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逆異世界転移物語 〜エルフ・ドワーフ・魔法使いと地球でゆるくぬるく暮らす物語〜  作者: シンドー・ケンイチ
第八章「ガールズ・オブ・サマー」
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「ガールズ・オブ・サマー」part16

 部屋に戻りクーラーボックスを回収。確かにたいした労働でもないので後回しにしたくなるが、夏の時期はマメな水分補給が大切だと身を以て知らされたから手は抜けない。

 部屋を出る前にふと気になって窓に近づいてみれば、眼下に広がる海で俺の家族が楽しそうに遊んでいる。平和な光景だ。ベランダに出て少し眺めさせてもらおうか。

 ルルは相変わらずのスクール水着。天ちゃんが喜んでいた。

 オリサは今回、緑色のビキニ。オリサの瞳と同じ色できれいだ。天ちゃんは知らんが、俺はテンション上がった。内心で。胸を見ないよう気をつけなければ……、気をつけたところでオリサにはバレると思うけど。もうバレてるかもしれないけど。相変わらずかわいいなあいつ。

 そしてリーフは競泳水着。ビキニ見たかったなとか思ってはいない。天ちゃんに唆されてマイクロビキニ着てくれたら嬉しかったなとか思ってなどいない。断じて思ってない。思っていないったら思っていない。

 いろいろ試着してあれが一番気に入ったのだとか。ピッタリと身体に張り付いていて、正直かなり性的だ。まあリーフは何をしても無意識のうちに刺激が強めなのだが。あれ?いつもゆったりした服を着てるから気づかなかったけど、リーフってけっこうお尻が大きいんだな。ムチっとしてて……いかんいかん!何を考えてるんだ!

 ちなみに天ちゃんは上は星条旗カラーのビキニ、下はデニムのホットパンツ。開口一番『今、下は男の子でしょうか?女の子でしょうか?握って確認してみてください!』などとアホなことを言われたので思い切り握ってやった。鼻を。普段から隠そうともしないけど、相変わらず上のボリュームがかなりヤバい。ばいんばいん。

 みんなで集まって何か話している。どうしたのだろう。見ていると天ちゃん以外の三人が同時に潜った。なるほど。チャンプは誰だろう。やはりリーフかな?

 じっと様子を見守っていると天ちゃんが笑顔でこちらに視線を送りヒラヒラと手を振ってくる。俺が見てたの気づいてたのか。やはり腐っても天使だな。と、ルルが勢いよく飛び出してきた。大きく肩を上下させる。かなり頑張ったようだが残念、銅メダルだ。

 次いでゆったりとした動きでリーフが出てきた。まだまだ余裕がありそうだが、あまり無茶はしないということか。銀メダル。表彰台のトップはオリサだな。三人がオリサの潜る地点を見つめる。

 ……ん?

 …………まだか?

 ………………浮上しないぞ。

 ……………………おい、大丈夫か?

 三人も顔を見合わせている。天ちゃんが大きく息を吸い込み、オリサのいる場所めがけて身体を沈ませようとしたタイミングでオリサが勢いよく飛び出した。不運にもオリサの頭と天ちゃんの頭が激突したらしい。天ちゃんが頭を押さえて身体をくの字にし、オリサが痛みと驚きでパニックを起こしている。リーフが慌てて抱き寄せたので溺れる心配は無くなったが、リーフに支えられたまま仰向けで海を漂っている。手足を投げ出してだいぶぐったりしてるな。大丈夫か?

 と、仰向けで波に揺れているオリサと目が合った。すぐさま立ち上がりこちらに手を振ってくる。


「トぉぉルぅぅ!!何やってんのさぁ!はぁやぁくぅぅ!!」

「わかった!いま行く!」


 海にはしゃぐ家族を眺めるのが楽しくてつい傍観者になっていたが、俺も参加しよう。

 雲ひとつない青空に背を向けバルコニーを後にした。

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