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ネコと私  作者: 昼行灯
闇の一族編
137/143

136:男女平等...

数刻前の魔道具屋での出来事......

「なあ、楠木」

「ん?」

「俺、光魔法と闇魔法5になったんだけど、この光魔法の洗脳と闇魔法の呪いってどんな感じなの?」

「私達がされそうになった隷属とかは多分呪いの類だと思うし、教会とかは洗脳を上手く使っているんじゃないかな、私達の世界でもそうだったけど継続的に洗脳されればそれが普通と認識してくるしね、こっちは明確に洗脳と言う魔法があるから完全に作り変えることが出来るよ」


「えええーと、それってつまり...」

楠木先生は誰か洗脳しちゃったりしてるんですかね?


「んー、藤原君もさ、躊躇しないほうがいいよ?」

「躊躇っていうと...?」

「ここでは隷属の首輪をはめられたら終了だし、洗脳一回でもかかったら終了だし、極端な事を言えば睡眠薬入りの食事食べただけで終了なんだからね」


俺がさ、迂闊な行動するのはお前達といる時だけだって


「俺は楠木が見て無いところでクソネコを殺そうと思ってるがな!」

「なーんーだーとぉぉぉ!」


「あ、そうだ、藤原君ちょっといい?」

「ん?」

「シネヤーワレー!」

バゴォォォォン! クロの右ストレートがクリーンヒットする。




「ちょっとクロ邪魔しないでよー」

「これは愛のある教育なのだ!」

「俺はクソネコから愛の欠片も感じないが?」

「いい度胸だ、愛を感じるまで殴ってやるのだ!」

しゅっしゅっと器用に前足でパンチを繰り出すクロ君。

「じゃあ俺の愛も受け止めてくれよ?」

チャキッと童子切の鯉口を切る藤原君。


クロのお腹に手を回し抱き上げる。

「ぬっ! リン、はーなーすーのーだー!」

陰陽浄衣の合わせた襟のところを少し(ゆる)めクロを収納する。

「おっ? おっおっお!」

もぞもぞと動き良い位置を探り出すクロ君。

「むふー! これはいいのだ!」

襟から顔を覗かせるクロ君。気に入ったらしい。

「クソネコずるいぞ!」

「ここは我の指定席なのだ!」

「代われ!」

「つーん!」

なんだかんだで二人って仲良しさんだよね?


「ところで私の話聞いて?」

「うむ!」

「お、おぅ!」

藤原君だけでクロはいいんだけどね。

「今街に来ている魔眼の何とかって人と、魅惑の何とかって人がさ、おそらく今話したようなのを使ってくるんじゃないかと思うんだよね」

「洗脳とか魅了とか?」

「うん、カーサ、魅惑って人は魔物とのハーフなんでしょ?」

「うん。サキュバスと人間の混じり者って噂よ」

いわゆる夢魔ってやつだね。

「でね、カーサは店から出ないからいいとして、テレスさんもあるスキルでそういうのは効かないんだよね」

「俺が魅惑されんじゃないかって事?」

「うん、一応対策をしておこうかと思うんだけど」

「なにすんの?」

「藤原君に対して私が先に洗脳を掛けておく、かな」

「マジで?」

「うん、けど洗脳っていっても色々だから、今回掛けておくのは決めておいたキーワードで発動するタイプかな」

「魅了や洗脳とかを効かない様に洗脳するとか無理なの?」

「んー、さすがにそういう都合のいいのは無理だよ、常時洗脳状態になるから変な負荷がかかって後遺症みたいなのが出るかもしれないしね。それにキーワード発動なら発動するまでは負荷がかからないし発動時点で先に掛けておいたこちらの洗脳が優先されて後からかかったものはキャンセルできるし、発動後こちらの洗脳解除もするようにしておくからおそらく一番いいんじゃないかと思うよ」

「そういうものなの?」

楠木先生、エラククワシイデスネ!

「うん、取りあえず発動する洗脳の効果とキーワードは藤原君が決めてね」

「俺が決めんの?」

「そりゃ自分の行動だもん、どうするかは自分で決めてね?」

「お、おぅ……じゃ、じゃあそいつらが楠木の撒いた餌に食いついてきたこと前提として、楠木、殺すの二つのキーワードで、いや捕縛とか隷属のほうがいいかな、いやいや殺すの方がキーワードとしてはいいか」

「私のこと楠木って呼ぶの藤原君だけだよ?」

「あ、そうか、じゃあリン、殺すで」

「フジワラ、殺す!」

「はいはい、クロは黙っててね?」

「にゅ~!」



フジワラ洗脳中...



「ところで楠木は洗脳対策しなくていいの?」

「ん? 私は多分平気かな」

「我も無敵!」

黙れクソネコ!

「でもさ、相手魔眼とか言われてんだろ?」

「魔眼って...ねぇ」

クソネコと見つめあい、にへらっと笑う楠木と。

「ぷぷぷぷぷ!」

楠木の服の中で転げまわるクソネコ、マジ死ね! いやマジ代われ!

「クソネコはいいのかよ?」

「えー、だってクロはどちらでもないから、ねぇ?」

「うむ! 我はクロだからな!」

お前はネコだろうが!


「洗脳って先に掛けたほうが優先されるものなのか?」

「強力な方が優先されると思うよ」

「それって楠木先生の方が強力という事ですかね?」

「そういうことになるねぇ」

「スゴインデスネ?」

「リンの光魔法はユニもごもごもご、あむあむあむ!」

クソネコの顔をぐりぐりしながら曖昧に笑う楠木。どんな強力なスキル持ってるんですかね?

俺も鑑定欲しかったなあ、あー、けど、楠木を鑑定できる自信ないわー、なんかなあ。



楠木と敵対したやつが可哀相と思うのは俺だけじゃないよな?





人気の無い路地裏。

普段はそうであるのだが今日は違うらしい。

質素なテーブルに椅子が二つ、向かい合うように男と女が座り。それを取り囲むように数十人の男が立っている。


座っている男の名はフジワラ。

そして女の名はリリム、魅惑のリリムと呼ばれる者だ。

「アイテムボックスって便利ね」

テーブルに出された果物を摘み口へと運ぶリリム。よく冷えていて美味しい。

「それに氷魔法、素晴らしいわ」

「おお、ぅ」

「でも、もう少し女性向けのデザートも用意しないと駄目よ?」

妖艶に笑いかけるリリム。

「そう、いうのは、いつ、もくすのき、がよういしてる、から」

「あら、そうなの?」

その娘も便利そうね、けど、ワタシ以外の女は必要ない。


でも...そうね、


ギラギラとした目でこちらを見つめる男達を見回す。

ああ、ペットとして飼うのなら...楽しそうね。



フフフ、ペットの配合とかやってみるのも面白いかもしれないわね。

最初はゴブリンと、次にオーク、ちらりとフジワラを見る。彼がいればもっと強い魔物を捕らえる事も出来るかもしれない。

「そういうのも悪くないわね、その娘を殺すのはやめるわ」

「? だれ、をころすん、だくすのき?」

「くすのきは殺さないわ。殺すのはリンという冒険者だけよ」




「……リン、……殺す?」

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