エントス大陸20
気不味い。
皆無言だ。
サラミは不快そうな顔をしている。
“ヌル”さんはどんな表情をしているんだろう。
「…ねぇ…ヌル。」
こちが”ヌル”の精神にに直接話しかける。
『わっ。何?』
「…なかった事に…してあげようか…?記憶操作で…」
『いや?別に何でも?まぁ、せっかく楽しい旅をしようとしているから、この空気は嫌だなぁ…』
「…君がこの空気を…作ったんだよ?」
『うぅ…』
「…あとで何か奢って…ね?」
『はい…』
<記憶操作>
「…しといた。」
『記憶を消して出来た空白に何を入れたの?』
「…クイズの出し合いっこをしている事にした。」
『りょーかい!ありがと!』
「…もっと褒めたら」
『えぇ…後で褒めてあげるよ。』
「…わかった」
『話したい事もあるし、うちの部屋に来てよ。』
ジト〜っとした目で見られる。
「…惚れた?…襲う?」
『負けそうだしやめとくよ。』
「…君、負けないよ。多分…。…否定しないんだ…。」
『君の方が強いと思うけど?』
「…ボクは君の方が…強いと、思うけど…?」
『まぁ、いいや。ありがと。」
「…うん」
「”ヌル”さん?”ヌル”さんは【食べれる馬車】とは何だと思います?」
ハムが”ヌル”に話しかける。
一瞬で気不味い雰囲気が消えている。
例えるなら…同じ車の中に喧嘩をしてしまった2人が乗っている時の車内から深夜の…数百人が居るナイトクラブやディスコに精神がテレポートした感じだ。
再び精神でこちに話しかける。
『ついでに記憶操作系の魔法も教えてくれない?』
「…わかった」