表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/32

第9話 強面騎士は団長にからかわれる


「しばらくはパーティーの参加は控えようと思います」


 とりあえず、自分の考えを告げる。

 団長は少し驚いた様子だった。


「どうしてだ?」

「流石にあれだけのことをやらかしたので、ちょっとパーティーには参加しづらいです」

「まあ、それもそうか」


 俺の説明を聞き、団長も納得してくれる。

 勧善懲悪をしたつもりではあるが、騒動になったのは事実である。

 この強面も相まって、今の俺の評判はあまり良いものではないだろう。

 次のパーティーに参加したら確実に噂の的である。

 悪い意味で・・・・・・


「お前の好きにしろ」

「え? 良いんですか?」


 予想外の反応にこちらが驚いてしまう。

 その反応に団長は不満そうだった。


「俺が受け入れたのがおかしいか?」

「いや、団長は俺に結婚させたいのだから、数をこなせとか言われると思っていました」


 団長は頭は悪くないが、考え方が根性論なのだ。

 だからこそ、どんどん数をこなして、力業で目的を達成させるのだ。

 今回もそうなると思っていたのだが──


「流石の俺もそんなことはさせねえよ。お前自身も居心地が悪いだろうし、パーティーの参加者もどうしたらいいかわからないだろう」

「まあ、そうですよね」


 おそらく部下の俺だけの被害なら行かせていただろう。

 だが、流石に他の参加者の迷惑になることはさせない。

 そういう常識はあるようだ。


「まあ、俺の予想ならお前はもう参加する必要は無いと思うぞ」

「はい?」


 予想外の言葉に首を傾げる。

 一体、何を言っているのだろうか?

 パーティーに参加しなければ、結婚相手を探せないではないか。


「おそらく1週間だな」

「何がですか?」

「まあ、楽しみに待っておけ」

「?」


 団長が何を考えているのかわからない。

 俺が結婚相手を探さなくてよくなる──つまり、結婚相手が見つかるというわけだ。


「団長」

「なんだ?」


 真剣な表情で声をかけると、怪訝そうに反応される。

 はっきりと宣言させてもらう。


「流石に10歳の少女と結婚はしませんよ」

「エリスじゃねえよ」


 俺の言葉の意味に気づき、団長は反論してくる。


「違うんですか?」

「いや、どうしてここでエリスの話になるんだ」

「だって、団長がもうパーティーに参加する必要がないと言ったので、結婚相手を探す必要がないと判断しました」

「まあ、そこは正解だな」


 俺の予想を告げると、団長は頷く。

 どうやらここまでは合っていたようだ。


「団長がどうにかできるのはエリスちゃんだけかな、と」

「それは俺を舐めすぎじゃないか? これでも団長として、いろいろと顔が広いんだぞ」

「その中で紹介できる女性はいるんですか? 俺の顔を見て怖がらないという条件の女性です」

「・・・・・・いないな」


 団長は申し訳なさそうに視線を逸らす。

 論破したが、こちらにもダメージが来てしまった。

 団長の伝手ですら、俺を怖がらない女性は見つからないのか。

 結構、ショックである。


「というわけで、エリスちゃんだけが条件に残ったんですが──」

「お前はエリスと結婚したいのか?」

「いえ、そういうわけじゃないです」

「エリスが駄目だって言うのか?」


 拒否すると、団長がキレ始める。

 まあ、娘を拒否された父親としては当然の反応である。


「まだ10歳の少女でしょ。それなのに結婚したら、いろいろと悪評が立ちますよ」

「まあ、それもそうか」


 理由を告げると団長も納得する。

 流石に年齢はどうにもならない。

 いくら彼女が俺に対して好意を抱いても、そこは変わらない。


「しかし、エリスちゃんじゃないとすると・・・・・・」

「今のお前には理解できないだろう。素直に1週間程度待て」

「答えは教えてくれないんですか?」

「悩むお前を見るのが楽しいからな。知りたければ、自分で答えを見つけろ」

「むぅ」


 団長がニヤニヤしているのを見て、思わず睨んでしまう。

 面倒見の良い上司ではあるが、時折部下をからかうところもある。

 厳しすぎるよりはマシだが、からかわれる身としてはあまり気分の良いものではない。

 だが、彼が素直に吐くことはないので、言われたとおり1週間は待たないといけない。







1週間後に何が起こるのだろうか?


作者のやる気につながるので、読んでくださった方は是非とも評価やブックマークをお願いします。

★5でも★1でもつけていただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ