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ネコと私  作者: 昼行灯
冒険者編
26/143

025:冒険者の平凡なる日常

カランコロン、扉につけてある鐘がなる

「来たわね、クスノキ リン!、待ってたわ!」

「始めまして、こんにちは」

「にゃ~!」


「ちょ!、何始めてあったみたいに挨拶するのよ」

「魔法の鞄欲しいんですけど、幾らくらいするんでしょうか?」

「にゃ~ん!」


「ふざけてないで、私の話を聞きなさいよ!」

「あ、これですね魔法の鞄、色々な種類があるんですね」

「にゅ~!」


「勝手に商品鑑定しないでよ!、もう!、こっち向きなさいよ!」

「この一番小さいのは、幾らでしょう?」

「きしゃー!」


「ひぃ!、金貨100枚です」

「あ、なんとか買えるみたい、じゃあ、これください!」

「うにゃ~ん!」


「あ、ありがとうございます」

「あのー、魔法の巻物とかないんですか?」

「にゃ~ん!」


「あ、あるけど?」

「隠密とかって、あります?」

「にゃ!」


「さすがに総合系のは、扱って無いわ」

「そうなんですか、残念です」

「にゅ~ん!」


「ね、ねえ、ちゃんと話しましょうよ?」

「あ、この巻物買い取ってもらえますか?」

「にゃ!」


単体系の巻物が幾つも出てくる

「な、な、なによこの数、どうしたのよ!」

「買い取って欲しいんですけど?」

「きしゃー!」


「ひぃぃ!、わ、わかったわよぉ!」

「ありがとうございます」

「にゃ~ん!」


カランコロン、むなしい響きを残しクスノキ リンが去っていく

「もういや、、、ぐすっ」


「あそこなら、気兼ねなく売れるね!」

いらない巻物を買い取ってもらった、結構な値段で売れてほくほくだ

「うむ、便利な買取所を見つけたな、リン!」

「だね、あ、宝物庫のお宝もあそこで売っちゃおうかな?」

「さすがに足がつくんじゃないか?」

「たしかにそうだね、やめておこう」



貴族街ギルド:

「あの、次元の迷宮に行きたいんですけど」

ウィリアムさんに、聞いてみる

「リンちゃん、何で私をスルーして汚職ギルド長などに、、、」

テレスさんが、涙目でこちらを見ている、だって、ねえ?

「そうですね、リンさん今のレベルは幾つですか?」

むむ、レベル5になってるけど、素直に言っても平気かな?

「えと、5、、かなぁ?」

ウィリアムさんが少し固まる、う、まずかったかも

「そうですか、リンさんは後衛ですし、上はレベル10位ですかね」

なぜか周りで、盛大なため息がおきる

「だめだ、レベル差がありすぎる、、」

「次元の迷宮じゃなければ、、」

な、なんだろう、、、あれ?

場所を聞いただけなのに、もしかしてPT組む流れになってる?


「リンさん、僕達とPT組みませんか?」

治療士の仕事をしていると毎回来てくれる常連さんが声をかけてくる

いつもベテラン冒険者風の人と喧嘩を始める貴族風の人達だ

「サンド君のPTですか、確かに君達ならレベルも丁度いいですね」

ウィリアムさんが、言ってくる、彼サンド君って言うのか

鑑定すると、「光魔法:回復」を持っている、なにそれー!

自分で回復できるのになんで毎回治療に来るの、とか

単体系魔法という事は、巻物から取得なの?、お金持ちだね、とか

色々と思うところもあるけど、PT組んでの戦闘経験をしておきたいし

取り合えずお試しで、一緒に次元の迷宮に行く事にした

後ろでウィリアムさんがテレスさんに汚職ギルド長について尋問中だ


ちなみに、彼等は4人PTで、スキル構成はこんな感じ


名前 :スキル

サンド:剣術1、光魔法:回復

ジュノ:刀術

バス :弓術1、気配察知1、罠解除

ウィン:火魔法1、土魔法:大地の守り


装備から判断すると、サンド君は騎士、ジュノ君は侍かな

バス君は狩人かな斥候みたいな感じ?、ウィン君は魔法使い

なんていうか、突っ込みどころ満載のスキルが揃ってるよね!

鑑定がばれるから、聞けないんだけどね!


「よろしくねリンさん、僕の事はサンドって呼んでね」

「よろしくでござる、ジュノでござる」

「よろしく、バスって呼んで」

「ウィンです、よろしくお願いします」

それぞれに挨拶される、一応皆さん治療室で顔見知りでござる

(クロでござる!)

「リンです、よろしくお願いします」

(クロは、今日はネコの振りだよ?)

(わかっているでござる!)

気に入ったらしいでござる!


「許可証は僕が持っているから、すぐにでも出発できるけど

 リンさんは準備は大丈夫ですか?」

うーん、準備って何がいるんだろう?、というか許可証ってなに?

「えーと、あの、準備って何を用意すればいいんでしょうか?」

(肉串でござる!)

「えっと、リンさんは回復以外になにが使えるんでしょう?」

ウィン君が聞いてくる、少し気の弱そうな男の子という印象

「ウィン、こんな場所でスキルの話をするな」

バス君がウィン君をたしなめるおぬしわかっておるな!


「私のことは、リンでいいですよ」

わざわざ「さん」付けは面倒でしょ?

「ダメです!」

(却下だ!)

テレスさんとクロから不許可が入る

「リンちゃんを呼び捨てにしたら、ギルドから追放し抹殺です!」

(うむ、テレスはいいやつだな!)

テレスさんがウィリアムさんに連行される


「...取り合えず、近くの店でお茶でも飲みながら相談しよう」

サンド君が、微妙に注目を集めているのを気にして提案する

ギルドの近く喫茶店と言うか、ホテルのラウンジみたいな感じの

ゆったりした店内、馴染らしく挨拶しいつもの部屋大丈夫と聞いている

そして、内緒話をしても平気そうな個室に案内される

さすが貴族街、秘密の話もし放題なんですね


一連の流れを感心して見てたら

「一応これでも、家名持ちだから」

と、サンド君が照れながら言う

「サンドの家は伯爵なんだよ」

とウィン君が説明してくれる、お前もだろとバス君に突っ込まれている

ほんとに貴族だったのかあ


「まあけど、家は継げないからこうして訓練施設で勉強しながら

 冒険者で実力をつけてる所なんだけどね」

学校のようなものがあるらしい、彼等はそこの同級とのこと


サンド君は騎士を目指しているらしい

私的にあまり良い記憶無いけどね、なんか堕落しきってた印象しかない

まあけど憧れなんだろうね、私より年上の彼が目をキラキラさせている

騎士の称号が欲しいのではなく、大事な人を守る力が欲しいって

熱血だね!


ジュノ君は何となくわかってたけど、過去召喚された勇者の末裔らしい

「ござる」は、その人の口癖だったみたい

刀術は、その人が持っていたスキルとのこと剣豪だったんだね

運よく自分にも刀術スキルがギフトとして付いたので

修行のために冒険者としての腕も磨ける学校に入ったでござる


余談だけど、

昔は傑物を呼び出していたらしいけど、呼ばれる人が破天荒過ぎて

手に負えないどころか国を乗っ取られたりした事例があり

あるときから私達みたいに扱いやすい子供に切り替えたというか

呼ばれた誰かが術式を改変したらしい、滅茶苦茶ですね

「我は天魔王である!」とか言って人を辞めた方もいるらしい


バス君は、見ての通りスキルの宝庫

平民だったけど、そのスキルを見込まれ特待で学校には入れたらしい

気配察知と罠解除とか、便利過ぎるもんね欲しがる貴族一杯いそう

というか、既に出資というかパトロン希望の声が幾つか掛かってるって

迷宮探索の必須要員って感じだもんね


ウィン君は、魔術系の貴族だって

なんかよくある、火のなんとか、風のなんとか、みたいな

その属性スキルを高い確率で継承し威力も強い的な?

将来は宮廷魔術師になるのが夢だって、、、止めときな!



隠し事無く自分の素性とスキルを明かす彼等

うーん、おそらく彼等とよく来るベテラン冒険者さんは

ウィリアムさんから何某かの指示を受けている、依頼の形なのかな?

今のところ悪い感じはしないから、、まあいいかなあ


素性の部分は華麗にスルーして、所持スキルの説明をする

「光魔法と水魔法を持ってます」

「え?、リンさんダブルなの」

ウィン君が驚愕の表情を浮かべている、他の人もか

「えーと、秘密で!」

「うん、そうだね水と光なんて、水の一族が知ったら、、、」

ウィン君、深刻な表情で何か呟いている

ピコーン!

(リン、これはフラグが立ったぞ!)

え?、なにそれ

「サンド、ジュノ、バス、このことは絶対他には洩らさないで!」

ウィン君が真剣に彼らを説得している、もうギルドも知ってるよ?

「乙女の秘密は洩らさないさ!、キラリ!」

サンド君秘密を共有できた事が嬉しそうです、キャラ微妙に変わった?

「わかったでござる!」

よろしくでござる!

「ま、俺もスキルで苦労してるからな、了解だ!」

スキルで勧誘の嵐が連日来ている彼が言う

(リン、水の一族とやらとの抗争の予感だ!)

一番の味方からの危険な発言、どういうことなの!


「そういえば、許可証ってなんですか?」

疑問に思ってた事を聞いてみる

「ああ、リンさんは次元の迷宮行った事無いんだったね」

「はい」

「次元の迷宮はPT単位で転移されるから、他のPTに会う事が無いんだ

 なので他のPTに撃破され敵が減ってる事は無く常にフルで出てくる

 しかも一度入ると帰還の方法はボス撃破後の転移魔法陣しかない

 死亡率が他の初心者迷宮より高いんで、入る時にチェックをするんだ

 まあ、ランクDから入れる管理迷宮の簡易版みたいなものだね

 同じレベルの敵がいる迷宮に転移させられるから

 ソロの冒険者には許可が降りない様になっててね

 ある程度バランスの取れたPTのみに許可証が発行される」

じゃあ、どの道私1人じゃ入れなかったのか

「じゃあ、私は運が良かったんですね」

僕達のほうが運が良かったよ、と言われる


装備の話になると、ウィン君がまた張り切りだす

「リンさんは、回復を使う時、杖を持ってないし

 呪文も唱えてないですけど、無詠唱のスキルがあるんですか?」

ああ、そういえばこの問題もあったっけ

「えーと、持ってないです、今まで杖を持った事も無いですし

 詠唱も特にしたことは無いです」

「ぽかーん」

ウィン君ぽかーんとしている、わかりやすい表現だ!

「これも非常識な事だったなら、秘密でお願いします」

「いやいや、皆知ってるし!」

おっと、突っ込みが入ってしまった、確かに治療士で皆に見られてる

「んー、多分他の人も出来ると思うんですけど、、」

「そんな事、高位術者じゃないと出来ないです!」

やっぱりそうなるかあ、

「僕なんか最近やっと火の矢が出来るようになったところなのに、、」

「凄いじゃないですか?」

「リンさんに言われてもへこむだけだよぉ」

情け無い顔をするウィン君、なんか彼はお姐さん方に人気が出そうね


結局装備は今のままで問題ないとの結論に至る

今日は話し込んでしまい遅くなったので、迷宮は明日行く事となった

緋色のローブ着れないし、茶色のローブじゃ追加効果ないから

ローブだけでも新しいの買おうかな?


しかし、次元の迷宮1人じゃ入れないとなると、今後どうしようかなあ

隠密とかあれば、入れるかな、明日行ってみればわかるか

だけど、やっぱり隠密欲しいな





カランコロン、扉につけてある鐘がなる

「な、なんの用なのクスノキ リン」

「こんにちは、魔法のローブ欲しいんですけど、いいのありますか?」

「にゃ~!」


リンは、金貨1000枚で「白のローブ」を手に入れた!

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名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:5

HP:60/60 MP:200/200(20down)

STR:55 VIT:45 DEX:55 MND:45 INT:200(10up)

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (技) 罠解除1

    (魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法1

        水魔法2、光魔法2


装備:普通の服

   白のローブ:INT20(new)

   素早さの靴:DEX10

   魔力の腕輪:MP20

   力の腕輪:STR10

   魔法の鞄(new)


金貨:4080(3900up)


使い魔:クロ

スキル:火魔法2、風魔法2、光魔法1

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