前へ目次 次へ 98/165 暗界1 ———暗界? レイは寝癖付きの髪をちょっと整えてから電車の窓を見る。 常に黒い雪が吹雪いてる? 霧ではなく、吹雪。 吹雪いているような音はしない。 不思議だ。 まるで暗い星空の中を通っているような。 神秘的というよりは…なんというんだ? … “皆様。暗界に到着致します” 棒読みのようなアナウンスが聞こえた。 レイは周りを見渡す。 まだみんなイビキをかいて寝ている(実際にイビキをかいて寝ているのはヘルケさんだけだが) こんな朝からなんて迷惑な。