10/165
エントス大陸15
『はは、冗談ですよ。』
冗談であんな笑顔作れねぇよ!とハムは思ったが言わない。少なくとも善人では無い。それは確信した。
「”ヌル”さんビジャに付きました…。えっ!?」
『どうしたんですか?サラミさん?』
「住民が普通に生活しています…え?道間違えた?」
「えっ!?前に見た時酷かったよね!?」
あのインコ・ペン・テシア領主が働き方改革でもしたのか?人々が普通に暮らしてる。
「おい見ろ!騎士だ!」
「本当だ!」
「ちょっと何があったか聞いてこようか?」
「じゃあ、僕が聞いてきますよ!」
『ビジャが他国に落ちて他国の騎士という可能性は?』
「あ…」
騎士というのは白い制服を見れば分かるけど、他国の騎士の制服を知らない。自国の騎士の制服もうろ覚えだ。しかも、自国も他国も伯爵家以上は騎士団を持つ事が許される場合がある。それらの制服は流石に覚えていない。
『サラミさんも行った方が良いんでは?』
「そうですね、一応俺も行きます。ベコは”ヌル”さんをお願い!」
「え…」
ハムとサラミは行ってしまった。