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逆異世界転移物語 〜エルフ・ドワーフ・魔法使いと地球でゆるくぬるく暮らす物語〜  作者: シンドー・ケンイチ
第四章 「手をとりあって」
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「手をとりあって」part20

「着いたー。トールお疲れさまー」


 夕方頃、俺達はルルが調べてくれた目的のホテルに着いた。女子二人連れてホテル巡りとか、以前の俺に言っても信じないだろうな。


「ここはプール付きの部屋と大型のスクリーン付きの部屋があるそうだ。道中で食料も補充したことだし、何日か泊まり続けてもいいんじゃないか?」

「時間を気にせず映画が見られるのはいいな。泳いで遊んで映画見て。しばらく怠惰な生活させてもらおうかな」

「トール、疲れただろう。扉はわたしが開けてやる」


 ちょっと待て破壊神。


「俺がフロントの鍵開けるから、斧を置いて待ってろ」



「こっちのデカい部屋はプール付き。それで、あっちの部屋は大型スクリーン付き。とりあえずプールの部屋を拠点にしようか。映画を見たいときはあっちに行く。決めておけば、ベッドを汗で台無しにしても移動しやすいしな」


 二人とも口角が微動だにしない。


「イマイチだった?」

「イマイチを下回って最悪だったな」

「人間ってたった一晩でこんなに冗談の腕が落ちるんだね」


 普段は甘やかしてくれるオリサに辛辣(しんらつ)にされると本気で辛いということがよくわかった。


 ・・・・・・・・・・・・


 昨日同様、他の部屋の探索をした俺達は早速プールを利用することにした。部屋に専用のプライベートプールが付いているというのは本当にすごいもんだ。

 フロントを確認したらすぐに三人分の水着が手に入り助かった。

 ルルに合うサイズの水着があるか心配だったけど、スクール水着があったので実質それ一択になったらしい。小学生が学校のプールで着るものということは秘密にしよう。言わなければわからない。小学校ではないこの施設に置いてある理由は考えないほうがいいだろう。

 オリサは水着の種類が豊富でやたら時間がかかった。ルルは立ち会い俺は隣の部屋で待たされたのだが、かなり長時間に渡って熟考していて疲れてしまった。

 なんでも、水に濡れたら絶対透けるであろう裏地の付いていない真っ白な水着や、そもそも隠す気の一切ない水着も一旦は身に付けていたとか。なぜそんなものがあるのかとルルが問うているのもよく聞こえてきた。

 水着の形状をオリサが逐一実況してくれたわけだが、聞いただけで無駄に身体が熱くなってしまった。やたらに(たか)ぶった体を動かしたくなり、狂ったように腕立て伏せをしたせいで俺はいま腕と胸がパンパンだ。

 熱い、体が燃えるように熱い。

 だいぶ待たされた末に、明るいオレンジ色のビキニを身に付けウキウキのオリサと、長々と付き合わされてげんなりした様子のルルが現れた。


「おっまたせー!どう?あたしかわいい?いやいやいやいや、かわいいのは知ってるんだ。だから、もっと踏み込んだ感想を聞かせてくれたまへよ!」

「え、あ、うん……」


 でっけぇ!


「本当に待たされた。女同士とはいえ、やたらに裸を見せるもんじゃない。トール?お前なぜそんなに汗をかいているんだ?」

「待ってる間、ちょっと準備運動してた」


 もう少し腕立てしようかな……。


「感想は?おーい、あたしを見たか・ん・そ・う!」

「すごい」

「どういうことだ?」

「んじゃ泳ぐか」


 俺はこの日、オリサがかなり着痩せするということを知った。どことは言わないが、ビキニを着たら非常に目立つ部位があって困った。昨日だか今朝だか一緒に風呂に入ったときは気づかなかったし普段の服装ではわからないが、とにかくすごかった。男の悲しい性でダメだと思っても目が自動的に動きを追ってしまうので、さっきからプールの床ばかり見ている。

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