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逆異世界転移物語 〜エルフ・ドワーフ・魔法使いと地球でゆるくぬるく暮らす物語〜  作者: シンドー・ケンイチ
プロローグ & 第0章「最後の一人の地球人」
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「最後の一人の地球人」part5

「あー、何だったかの。そうそう、君が残された理由だったな。おそらくまっっっっっっっっっっっっっっったくの偶然だ。異世界の神たちに連絡してみたら、本当に偶然、日本時間の昨夜同じタイミングで召喚を行ったらしい。いろいろな世界の大勢の神が、本当に偶然。そしたら彼らにも予想外なことに、神の力が、そう偉大な神の偉大な力が共鳴して勢いが付きすぎたようなのじゃ。結果として、地球が人間に関してはほぼカラッポになってしまった。別に君を避けたわけじゃない。本当に偶然に君が残ってしまったのだ」


 長々と説明されたが、何一つ情報は増えなかった。

 そして神とか言い出した。ヤバい人だ。


「今更なんですがね、あなたは誰なんですか。よく考えたら僕だけ残ってると言いながら、おじいさんも異世界に行ってませんよね」


 しくじった。興奮してヤバい人に興奮気味に食って掛かってしまった。でも異世界の神とか意味がわからない。


「ぬ?自己紹介しとらんかったか?すまんな。わしは神様じゃ。以後よろしくな。別にヤバい人ではないから安心せい」


 自称神ときたもんだ。こいつぁますますとんでもねぇぜ!

 もう本格的に俺の頭はダメかもしれない。


「まあまあ、そんなにダメじゃなかろう」

「なんですって?」

「神様をビール瓶でぶん殴ろうとしたのはお前さんが初めてだ。まだ半信半疑か。そうだな……、馳透、特技は空手。大会で優勝した経験もあると。大したもんじゃないか。勉強はまあまあ、極めて優秀というわけではないようだが、受験はそこまで苦労することはなかったと。ん?ほう、お前さん変わった特技を持っとるな。ネットで動画を見て独学で覚えた?センスがあるようだな」


 すぐ頭に浮かんだ特技があるが、言いたくない。


「すまんが、言わなくてもわしにはわかるんじゃ。悪用したことはないようだが。クリップを曲げて南京錠を開ける道具を」

「なんで知ってるんですか!」

「神様じゃから」

「み、見た映画に影響されやすくて」

「まあでも、スパイ映画の影響で身に付けたその解錠技術はこれからこの世界で生きる上で役に立つかもな。何事も身につけておくもんだ」


 なぜ誰にも言ったことがない、一時の気の迷いで身につけた特技を知っている。


「神様じゃから」


 朝から人に会わず電車が来なくてコンビニには店員が居ない、突然現れた神を名乗る老人は心が読めて俺の秘密もお見通し、頭がおかしくなりそうだ。俺はこれからどうなるんだ?


「そんなに悩むな。神様は危害を加えたりせん。お前さんを塩の柱にしたりしないから安心せい。神様は何でもお見通しじゃ。そうだな、キミが隠しているものも、ちゃあんと知っとるよ」

「か、隠してるものなんてないですよ」

「本棚の後ろ」

「やめてください!あなたは神様!信じますから!」

「そうか、信じるか。それでいい。それにしても、年頃なんだからナニを持っていてもいいと思うぞ。それで、どこまで話したかな」

「あの」

「なんじゃ?」

「飲み物取ってきていいですか?」


 老人は再びカッカッカッと笑いながら頷いた。


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