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爆弾幼女  作者: 駿河留守
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ロリコンな同志

フェイブと手をつなぎながらシェアハウスに向かう。

「お兄ちゃんこれからどこに行くの?」

「自分の家だよ。今日はそこでお泊りしよう。女の人もいるから大丈夫だよ」

 自分の勤める警察署からシェアハウスまでは徒歩で行くことのできる距離にある。

 今日一日だけ預かってほしいということらしい。そもそも、この子は一体なんなのか。あの手紙の内容が非常に気になる。ただ、誘拐されそうになって署まで逃げてきたという割には妙に落ち着いているし、課長宛ての手紙を持っていたというのも気になるところだ。

「ねぇ、フェイブちゃんは今日一日何してたの?」

 するとよくぞ聞いてくれたという顔をして楽しそうに語る。

「あのね、警察のおねーさんとねトランプしたり、本読んだりゲームしたり・・・・・・とにかくね!楽しかった!」

「そうか、そうか」

 ああ、癒される。いつも刑事じゃない奴らに囲まれているせいで自分の心はずたずたになっている。それを癒してくれるのはやっぱりこういう小さな女の子の笑顔なんだな。子供好きの親ばかの気持ちが分かる気がする。

「逮捕ー!」

「は?」

 後ろから誰かが突然飛び掛かって来た。

「だ、誰だ!」

 すぐさま、日ごろ使わない警察の威厳を発揮してドスの利いた声で相手を脅かすが、顔を確認した途端急に顔の力が抜ける。

「お前何しているの?」

 飛び掛かって来たのは三根だった。

「こんな小さな子を連れてこんな夜道をいっしょに歩いているなんて!逮捕だ!逮捕!」

「それはこっちのセリフだ!」

 乗りかかる三根を吹き飛ばす。

「お前の方を今すぐ逮捕する必要があるだろ!小学生の覗映像大量に持っているくせに!」

「あれは合法的なものだ!」

「風呂場をのぞいていいという法律はどこにも存在しない!」

 最近、発覚した事実。同じシェアハウスに住むニートの三根がロリコンだということだ。天然の金髪のツンツンヘアーなのに優顔というなんともアンバランスな奴だ。発覚した事実によりシェアハウスに住んでいる女性陣に誰にも相手にされなくなった。というかそもそも、ひよこくんのせいで自分や藤見さんにも被害がこうむっている。

 ひよこくんは以前、殺人犯を捕まえた功績を持っているがそんな功績をパーにする風呂場の覗カメラの発見のせいで今や女性陣のサンドバックと化している。

 藤見さんはシェアハウスの最年長で引っ越し業者に働く一番頼りになる男の人だ。

 その頼りになる人藤見さんも地味で目立たない自分までもひよこくんと三根の犯した罪の片棒を担いでしまっているという状況だ。その覗映像を見たことないのに・・・・・。

「とにかく、そんな銀髪幼女といっしょに手をつないで帰っている時点でわいせつ罪だ!」

「は?」

「俺が幼女の体に触れただけで警察に捕まってしまんだよ!」

「それはお前が幼女に対する目つきが怪しすぎるからだろ!」

「別に・・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・そんなことないし!」

 フェイブの方を見た途端息が荒くなったぞ。

 その三根の形相を見たフェイブは怯えて自分の陰に隠れる。

「お前さ、少しは女性陣のイメージ回復をしようって言う気はないのか?」

「ない。逆にここまで浸透したなら最後までこのロリコンキャラクターを貫き通す!」

 と決意を露わにする。

「そんな決意の前に仕事探せよ」

 三根はシェアハウスでニートをしているが一応、自らを就職難民と位置付けて仕事を探しにハローワークには通っているらしい。

「そういえば、ひとつに気になったんだけど」

 シェアハウスに向かいながら三根に聞く。その間もフェイブは三根に目を合わせないように自分になるべくくっ付いて陰に隠れる。それを三根が必死に見ようとするのを顔面パンチで止める。

「いい加減にしろよ」

「かわいいじゃないか」

「俺の質問に真面目に答えろ」

 くぎを刺すとさすがにもうあきらめたようだ。もう無理だろうな。だって、第一印象からフェイブは三根に完全に嫌悪を抱いてしまっているみたいだし。

「お前は何の仕事探しているんだ?そもそも、どんな仕事に就く気だよ?」

 すると即答で答えた。

「小学校の先生」

「100%無理だ。というか自分たちが絶対にそれを阻止する」

 こいつはどこまでもロリコンだったんだな。

「だって、小学校に行けば!幼女しかいないんだぞ!幼女幼女幼女幼女幼女幼女幼女幼女幼女幼女!」

 自分は世界のゆがみを発見した。

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