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ネコと私  作者: 昼行灯
管理迷宮編
103/143

102:最下層攻略07

何時からか、名を持つ事により信仰の対象となる


19の同胞を使役するにいたり災厄と認識される


力を削ぐために新たな姿と名を流布される


畏怖の信仰が新たな名に流れ、純粋な力のみの存在が誕生する


其の名は、ケルベロス、信仰の番犬なり




「はいはい、凄い凄い、しかし所詮は犬の遠吠えなのだ!」

「どうしたの?」

「さあ?」

「なにそれ?」


「ところで、エリック王子がこっちに来るんだけど、どうしよ?」

衝撃発言です!

「は?」

藤原君

「ひ?」

クロ君

「ふ?」

テレスさん

「へ?」

カーサ君

「ほ?」

私、ナイス連携!


「いやいや、ふざけてる場合じゃないだろ、エリック王子ってあのエリック王子だろ?、流石にまずいだろ顔バレしてるんだし、というか何で王子がこんなとこにいるんだよ!」

というか、こっちに来る時点でほとんどばれてるんだと思うけどね

「遠征行ってた騎士団と一緒に攻略に参加してるみたいだね」

騎士とか嫌な思い出しかないけどね

「クソ騎士共と一緒か、、」

藤原君の目が暗く輝き、皆殺しにしてやるぜと目が語る

彼も騎士にはいい印象が無いらしい

「殺す気満々だね!」

「そのために強くなったんだしな...」

「うーん、」

正直、貴族とか王族という支配階級の人達の思考がいまいち理解できない

エリック王子は比較的まともに見えていたけど外見しか見てないし


藤原君も言っているが、力で押さえつけられないように力をつけた

今は国から独立している冒険者ギルドに所属もしている

ひと悶着あったけどギルドから有益な存在と認識されている


対等とはいかないけど庇護される支配される側にはもういない


「取りあえず普通に会って見ようか」

「いいのか?」

「理由も無く皆殺しとかダメでしょ?」

「正当な理由があると思うけどな」

勝手に召喚されて秘密裏に隷属させようとしていた

戦争に便利な道具、スキルの宝庫、素敵な勇者さま

「まあ、そうだけど、私は特に怨んだりしていないし」

腕の中のクロを撫でる、ぐりぐり、ふふ、もっと撫でて欲しいの?

(小僧は後先考えない行動がダメだな!)

(まあねえ、こんな場所で殺したら国を敵に回しちゃうもんね)

(殺るなら闇に紛れてが基本だな!)

(そうだね、別に殺る気はないけどね)

(な、なんだってぇぇぇ!)

(なにさ、それ?)

(言って見ただけなのだ!)


「内緒話はんたーい!」

「俺の悪口言ってただろクソネコ!」

カーサと藤原君に注意される


「平和主義な我は相手を殺すことで問題解決しようとする奴は愚昧だなと秘密の会話をしてただけなのだ」

「クソネコは平和主義者じゃねーし、秘密の会話なら内容ばらすなよクソネコ」

「バカワラ、具材、バカワラ」

「あ゛?」

「あ゛?」


コンコン!

ノックの音がする、漫才してたら着いちゃった感じ!


「来ちゃったじゃん!」

「はっ!」

「はっ!」

「二人ともわざとやってる?、取りあえず藤原君とカーサは隠れててよ」

「うん」

「お、おぅ!」

隠密と偽りの宝石で消える藤原君とカーサ


さて、鬼と蛇が出る未来しか見えないけど会いましょうか

貴族街のギルドに所属した時点でいつかはこうなると思っていたし


訪問者は三名、

「やあ、失礼するよ」

と、エリック王子

「失礼します」

と、隊長と呼ばれてた人

「………」

そして、無言の緋色のローブを纏った人


(リン?)

(うん、宮廷魔術師だね)

(やはりここで殺しておくか?)

平和主義じゃなかったの?

(別にいいよ、あれも今は何もしてこないでしょ、ここで何かしたらエリック王子達も敵になるしさ)

(あの汚らしい目を見た時点で我の怒りが有頂天なのだが?)

(んー、あの件では生き残りはいないから、あの宮廷魔術師は現場にいなかった系だと思うけど)

(皆殺しにしたのがリンだとは思っていないだろうが、リンの存在と顔は知っているのだろう?)

(そっか、召喚魔法持ちが生きてたと言うことで黙り込んでるのか)


「久しぶりだね、リン」


「初めまして、冒険者のリンといいます、王子様」

挨拶をし宮廷魔術師をちらりと見てから王子様に曖昧に微笑む

「......初めまして、エリック・ローランです、僕の事はエリックと呼んでくれ」

「エリック様、よろしくお願いします」


隊長さんを紹介される

「エリック様付きの親衛隊長をしている」

言葉と共に威圧される、比喩でなく威圧スキルを発動している

並の者だと動けなくなり言葉を発する事も出来なくなるスキル

下手をするとそのまま死ぬ事もあるが、格下にしか効かない

「はあ、よろしくです」

にへら、と笑いテレスさんの手を握る、殺しちゃダメだって

私に向けて使われているスキルに気付き実力で止めようとしていた

実力行使をしない分、凄まじい殺気を放つテレスさん

「ぬっ!」

殺気に中てられる隊長さん、これも並みの者は耐えられない

「こちらは、ギルド職員のテレスさんです」

テレスさん殺気もダメです、放つのやめて下さい

「リンちゃんの姉的存在です、次は殺す」

何言ってるの?、国に喧嘩売らないで!

なんでそこで隊長さんじゃなくて王子を睨むの?



宮廷魔術師長も紹介される

「………」

無言で睨まれる、魔術師というのは変人が多いよね

この人がトップなんだね、行方不明になった先代の後を継いだらしい

(リン、こいつは強いのか?)

クロが聞いてくる、先代さんは強かったからね、鑑定する

(弱い、というか、うーん)

(見た目通りの雑魚か)


正直、クロと二人でグレーターデーモンとかと戦ってるからか

この人も人族というか魔術師という分類上は強いのだろうけど


弱点が多すぎる、鑑定にも気付かないどころか

先ほど試しに放った糸、四肢に絡まっている

指をくいっと引くだけでばらばらになるのだ


まあけど、このような地位にいる人だ、何か裏の力があるのだろう

人の怖さは個の力ではないからね、油断大敵なのです


と言うか、殺れる殺れないで判断するのは間違っているね!


「魔術師達の指揮がありますので失礼します」

宮廷魔術師長が、部屋を退出する

(いいのか?)

(いいよ、色々聞きたい事もあるし仕掛けてくるのを待とう)

(鴨ネギ待ちだな!)

一応クラスメイト達のことを知っておきたい



お茶を振る舞う

「どうぞ、」

「ありがとう」

「どうぞ、」

「かたじけない」

隊長さん、先ほど普通に謝罪され態度が改まる

プライドに凝り固まった城勤めの騎士達とは違うらしい


ちなみに騎士といっても色々いるらしい

感じの悪い人達は王宮守護隊、コネで貴族関係者が多いとのこと

この人はエリック王子の親衛隊の隊長で実力で今の地位についたと

「女性の冒険者と侮ってました、いきなり格付けをしようとして逆に思い知らされました、ははは」

笑って誤魔化してきました!

「笑って誤魔化そうとしても殺す」

テレスさんがさっきから凄い攻撃的なんだけどどうしたの?

「ちょっと、テレスさんいくら冒険者ギルドが国に所属しない機関だからって言い過ぎですよ、すみません」


「ああ、貴女がソロで40Fを攻略したギルド職員なのですね?」

エリック王子がテレスさんの偉業に気付く

「テレスさん、はい、お茶」

「ありがとう、リンちゃん!」

テレスさんの口を封じる、殺すとか言い出しそうだし!


「クロも久しぶりだね、おいでおいで」

「キシャー!」

「相変わらずだなあ、あ、そうだ」

魔法の鞄をごそごそとまさぐる王子様

「ほら、カリカリベーコンだぞ、今朝の出来立てだ」

「にゃ?」

トトトト、カリカリカリカリ、なでなで

(ちょ、クロ、ちょろすぎ!)

(にゃ!)

しかし、今朝って、どういうこと?

最下層攻略に参加する予定は無かったはずだけど、

あるとすれば、おじいちゃんからの召喚状だけ、あれが漏れてた?


目が合う、

「ん?」

爽やかに微笑まれる、、読めない、

ギルド内に王子の手の者がいるのか、ただのブラフか

「今のリンが本当の姿なのかな?」

「初めて会ったのにまるで前にもあったみたいじゃないですか、やだなあ、ほほほ」

「ははは、それもそうだね」

「ちなみにクロはペットのネコですの、ほほほ」

「そうなのか、クロはペットのネコなのか、なでなで」

「キシャー!」

トトトト、ガシガシガシ、バフン!、いつもの場所に戻ってくるクロ

「食べ終わったとたんその態度、相変わらずだなあ、ははは」

「初めてなのに相変わらずとか表現間違ってますよ?、ほほほ」



無駄な時間が過ぎる...



初めましての態で会話が進むので、今の王城内の事情は聞けない

まだ残っているクラスメイトがいるかとか確認したいけど

王子もわかっていてその話題は出してこない

(待ち王子、カウンター狙いだな!)

(まあ別にそれほど興味ある事じゃないしいいんだけどね)

(酷い目にあっているクラスメイトを助けないなんてリンは極悪非道だな!)

(そういう言い方するクロの方が極悪非道だよね!)

(極悪非道、かっこいいな!)

(なにそれ、格好良いから私のこと極悪非道っていったの?)

(うむ!)

うーん、いいけどね


王子に殺意むき出しのテレスさんを隊長さんが口説いている

「テレス女史は独身ですか?」

「貴方には関係ないことでしょう?」

「お付き合いしている人がいないなら、私と一度食事でも」

「私はリンちゃんと付き合ってるから無理です」

ガタッ!、部屋の奥で物音がする



混沌とした無駄な時間が過ぎる......



「イレーヌ姉さんも嫁いでしまったので、僕はしばらく王都にいるよ」

盛大なパレードとかなかったけど、そうなんだ

「よければ城に招きたいのだけど」

「お断りします」

「じゃあ、僕がそちらを訪ねようか」

「お断りします」

「クロだけじゃなく、リンもつれないな」

「また、連絡するよ」

居場所知ってるんだ、なんだかなあ



エリック王子と隊長さんが部屋を出て行く

「王子ってあんなキャラなんだな」

藤原君が話しかけてくる

「藤原君はあまり接点無かったんだっけ」

「ああ、あいつは居残り組担当みたいな感じだっただろ」

「たしかに、そうだね、本当の王子様だもんね、女子に大人気だったよ」

「ふーん、、」

「ん?」

藤原君と目が合う

「小僧はリンも王子が好きだったのか聞きたいのだ!」

「クソネコ黙れ!」

「そうなの?、んー、考えてる事が全然表情に出ないから苦手かなあ」

「………お、おぅ、そうか」

「勘違い系鈍感少女リンの誕生だな!」

「なにそれ?」


「リンと付き合ってるのはわたしよ!」

「リンちゃんとは私のほうが先に出会ってます」

「そんなの関係ないわ!」

「関係あります」

「決闘よ!」

「受けて立ちます」

「二人とも何してんのお茶飲も?」

「うん!」

「はい」




迷宮通路:

「あれが勇者ですか、化け物ですね」

威圧のスキルが効果を発揮しなかった、なにか特殊な無効化スキルか

まさかと思うが、単純にあの勇者が格上だったと言う可能性

「化け物は酷いな、可愛い女の子じゃないか、僕は気に入っているよ」

「隷属契約もされてない状態の物、危険すぎます、手元に置くなら魔術師に隷属の呪縛をさせてからにしてください」


イレーヌ様主導で行われた勇者召喚、呼び出された者達を見れば

危機感のかけらも無い現状を正しく理解出来ていないただのゴミ

その中でも何も行動を起こさないという選択をした無能共のひとり

特殊なスキルを持っていた為、王子が気に入ったと思っていたが

底の知れない実力を有し、国から独立した機関とのつながりを持ち

しかも傍らにはソロで40Fを攻略する猛者がいる


この短期間でその立ち位置、まさに化け物!


「彼女は物じゃないんだからさ、あのギルド員はどうなんだい、口説いていたじゃないか」

「あれは、エリック様と勇者の邪魔をさせない為で………」

「ははは、そういえば、リンのスキルは宮廷魔術師殿がどうしても欲しいといっていたな」

「行方不明になった先代ですか?」

「ああ、当代では手も足も出そうに無いけど、それでも動くのかな?」

「闇の一族、ですか?」

「先代が消えてから動きがなくなっていたけどね」

「折角王都に戻ってきたのに忙しくなりそうですね」

「どうだろうね」


「出来れば彼女を妃として迎えたいね」

「ただの冒険者を妃に迎えたら貴族共が黙ってませんよ?」

「召喚魔法持ちの勇者なら?」


何かを閃いたようにこちらを向き

「彼女を恋の呪縛で隷属させたいね!」

「………エリック様、」

上手い事言えてません、もう少し社交スキルを磨きましょう






見つけた!!!

見つけた、見つけた、見つけた、見つけた、見つけた!!!


師の手がかり、貴重な魔法の素体、勇者!


急いで報告しなければ!


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名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:18

HP:290/290 MP:560/560

STR:285 VIT:275 DEX:305 MND:275 INT:560

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (技) 隠密5、罠解除1

    (魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法5

        火魔法5、氷魔法1、雷魔法3、土魔法5

        光魔法、闇魔法5

    (自動)HP回復、MP回復、クリティカル


装備:普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄

   聖魔の糸+5:ALL100、HP回復、MP回復

   白のローブ:INT20

   素早さの靴:DEX10

   魔力の腕輪:MP20

   力の腕輪 :STR10

   ウサギの尻尾:DEX20、クリティカル


使い魔:クロ

スキル:(特殊)念動力

    (武技)格闘術5

    (技) 隠密5

    (魔法)炎魔法2、水魔法2、風魔法5、鉄魔法3

        光魔法5、闇魔法5

    (自動)HP回復、MP回復、クリティカル



名前:カーサ 種族:ハイ・エルフ 性別:女 年齢:116

レベル:31

HP:80/80 MP:260/260

STR:20 VIT:35 DEX:160 MND:35 INT:210

スキル:(特殊)鑑定

    (武技)弓術4

    (魔法)火魔法2、水魔法3、風魔法4、鉄魔法1

    (生産)錬金5


装備:偽りの宝石+3、魔法の鞄+5

   エルフの弓:MP20、DEX20、INT10

   深緑のローブ:DEX10、INT10

   エルフの衣:DEX20

   エルフの靴:DEX10

   巨人の腕輪:VIT20

   大地の腕輪:HP20

セット効果エルフ:HP30、MP30、DEX30、INT30



名前:藤原(フジワラ) 秀平(ヒデヒラ)

種族:人族 性別:男 年齢:16

レベル:17

HP:280/280 MP:215/215

STR:225 VIT:255 DEX:165 MND:165 INT:175

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、スキル強奪

    (武技)剣術5、槍術3、格闘術3、弓術4

    (技) 隠密5、罠解除4

    (魔法)炎魔法1、氷魔法1、風魔法5、土魔法5

        光魔法4、闇魔法4、忍術1

    (自動)気配察知3、HP回復5、統率3


装備:大地の剣:HP20、STR10、VIT20

   騎士の剣:STR20

   大地の鎧:HP30、VIT30

   緋色のローブ:MP20、INT10

   大地の籠手:HP20、VIT10

セット効果大地:HP30、MP30、STR30、VIT30

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