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プロローグ
退屈な世界。
国の最北端に位置する小さな村でオレは生まれた。
両親は村長や守役といったものではなく、普通の農民だ。
そして、もうすぐ15歳になり成人するオレも両親と同じように農民になる。
昔は英雄や勇者などに憧れていたが、歳をとるにつれて現実が見えてくる。
確かに、オレは村の中で1番強い。
それこそ、守役のダンさんよりもだ。
だが、こんな小さな村で1番強いなんてどのくらいの意味があるのだろうか?
無いだろう。
オレの人生はこのまま退屈でいっぱいなのだろうか…。
オレの道はもう全て決まっているのだろうか…。
そんなことを考えるくせに何もしようとしない自分が嫌になる。
今も村の端っこの森の中で1人木に寄りかかって飯の時間が来るのを待っている。
「何か…変なことでも起こらないかなぁ。」
そんなことをポツリと呟いた。
その時
「なら地上に出ればいいんじゃん?」
いきなり上から声がした。
「それが出来りゃ苦労してn…は?」
上を見るとオレより一回りほど年上に見える男がいた。
「お前、俺の弟子になれ。」
それが、オレと師匠の出会いだった。