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ネコと私  作者: 昼行灯
新人冒険者編
18/143

017:閑話:冒険者フジワラ

藤原君をもう一話

オークの迷宮:1F

オークは簡単に言うと鬼だ

日本で言うところの角が生えたあれの角を無くした姿が一番近いだろう

欲望に忠実な彼等は、おしゃれに虎柄の腰巻きなどは穿いていない

服や鎧を装備していないやつは丸出しだ、つまりアウトだ!


女性冒険者が来ない理由もうなずける、欲望に忠実な彼等は

女性を見ただけで、アウトな部分がビックバンになるからだ

それを見たミニマムな男冒険者も自信喪失で二度とこなくなる

負の連鎖だ!


種族特性として、ほぼ全員がHP回復を持っている、底無しだ!


1Fは、オーク単独で行動している場合が多い、目の前を1匹通り過ぎる

じゃあ、始めるか


「スラッシュ!」

隠密を解除し、背後からオークの足に武技を放つ

「ギャ!」

さすがに体力バカな魔物だ、一発じゃ死なない

だがいい動けなくするのが目的だ、足を引きずりながら迫るオークに

「ストーンバレット!」

土魔法の石礫だ、ま、一発じゃダメなのもわかっている

距離を取りつつ石礫を放ち続ける


スキル強奪発動!、、、、HP回復取得!


今日はここでずっとこれを続けるか、、、




市民街ギルド:受付嬢:サラ


「オーク討伐依頼の達成確認をお願いします」

この前冒険者登録をしたフジワラさんが、オークの魔石を出す

たしか持っているスキルは、土魔法1だったかしら

「はい、確認しますね」

「ああ、待ってくれまだあるんだ」

え?、彼の懐から魔石が次々と取り出される、まだ出てくるの?

「これくらいか、確認を頼む」

魔石の山が出来ている

「えっと、はい、少々お待ちくださいね」

隣りの職員に手伝ってもらい確認をする、他の冒険者に注目されている


「確認しました、これが今回の報酬になります」

金額を言わず金貨30枚を渡す、一日の稼ぎとして破格の額

貴族街のギルドと違いここのギルドは柄の悪い人も多い

新人が大金を持っていたら、狙われる

「あの、今度から大量の魔石等の場合は事前に声をかけてください」

小声で話す

「なんでですか?」

不思議そうに尋ねてくる、本当にわかってないの?

貴方の命が危険だからです!、自覚してください!

「確認に時間が掛かってしまうので、別の部屋で作業をするんです」

「あ、そうなんですね、わかりました」

彼は危機感の無い顔で失礼しますといい、ギルドを出て行く


後を追う冒険者はいないみたい、心配し過ぎだったみたいよかった

しかし彼女は気づかなかったのだ、一連の騒ぎをじっと見ていて

少し前にギルドを出て行った冒険者がいたことに、、、




確かこっちだったかな?

まだ詳しくない記憶を頼りに歩を進める、、、行き止まりだ


「へへへ、自分からこんな都合のいい場所に来てくれるとは」

背後から声が掛かる

「なあお前さっき結構な額の報酬を貰ってただろ?」

誰かが近づく気配で振り向く、、剣と共に


斬!


「な?」

上手く首に当たった、さすがに首を飛ばすことは出来ないが、致命傷だ

そのままそいつをもう1人のほうに蹴る

「ななな」

なんだよ、戦闘もなく金取れると思ってたのか?、鎧くらい着ておけ!

首から大量の血を噴出している奴ごと剣で刺す

「なーーー!」

な、以外喋れよ?


スキル強奪発動!、、、、失敗

スキル強奪発動!、、、、剣術取得!


チッ!、しけてんな、盗賊っぽい奴だから罠解除とか期待したのに

こんな雑魚だけとか、もっと派手に餌を撒けばよかったか、、




オークの迷宮行きの馬車:

「なあお前が、最近ソロで迷宮に潜っているフジワラなのか?」

俺と同じ歳くらいの奴が声をかけてくる、連れはふたりか

「ああ、まだ冒険者始めたばかりの新人だ、よろしくな」

餌を混ぜつつ当たり障りのない挨拶をする

「新人なのにもうソロでやってるなんて凄いな!」

「僕達なんか、もう一年冒険者やっているけど、やっと2Fだよ」

「...」

見た感じ、上が戦士、中が狩人、下が盾を持っている重戦士?

盾と近接攻撃に遠隔攻撃と、バランスいいな、回復がいないが


「もしよかったら、一緒に潜らないか?」

うほっ、やらないか!


PTに誘われちまったよ、どうやら俺を狙って一緒に来たのは

もう一組のPTだったみたいだな


あっちはふたりか、いまこいつらのPTに入ると探索後の帰りに

襲ってこない可能性のほうが高いな、まあいいか


「とりあえず今回だけの臨時ってことでいいなら、いいぜ?」

「それでかまわないよ、じゃあ詳しくは迷宮で話そう」

ああ、判ってるな、こんな場所で持ってるスキルの話を出さない所は

まあ、ただのバカな善人が冒険者なんてやってられないか



「あいつ等は、来ないんだな」

戦士のライ、リーダーっぽいよな

「帰り気をつけたほうがよさそうだね」

狩人のセイ、普通っぽい

「...」

重戦士のジム、寡黙だな


なんだ、気づいてたのか

「だから声をかけたのか?」

「うーん、まあね」

「なんだよ、PT組むんだから隠し事は無しだ、サラに頼まれたんだよ」

「サラ?」

誰だっけ?

「えー!、受付嬢のサラさんだよ」

ああ、あいつか、さりげなく気を遣ってくれてたな

「僕達も新人の時に同じようなことがあってね」

「まあ、相手が違うが、そのときの恩返しだ」

ふーん、ギルドってちゃんと新人のサポートとかするんだな、意外だ



「取りあえず、俺達の戦い方を見てもらったほうがいいかな」

「そうだな」

「...」

寡黙だな、その兜の下は美少女とかか?、体は男前だけどな!



「少し先にオーク1体、いくよ」

さすが狩人、目がいいな

ヒョウ!、と空気を切裂き矢が飛びオークの背中に刺さる

足に刺さり動きが鈍る、胸に刺さる、終り

まあ、よーいスタートで戦闘が始まるわけもない、こんなもんだな

「1匹だけじゃ、俺らの出番は無いな、早く2F行こうぜ」

「その前に1Fのボス部屋で、出番あるよ」

確かにあそこだけは、きちんと開始のゴングが鳴るな



1Fボス部屋:

ここは、ちょっと強いオークが1匹だけ湧く


狩人セイの矢がオークの目に刺さる、あいつ命中精度高いよな

「ガァァ!」

錆びた剣を振り上げセイに突っ込んで来るオーク、絶妙なタイミングで

重戦士ジムが受け止め、戦士ライが剣を持つ手を斬り飛ばす

弓を短剣に持ち替えたセイが背中から心臓部分を突く


なんていうか、いい連携だな

「ちょっと、下がっててね」

セイが宝箱を調べてる、、、、カチャ

「鉄の剣だね」

罠解除のスキルも持っているのか、すげえ


「なあ、分け前は売った金額を人数割りでいいか?」

ライが聞いてくる

「ああ、問題ない」

今の強さじゃソロで2Fは厳しかったからな、逆にありがたい


「じゃあ、2Fに行くか」

ライ達が歩き出す

「ちょっと待ってくれ、ライ、ジムこっちへ」

「ん?、なんだ」

「...」

光魔法を使う気は無いからな、保険だ、大地の守り!

「!!!」

「!!!」

「え?、それって大地の守り?」

「ああ、一定ダメージ身代わりになってくれる」

「いやいやいやいや、フジワラはギフト持ちなの?」

ギフト?、ああ最初っから持ってるってやつか、違うけどな

「ああ、土魔法1を持っている」

「凄い、土魔法全種類使えるんだ!」

凄いことなのか、、

「他言無用でたのむ」

「そうだな、そのほうがいいだろう」

「だね」

「...」

喋れよ!


「3匹、右をやる」

セイの矢が飛び、、、オークの足を射抜く

「左を、」

石礫がむき出しのジョニーに当たる、悶絶中だ

無傷のオークが迫る

「ジン!」「...」

攻撃をジンが受け、動きの止まったオークにライの攻撃が炸裂する

「フジワラ、左から殺ろう」

「ああ」

セイの矢と俺の礫がジョニーを押さえ悶絶中のオークに集中する


スキル強奪発動!、、、、HP回復取得!

スキル強奪発動!、、、、剣術取得!


止めを刺さないとスキル強奪が発動しない

なので最後の一撃だけMP消費を多めにし威力を上げて撃つ


「いいな!、無傷で勝てたぜ」

「...」

「だな、大地の守りがいい感じだ」

マジかよ!、会話が成り立ってるのか、ミステリーだぜ


「フジワラ、MPは大丈夫なのか?」

「ああ、気にしないでいい消費MPを調整しながら戦っているからな」

「凄いな、巻物で取得した奴等じゃそんな芸当できないぜ」

そうか?、おそらく出来ると思うぞ

まあ、実際はMPは常に0だ、HPを消費しながら魔法を使っている

既にHP回復が3まで上がっているし、光魔法リジェネも使っている

石礫程度なら消費するHPよりも回復する量のほうが多い

今後もソロで活動することを考えて、HP回復の取得を優先したのだ


「フジワラほどの腕なら、スライムの迷宮も効率良いだろうな」

そうだな、魔法使い用の迷宮らしいしそのうち行くつもりだが

その前にゴブリンの迷宮で色々なスキルを取得したい

そのための前準備がHP回復だ、レベルも上がったしいい感じだ


「2Fのボスもいけそうだな」

「うん、フジワラがいるなら問題なさそうだね」

「...」

「ボス行くなら大地の守り掛け直すから、言えよ」


2Fのボスも倒し3F攻略まで進んだ

さすがに3Fボス部屋はやめておいた、ボスは極稀にだがレアがでる

ここは通常、統率というスキルを持ったオークリーダーが出るが

ほんとに稀にオークロードが出るらしい、ロードとか強そうだな

冒険者ランクB位の実力とのこと、さすがに勝てないか


「いないな」

「だね、さすがに4対2じゃ分が悪いし帰ったのかな」

「...」

戦利品狙いのやつらはいなくなっていた

まあ、俺が1人のときに襲ってくるだろう、まってるぜ

「魔術師がいるとこんなに効率が違うんだな」

「いや、フジワラが特別なんじゃないかな?」

「...」

今、そうだなって言っただろ!、何となく解ってきたぞ

やべえ、俺の頭もミステリーに突入か!


まあなんだ、たまにならこいつらと組むのも悪くないな

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名前:藤原 秀平 (フジワラ ヒデヒラ)

種族:人族 性別:男 年齢:16

レベル:4(2up)

HP:50/50(20up) MP:35/35(20up)

STR:55(20up) VIT:35(20up) DEX:35(20up)

MND:35(20up) INT:35(20up)

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、スキル強奪

    (武技)剣術1

    (技) 隠密1

    (魔法)土魔法1、光魔法1

    (自動)HP回復3(new)


装備:ボロボロの学生服

   騎士の剣:STR20


金貨:70(50up)

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