114:秘密の迷宮
秘密の迷宮(1/1):
今日の本当の目的、もしかしてと思っていたけど本当に来れた。
「クロ君、本番です!」
「魔人よ、我は帰ってきたぁぁぁ!」
「おかえり~」
「ひゃ~!」
「うひょ~!」
前回もそうだったけどこの子いきなり現れるよね!
名前:ジェーン 種族:魔人
HP:600/600 MP:0/0
STR:150 VIT:300 DEX:100 MND:300 INT:100
スキル:(特殊)念動力、魔眼
鑑定したが、ステータスその他は前回と変わらない、と鑑られた。
「あれ、ネコちゃん私とおんなじ?」
「むむ?」
念動力の事だろうけど、これは、会話が成立する?
「おなじかもねぇ」
「むむむ?」
(リン?)
(まかせて)
「おんなじなの?」
「どうだろうねぇ、あなたはどう思うの?」
「んんん、わかんない」
「どうして?、この子もあなたと同じ力を持っているよ」
「おんなじなの?」
「どうかなぁ、鑑たんでしょ?」
「うん、おんなじだった」
「おんなじだったこの子は私の使い魔なんだよ」
「つかいま?」
「うん、あなたと同じこの子は私の使い魔なんだよ」
「わたしと同じこのこはあなたのつかいまなの?」
「そう、私に召喚された使い魔なんだよ」
「あなたに召喚された使い魔なんだ」
(リン、光魔法の洗脳を使っているのか?)
(うん、どうする?)
(どう?)
(戦闘しなくてもいけそうなんだけど)
(え~、この前は不意打ちだったから白黒はっきりしたいのだ!)
(うーん、まあいいか)
「じゃあ遊ぼうか」
「なにして遊ぶの?」
「殺し合いなのだ!」
「ちょ!」
「いいよ~!」
クロのバカー!
距離は、無駄か、死角になるような障害物も無い。
そうなると視覚を奪わないとだけど取りあえず魔力を込めた糸を周囲に放つ。
青白い糸がキラキラと宙を舞う。
「クロ、ダメだったとかは無しだからね?」
「善処する?」
「それはダメな人のいいわけだよ!」
「むふぅ!」
「わ、わ、きれい!」
魔人の手が前に差し出され、握られる。
ぎゅ!
キラキラと舞っていた糸、目の前の数本が不自然に動く
「うらぁ!」
クロのネコパンチが見えない力と共に発動し、魔人のそれを発動前に弾き飛ばす!
「わっ!」
狙い通り弾き飛ばしたそれは魔人のそばで発動する。
圧縮されていく空間を急いで自分でキャンセルしている。
「ふふふ、思ったとおりなのだ、魔人敗れたり!」
イカサマにはイカサマで対抗する、理にかなっているけど、まあいいか。
ぎゅ!
うらぁ!
ぎゅ!
うらぁ!
ぎゅ!
うらぁ!
うらぁ!
ぎゅ!
うらぁ!
ぎゅ!
攻防が逆転している、クロの攻撃を魔人が圧縮で防ぎだす。
まあ周りじゅうに糸を撒いてあるのでクロの攻撃も事前に察知出来ちゃうというか、おそらくあの魔眼というので見えているんだろうけど。
「ネコちゃん凄い!」
「当然なのだ!」
うん、なんか楽しそうだね。
けど、
「ごめんね」
「え?」
斬!
魔力を通していない、青白く光ってない糸が魔人の目を真横に斬り裂く。
「あっ!」
斬り裂かれた目を手で覆う魔人。
木を隠すなら森の中ってね、クロのあれはあくまで防御と囮で本命はこっち、まあ命のやり取りにずるいとかは無いんだけど、楽しそうな攻防のやり取りに水を差したからね。
本当なら魔人の圧縮ごと糸で斬り裂くほうが格好良いんだけど、出来ないものは仕様ががない。
「うりゃぁぁ!」
ぺしっ!
クロの見えない手が、力を使えなくなった魔人を叩き潰す。
あーあ、まけちゃったぁ
魔人の声が迷宮内に木霊する。
見れば叩き潰された魔人が跡形も無く消えていた。
リンはレベルが上がった!
鑑定が魔眼に変化した!
「むむ、鑑定が魔眼になった」
「むむ、どう違うのだ?」
「さあ?」
「ま、まさか、死線が見えるのか!!!」
「なにそれ?」
「さあ?」
「けど、結構あっけなかったね」
「うむ、同じ力を持ってる時点で我々の方が有利だったしな」
「まあそうだね、んー、やっぱり魔人の弱点は成長しないところかねぇ」
「うむぅ」
伸びをする、数千本の魔力を通した糸を操りながら一本だけ魔力無しの糸を空気に漂うだけのように操り魔人の目の前に到達させる作業、さすがに疲れた。
「ちょっともう同じことはやりたくないなぁ」
「我は楽しかったのだ!」
正々堂々と叩き潰したのが嬉しかったらしい、撫でて撫でてと頭を押し付けてくる。
なでなで!、ごろごろ!
「レベルも凄い上がったね!」
「向かうところ敵無しなのだ!」
「ちょっとー、それって何かのフラグじゃないのー」
「問題ないのだ!」
本日の迷宮探索はこれにて終了!
魔道具屋:
カウンターに勝手に座り込み愚痴を言う男が一人。
「なあカーサばあさんや、俺今日殺されかけたんだ」
「そうかい、それはよかったねえ」
しわくちゃの顔で嬉しそうに笑うカーサばあさん。
「よくねえよ!」
「そうかいそうかい、殺されてしまえばもっとよかったんだけどねえ」
しわくちゃの顔で嬉しそうに笑うカーサばあさん。
「もっとよくねえよ!」
もしかして俺って殺されちゃうほど嫌われてるの?
「今日楠木来たの?」
カーサばあさんに聞く。
「来てないねえ、まったく」
「どこいったんだろ?」
「知らないわよ、私が聞きたいくらいなんだから!」
口調が変わってきちゃってるよ、カーサばあさんや
「管理迷宮も入れなくなっちゃってるしなぁ」
「リンと一緒なら直接中に入れるんだから関係ないでしょ!」
「そうなんだよなぁ、空間魔法いいよなぁ、まさかクソネコと二人だけで行ってたりしてな」
「………」
なんだ、なんか地雷踏んだか?
「リンって、私達といるとき全然本気出してないわよね」
「ん、あぁ、そうだなぁ」
俺もいるときはおそらく本気どころか何か他にも隠してるっぽいしなぁ
「信用されてないのかなあ」
落ち込むばあさんの図、なんか、うーむ
「なあ、出来たらばあさんじゃなくて、若い方の格好で落ち込んでくれない?」
「なによぉぉぉ、フジワラの癖に生意気よ!」
「なんだよその切れ方、ていうか老婆の格好でその話し方勘弁してくれ!」
「むきぃぃぃ、出て行きなさいよバカワラー!」
「だからマジでその格好でそういう言葉使いやめろって」
「うるさいうるさいうるさーい」
ピンと立った耳を後ろから摘まれる。
「ひゃ!」
「なになに、二人して楽しそうにしちゃってさー」
「熱々だな!」
話題の当人が人の気も知らないで乱入してくる。
「リン、クロちゃん!」
「よっ、楠木」
「うらぁ!」
ばこぉぉぉぉん!
「小僧、我に挨拶無しとか殴られたいらしいなぁぁぁ!」
「いってぇぇ、殴っておいて言うなよクソネコが!」
口の聞き方を再教育してやるわワレー!
やってみろやクソネコガー!
「リン、いつ来たの?」
「ん、今だよ、転移の設定させてもらったじゃん」
「あ、転移してきたんだ」
「うん、街中の転移はここだけだからね、もしかしてお邪魔だった?」
「はっ?」
「だって楽しそうに話してたじゃん」
「どこがよ!」
「えーそうなの、まあいいや、お茶しない、お茶請け色々仕入れてきたよ」
「うん!」
クソネコ今日どこ行ってたんだよ?
秘密なのだー!
なんだよ、教えろよ!
やなのだー!
熱々の肉丼やるからさ、ほら肉増し増しだぜ?
おぉぉぉ、二人っきりでデートしてきたのだ!
はっ?
教えたんだから早くよこすのだ!
ざけんな、ネコに食わせる飯なんかねーやばーかばーか!
あ゛、ひき肉にしちゃうぞ?
「ほらほら、お茶の準備できたよ二人ともおいでー」
「「はーい!」」
「フジワラは帰りなさいよ!」
「だーかーらー、老婆の格好やめてくれって!」
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名前:楠木 凛 種族:人族 性別:女 年齢:16
レベル:22(2up)
HP:330/330(20up) MP:640/640(40up)
STR:325(20up) VIT:315(20up) DEX:345(20up)
MND:315(20up) INT:640(40up)
スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、魔眼(new)
(技) 隠密5、罠解除1
(魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法5
火魔法5、氷魔法2、雷魔法3、鉄魔法1
光魔法、闇魔法5
(自動)HP回復、MP回復、クリティカル
装備:普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄
聖魔の糸+5:ALL100、HP回復、MP回復
白のローブ:INT20
素早さの靴:DEX10
魔力の腕輪:MP20
力の腕輪 :STR10
ウサギの尻尾:DEX20、クリティカル
使い魔:クロ
スキル:(特殊)念動力
(武技)格闘術5
(技) 隠密5
(魔法)炎魔法3、水魔法2、風魔法5、鉄魔法3
光魔法5、闇魔法5
(自動)HP回復、MP回復、クリティカル
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