エントス大陸9
「サラミーベコー」
「遅いぞ、アイアン冒険者になって初の仕事なんだから!」
「ごめんごめん。”ヌル”さんに会ってさ…」
なんか…怖い視線を近くから感じた。
『やぁやぁ、久しぶり〜』
ハムは本当に覚えてたのか疑問に思う。
「あ、”ヌル”さん、この前マジックアイテムをありがとうございます!」
『いいのいいの〜けど、お礼として、金のスライム?というのを売った場所を教えて欲しいんだけど…』
「あぁ、いいですよ。けど…何故ですか?」
『金のスライムなんて初めて聞いたので、見てみたくて。』
「なるほど、確かに俺…私たちも金のスライムなんて聞いたことありません。売った場所はここからフロレスタ森林をこえたところにあるビジャという都市ですが…」
ハムは覚えている。この前の依頼でビジャに行った。その時に売ったらしい。最悪な場所だった。ビジャを管理しているのは、インコ・ペン・テシア領主。その豚はそこに住む人を酷いように扱っていた。
働かせ、殴り、蹴り、嬲って、犯して、売って…
『じゃあそこに行きましょう!』
「あ、僕達は仕事が…」
『もう依頼内容決めたんですか?』
「まだですが…」
『じゃあ、うちがピザ?までの護衛を依頼だしますよ!』
「ビ、ジャ、です!」
貴族かもしれない人に断るのはあまり良くない気がした。