Phi Lumiere
「…!…!?」
「危険だ!!」
「君は彼女を連れて早く逃げろ!!」
「駄目だ! 俺も捜す!!」
「ッ…いいから行け!!」
「うわっ!? …!」
「何っ……ぐっ!?」
「!!」
「っ…『空間転移』!!」
「____!!…____!!!!」
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さて…少し状況を確かめよう、今の俺にはそれが良い。
──此処は何処だろう。
…見たこのないものだらけだ…
俺自身…外に出たのは初めてだけど…
彼が能力を使ったところを見ると…
…『空間転移能力』で…何処かの世界に来たみたいだね…
──この世界は住人がいるのだろうか。
「…」
・たまたまこの古屋敷に飛ばされた。
使われなくなってからそれほど長く経ってはない様子。
・この先に、数十メートル離れた場所に集落らしきものは見える。
人がいるという信憑性は極めて薄いけど。
…何とも言いようがないな…
・結論。
「まぁ、あの状況では別世界に来れただけでも幸い…かな。
さて…」
「…」
彼女は…眠ってるね。“神童”といっても…まだ幼い少女、と言ったところかな。
「…ん?」
足音…三人か…
──どうするか…
無駄に能力は使いたくないが、万が一のことを考えて…
…遠距離…拳銃…イメージを具体化させる…
「…よし」
相手が見える寸前ギリギリに…
…3…2…1
…ドンッ
「♪~…わぁ!?」
「…え…」
女の子…?
「どうしたの!?」
「何だ今の音は!?」
…少年に、少女……此処の住人かな…
だとするとなると…
拳銃は消した方がいいね…
「…なぁに? 今の音…」
マズイなぁ…起しちゃった…
よりによって、彼女の苦手な「外の人間」がいる時に…
「…あら?」
後から来た女の子、こっちに気が付いたのかな。
「ね~! さっきの大きい音って、貴方~?」
…今、俺の顔絶対引き攣ってるよな。
「…何満面の笑みでそんなことを聞いているんだ…? 彼だって引いているじゃないか」
「そうだった~、sorry~♪」
…今まで見たことのないようなタイプの人間だな…
こういうのを、マスター達は何て言うだろう…?
『…少し変わった性格だな』
『天然なのね♪』
『…馬鹿』
…うん、そうだね。
「ねっ、あなた♪」
「あぁっ!!」
…うわぉ。こんな近くに…
「ねぇねぇ、おなまえおしえてっ♪」
「えっ…」
こんなキラキラした目で見られても…困ったなぁ…
「コ――ラ! お兄ちゃんが困ってるでしょ?」
「ヤダッ!」
「…お姉ちゃんの所に戻って来なさ――――い!」
「うわぁ! おねぇちゃんがおこった――!!」
「…クスッ」
「…!」
今…少し笑った?
「…?」
…初めて見たような気がする…彼女の笑顔。
…なら──
「──なんてこともあったな」
「そんな出会いがあったのか…」
「凄い偶然ね…」
あの日…俺と彼女は、あの三人の仲間になることを決めた。
そして数年後…俺達は仲間が次々にでき、ある「組織」を結成。
その「組織」の名は──
「我らこそ…
『赤き盗賊団──ダイアモンド・ファイア』
──ようこそ。新団員さん♪」
──そして数年後の“あの日”…
──俺達は小さな…未来の団長に出会った。
「──俺の名は、ファイ・フォルシード。彼女はフィーローズ=エルドフィール。
よろしく。文月カレン…『ふーちゃん』」
「…よ、よろし……ふーちゃん?」
行変え多い&説明不足ですみません。ファイ君の過去が薄っすら見えた気がしますがあえてスルー。