だ


「安定してたね、次から大地の守りは必要ないかな?」

ウィン君が普通の時間回復よりも回復量が多いことには突っ込まずに

少し諦めた顔で言う

「そうだな、ウィンはその分のMPで水の壁の向こうに火の壁出した方が

 ダメージ的に効率がいいかもな」

バス君が提案をする

「進路を塞ぐ形で出す水の壁は便利でござるな」

(ござるでござる!)

「うん、攻撃方向が限定されてて受けやすかったな」

サンド君が言う、PTの盾として立派に仕事してるよね


「出現する敵はゴブリンの迷宮2Fと同じだったが、ここは少し強いか」

「そうだね、バスのボルト一発でで死ななかったしね」

「だな、俺達だけだったらもっと苦戦したな」

「僧侶が敵で出てきた時は凄い苦戦するけど、味方だと楽だね」


少し休憩した後に2Fに降りる


気配察知が凄い!、必ず先に敵を見つけられるのだ

(あれは、街中とかでは煩わしそうだな)

たしかに、街中なんて気配だらけだね

バス君は最初から持っているスキルだからその辺の使い分けは

既に習得済みみたいだけど、後から巻物で覚えた人とか

大変じゃないかな


2Fからは敵に魔法使いも混じってきたけど、道中は必ず奇襲ができ

1匹の場合は、バス君のボルトが魔法使いを一撃で葬り

複数いてもウィン君と私の魔法で先制して倒せる、これは楽だ

2Fボスも魔法使いが1匹しか混じっていなかったので問題なく終わる

戦利品は「鋼の剣」「鉄の盾」普通だね


3F:

バス君がボルトを変える、今まで使っていた使い捨ての物でなく

鉄製の殺傷力の上がったものらしい、射程が減るんだとのこと

最終手段として爆発魔法を埋め込んだ物も持ってるって、凄いね

「使った時点で赤字決定だけどな!」

だよね!、お金に余裕が無い冒険者は色々厳しいよね

お金なら心配しなくていいのにというサンド君に

「そういう問題じゃねーんだよ」

と、笑いながら答える、バス君は出来た人だね、いや苦労人かな?


銃とか無いのかな?

まあ、あっても火薬式の物じゃ音が大きすぎて迷宮でつかえないか

サイレスで音を消して戦う銃使いとか、かっこよさそうだけど

そんなの発動した時点で感のいい魔法使いには気づかれる

戦争ならその轟きだけで武器となるからいいけど

迷宮のような極論すれば敵地での銃はないか、魔物を呼ぶだけだね

ボス部屋なら増援こないしありかもだけど

どうでもいいか


ボス部屋に到着する、ウィン君の大地の守りを全員に掛けMP回復を待ち

私の時間回復を掛け部屋に突入する


当たりのようです

ゴブリンリーダー1、戦士2、魔法使い2、僧侶1の計6匹

リーダーの統率スキルのせいだろうか、ステータスが高くなってる


戦闘開始だ、

鉄製のボルトが僧侶に飛ぶ、が、リーダーが盾で弾く


ゴブリンたちが突っ込んでこない、前衛がそれぞれ後衛の護衛につく

右の魔法使いが火の壁を唱えている、水の玉で頭を包んであげる

特にダメージは無いが火の壁詠唱は中断される


逆にウィン君の火の壁詠唱が完成し攻めて来ない彼等の地面が燃える

私に向かい風の刃が飛んでくるが、サンド君が防御し

火の壁で前進を余儀なくされたゴブリンたちにジュノ君が突っ込む

後ろにバス君が続いている


全員で対応されても面倒だし、左から向かう彼らの反対に

「ライト!」

強めの光を発生させ一瞬だけ目を眩ませる

「サンド君ここは平気だから、行って!」

「わかった!」

なんだかんだで、彼も状況判断は的確だ、でも、などとは言わない


ゴブリン戦士とジュノ君の戦闘が始まる

バス君は火の壁から出ようとしてた魔法使いに短剣で切りかかりつつ

僧侶にボルトを放ち、リーダーをこちらにこれないようにしている


「水の壁!」

「火の矢!」

火の壁の中から放たれた魔法を水の壁で防ぐ

逆にウィン君の魔法が戦士に当たる

サンド君がリーダーと切り結び、忙しなく回復をしていた僧侶の頭に

私の水の玉が重なる、詠唱を中断し急いで場所を移動する僧侶


この状況での回復中断が決め手になる、左の戦士と魔法使いが

ジュノ君とバス君により落ちる、、、




(リン、攻撃魔法無しでのサポート見事だ!)

(はは~、ありがたき幸せ)

INT200での攻撃魔法はどうやってもオーバーキルなので

徹底的にサポートのみで対応している


「風魔法のサイレス以外にもあんな方法で詠唱中断させるなんて

 リンさん凄いね!」

ウィン君が興奮しながら褒めてくる

「あの時のライトも良かったな、ある程度の混戦は覚悟してたが

 あれで敵の動きが止まって完全に分断できたからな」

バス君も褒めてくる

「みんなの連携も凄かったです」

負けずに褒めてみる

(頑張れリン!)

「リン殿は戦闘全体を見ているようで、まこと良いタイミングで

 補助してくれるでござる」

(リン殿とか言われた!)

(主君に昇格だなリン!)

「僕達、いいPTだね!」

サンド君がにっこりと笑いかけてくる、まぶしい!

(リン、多勢に無勢だ、ここは我の大規模魔法で一気に行くぞ!)

(どうぞどうぞ!)

(む、むむむ!むむむむむきー!)

クロがフードの中で暴れだす


宝箱:罠:毒針

「毒針かな、開けるぞ」

皆が壁際に下がる、、カチッ!

「むっ!」

失敗したみたい、急いで飛び退くバス君だけど間に合わない

「バス!」

みんなが駆け寄る

「すまん、しくじった、、」

苦しそうに言うバス君

「キュア!」

状態回復で解毒する、ついでにヒールも掛け体力も回復する


「...」


(クロ、みんなに沈黙の状態異常が!)

(サイレントリンと名づけよう!)


「光魔法2の状態回復をつかえる事は秘密で!」

先制攻撃しておく!


「うん、僕は別に驚いてないから!」

あごが外れるくらいあんぐりと口をあけていたウィン君が言う

説得力無いよね!


「宝箱には何が入っているんでしょうね、楽しみですね?」

巧みな話術で注意をそらす

(みごとだ、リン!)



「?巻物」「?巻物」「?剣」

3個も未鑑定品が入ってた

「これは期待できるな!」

「巻物2個と言う事は、1個はレアポップの僧侶がドロップかな?」

「剣もリーダー枠のドロップかもな!」

こっちも当たりが出たみたい、まあ鑑定しないけど


「しかし、どうする?」

「鑑定か、ウィンの家に持っていけば出来るか?」

「うん、出来るけど止めておいたほうがいいかな

 僕が言うのもなんだけど当たりだった時すり替えるかも知れない」

さらっととんでもない事を言うウィン君

「サンドの家も同じか?」

「ああ、おそらくそうなるだろうな」

サンド君の家もなのか、貴族ってそういうものなのかな?

「じゃあ、ギルド経由で鑑定を依頼するか」

「最近出来た魔道具屋はダメかな?」

ウィン君が提案する、あそこって最近出来たのか!

(吃驚仰天だな!)


「あそこは紹介制じゃないのか?、しかもお前のところとは

 あまり仲良くないだろう」

「うーん、仲が良くないというか魔道具屋にはちょっかいかけない

 という不文律があるだけだよ」

謎の一族的な感じなのかな?

まあ、ハイ・エルフとか敵にしたら大変そうだもんね

(リンは、すでに敵対しているな!)

(え?、してないよ、友好的な関係じゃん)

(衝撃の事実!)

(クロだってなにげに彼女のこと気に入ってるじゃんか!)

(隠された真実!)

サスペンスだね!


「取り合えず、保管はどうするか」

「そうだな」

なんかこっちみてるんですけど!、なんで?

「リンさんお願いできますか?」

サンド君が聞いてくる

「えっと、なんで私なんですか?、サンド君でいいんじゃ」

当たりが何か知らないけど換金されるんじゃ特にいらないし

「当たりだった場合、光魔法の巻物になるんですよ」


当たりだった場合の誘惑に負けて未鑑定のままで使ってしまう

という事態がゴブリンの迷宮で何回か起きたらしい

光魔法が使えれば冒険者をやらなくてもいい生活が出来る


それ以来、当たり品の可能性のある物のPT内管理は

そのスキルをもっている人が行うという、変な決め事が出来たらしい

私がいなかった場合は、「光魔法:回復」を持っているサンド君になる

うーん、面倒くさいけどしょうがないか、魔法の鞄にしまう


「じゃあ次は、進むか戻るかだな」

4Fに行くか、魔法陣で脱出するかみたい

「特に苦戦する要素も無かったし、進んでいいんじゃないか?」

「拙者も進むに1票でござる」

「俺は、戻るに1票だな」

「僕も戻るかな」

なんか、わざとやってない?、いいけど

「3Fでゴブリンの迷宮4F相当の敵がでたなら

 ここの4Fは未知の敵ということになると思うので、戻るに1票です」


「そうだね、調子がいいときこそ慎重になるべきだね」

進むに1票入れてたサンド君がもっともらしい事を言い

戻る事になった、転移魔法陣に乗り外に出る


「昼食にしようか」

少し遅めの昼食になる、どういう風に取るのかと思ってみてたら

魔法のリュックからテーブルと椅子が取り出される

考える事はみんな同じなんだな、と思いながらみていたら

ウィン君が5人分の食事を自分の魔法の鞄から出す

しかも彼の手作りと言うおまけつき女子力高いね!、男の子だよね?

(リン、完全敗北の瞬間である!)

(え、私負けたの!)


火魔法を器用に使い温かい飲み物等も振舞われ

思いのほか贅沢な食事となった

(見事なお手前で!)

(ご馳走様でござる!)

私はアイテムボックスのおかげで温かいままの食事が出来るけど

魔法の鞄だと火魔法つかえて料理も出来るウィン君貴重だね!

(リン、負け惜しみの瞬間である!)

(今度クロに手作りのお菓子作ってあげようとしたのに、やめた!)

(冗談なのだリン、機嫌を直すのだ!)

クロが一生懸命、頭を押し付けてくる

(じゃあ、今度マルアさんに厨房少し貸してもらって作るね)

(うむ!)


少し休憩を挟んで、もう1回迷宮探索をし早めの帰路につく

午後の探索はレアも無く特筆する事も無いものだった


今日はこの後、ギルドに報告して魔道具屋に行くのかな

ちょっと疲れたね、クロ

(Zzzzz…)

早く2人で迷宮行きたいね

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名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:5

HP:60/60 MP:200/200

STR:55 VIT:45 DEX:55 MND:45 INT:200

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (技) 罠解除1

    (魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法1

        水魔法2、光魔法2


装備:普通の服

   白のローブ:INT20

   素早さの靴:DEX10

   魔力の腕輪:MP20

   力の腕輪:STR10

   魔法の鞄


金貨:4080


使い魔:クロ

スキル:火魔法2、風魔法2、光魔法1

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