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ネコと私  作者: 昼行灯
新人冒険者編
20/143

019:月の障り

クロとリンのラブラブ回、たまに雑音

「リーン!、朝だぞ起きろ」

クロが頬に頭をぐりぐり押し付けてくる

「うーん」

だるい、クロをそっと抱く

「リン?」

抱いた腕から頭だけをひょっこり出して翡翠色の瞳でこっちを見ている


「今日はお休みにします」

頭を撫でる、反論するかと思ったけど目を細め素直に撫でられている

そのまま浅い眠りに落ちる、、



コンコン、ノックの音がする

「リンちゃん、起きてるかい?」

マルアさんだ

「我が行こう、リンは寝てるのだ!」

クロが器用にドアノブに取り付き鍵を開ける

「あら、クロちゃん器用だね!」

「にゃー!」

「おはようございます、マルアさん」

「おはようさん、こんな時間まで寝てるなんて珍しいね

 朝食はどうするんだい?」

「私はいいんで、クロにだけお願いします」


「じゃあ、リンちゃんには温かいスープとフルーツでも持ってくるよ

 それなら大丈夫だろう?、食べないとダメだよ」

察してくれたみたい、さすが女将さん?


「クロどこか行きたいとこあるなら、出かけてもいいよ?」

ご飯をむぐむぐ食べているクロに言う

「リンと一緒にいるのだ!」

お肉をくわえたまま、飛び付いてくる、もー汚れるじゃんかー




冒険者ギルド:

「ウィリアムさん、リンちゃんが誘拐されてから数日経ちました」

受付嬢のテレスだ、言っている事がおかしい

「リンさんは、ちゃんと宿屋に戻ってきてますよ」

ほっとした表情の後に、冷めた目でこちらを見てくる

「ウィリアムさん、何でそんなこと知ってるんですか?

 ストーカーですか?、殺しますよ?」

失言だったか

要注意人物に関しては宿に事情を説明して報告してもらっている

何か不測の事態が起こったときに迅速に対応できるようにだ

「今朝、宿屋の女将とたまたま会って聞いただけですよ」

「そうですか、宿屋の女将と不倫ですか、不潔ですね!」

どう聞けばそういう解釈になるのだろうか


書類に判を押す

「テレスさん給料を減らしました、これが書類です」

「な、な、な!」


なんじゃそりゃあああああ!


ギルドに魂の叫びが響く




「どうだ?」

「該当する冒険者はいないようです」

市民街ギルドにソロで活動する黒髪の女魔法使いはいないらしい

「するとやはり、貴族街ギルドか」

あちらはやりづらい、市民街のギルド長ギルバートは放任主義というか

適当なので所属冒険者がいくら消えようと気にしないのだが

ウィリアムは貴族の子息をあずかる関係か面倒見がよい

特殊依頼として護衛用にギルドが冒険者を雇っているとの話もある


いや、貴族ならば冒険者である必要もないのか

宮廷魔術師の象徴でもあるローブを貸与されているくらいだ

ならば、それに見合う護衛も用意されているはず


だめだ、リスクが高過ぎる

「おい、本当に1人だったのか?」

「はい、危険だと判断したので追跡はしませんでしたが」

報告しに来たうちの1人、こいつの女に関する目は間違いがない

今まで扱った女の中で最高額という評価は信用できるだろう

最悪ローブだけでもやる価値がある


調べるのは止めるか、どうせ街では行動が起せない

目撃者もなく、もし居ても処分できる迷宮そば、これが重要だ

初心者迷宮だ、しかもソロということは後数回でそこには来なくなる

急いだほうがいい、護衛も考えてそれなりの手練れを数人、、


親交のある貴族にも声をかけるか、、保険だ




市民街ギルド:

「なんじゃ、やつ等もう引き上げたのか、最近静かだったから

 久しぶりの面倒ごとの臭い、期待していたのに、、」

つまらん、と呟き大きなあくびをする

「おい、ジジイ、何で俺のランクアップが保留なんだ?」

ギルド長に対して礼儀を知らない口を利くガキを見る

「ワシと模擬戦しないとランクアップさせん」

ニヤリと笑いながら答える

「ふざけんなボケジジイ、しね!」

文句をいいながら出て行く、口は悪いが物に当たったりするでもない

からかいがいのあるガキだな、子守につけたライも絶賛してたし

近年呼び出される軟弱な勇者とは少し違うらしい


セイは、自己申告したスキル以外にも色々持っていそうというし

ジムとも普通に会話してやがった、まったく


おもしろい、、、自然と口角が上がる


「フジワラ、かわいそうに」

「ギルド長に気に入られるなんて、不憫だね」

「あいつ、生意気だからいい気味だぜ!」

さまざまな囁きが飛び交う





「リン、朝だぞ?」

クロが控えめに頭を押し付けてくる、心配してくれてるの?

「おはよう」

頭を撫でる

「うむ!」

しっぽが揺れる


「今日は、ギルドで治療士の仕事しようか」

まだ本調子じゃないし、ギルドにも顔を出しておきたい

「うむ!」

頭をぐりぐりと押し付けてくる、もっと撫でてほしいの?


軽めの朝食を取る

「今日も休んだほうがいいんじゃないのかい?」

マルアさんが心配してくれる

「大丈夫です、クロも一緒ですし」

クロがまた肉をもぐもぐしながら飛び付いてくる、もー

「仲良しだねぇ」

無理するんじゃないよ、といわれ送り出される


「リン、肉串を補充するのだ!」

しょうがないなあ、時間的にお店はまだ開いてないので

少ないながら出店している屋台で色々買い物していく

急がないしいつもよりゆっくりしながら、ギルドに向かう


ギルドに入る、なんか久しぶりだね

「リンちゃんを誘拐し、不倫をし、私の給料まで着服するなんて!」

天誅必須!、とかなんか危険な事を呟いているテレスさんに挨拶する

「おはようございます、テレスさん?」

サーチアンドデストロイとか呟いているのでそっとしておく


「リンさん、久しぶりです、さっそく怪我をしてきました」

なんかいってる事がおかしい気がするけど、治療をする

「あんまり無理はしないでくださいね」

レベルが上がったためかヒールの使用でもMPはほとんど減らない

「リンさんに治療してもらえるなら、無茶もするさ!、キラリ」

意味がわからないことをいいながら歯を輝かせる

「キシャー!」

クロが威嚇している

「おいおい、治療が終わったならとっとと出て行ってくれないか?」

ベテラン冒険者さんが登場した

「む、貴方はランク高いのに何で毎回怪我をするんですか?」

もっともです

「神のお導きだな!」

なんですかそれ?

「都合のいい神ですね!」

「愛の女神だな」

「愛なら私だって負けません!」

神様の話じゃないの?

「キシャー!」


バタン!、扉が開く

「リンちゃん、助けに来たわ!」

テレスさん、現実に帰還したのね

「貴方達が誘拐犯ね!、抹殺です!」

まだ戻ってなかったのね

「キシャー!」

クロまで、どうしたの!


なんか意味がわからないまま、それぞれが臨戦態勢にはいる

なにこれ?


「治療室で怪我人を出さないでくださいね?」

ウィリアムさんまで登場した!

「不倫している人の意見は却下です!」

え?、ウィリアムさん不倫してるの!

「テレスさん、給料無しにして欲しいんですか?」

「クッ!、人質とは卑劣な!」


なにこの三文芝居?


「リンさんが来たということなので、怪我してきました!」

うーん、それダメじゃないの?

治す必要もないような怪我の人が次々と来る、まあいいけど

なんだかんだで、治療を続けていたら光魔法のレベルが上がった

やったね!



「リン、調子悪いの?」

ギルドの女性職員との昼食時に聞かれる、むむ、そんなに判り易いかな

自分の体調は他人に気取られない自身があったんだけど

「なんでですか?」

何でわかったか聞いてみる

「だってクロちゃんが、全然貴女から離れないじゃない」

そういえばクロ、前回までお肉貰いに動き回ってたのに

今日は私から離れようとしない、皆があげにこっちに来ている

クロ、わかり易いってよ?、頭を撫でる

しっぽをゆらゆらと揺らし、素直に撫でられているクロ

「至福!」

テレスさんがこちらを見ながら、嬉しそうに昼食を食べている


「クロちゃん、本当にリンが大好きなのね、羨ましいわ」


(クロ私のこと大好きなの?)

(相思相愛?)

そうだね

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名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:3

HP:40/40 MP:180/180

STR:35 VIT:25 DEX:35 MND:25 INT:150

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (技) 罠解除1

    (魔法)召喚魔法(式神)、水魔法1、光魔法2(1up)


装備:普通の服

   緋色のローブ:MP20、INT10

   素早さの靴:DEX10

   魔力の腕輪:MP20

   力の腕輪:STR10


金貨:180(50up)


使い魔:クロ

スキル:火魔法2、風魔法1

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