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逆異世界転移物語 〜エルフ・ドワーフ・魔法使いと地球でゆるくぬるく暮らす物語〜  作者: シンドー・ケンイチ
第八章「ガールズ・オブ・サマー」
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「ガールズ・オブ・サマー」part13

「やっぱ海まで歩けるところがいいよな」

「そうっすね。ここらへんのホテルならどれも同じ感じじゃないっすかね」


 俺たちは今、高速道路を下りてスーパーの駐車場で休憩している。外は暑いしスーパーの中もエアコンが効くまで時間がかかるので俺の車に天ちゃんを呼んでタブレット片手にこの後の作戦会議中だ。

 ルルとリーフはスーパーで食べ物と酒を漁っている。


「写真で見た感じ、ホテルからビーチまで――」

「誰がビッチっすか!」

「言ってねぇよ!ビーチだビーチ!」

「ピーチ?手前のピーチっすか?どうぞ好きなだけ堪能してください」

「ここは浜辺まで石がゴロゴロしててちょっと危ないかな」

「なら、あたしの魔法で綺麗にしてあげるよ。石を避けて道を作ればいいんだよね」

「流石オリサ」

「もう、二人とも手前を流すの上手になっちゃって。それにしてもオリサちゃんすごいっすねぇ」

「へへ、あたし凄いでしょ!」

「助かるよ。このホテルはプールも付いてて浜辺が目の前。んですぐ近くに埠頭と灯台か。散歩するのにもよさそうだな。ここにしよう」

「それじゃナビにこのホテル入れるねー」


 俺が操作するのを見てオリサもすっかりカーナビの使い方を覚えていた。


「待たせたな。トランクに積むからもう少し待っていてくれ」

「わたくしの愛馬は荷物があまり詰めませんのでこちらの車にお願いいたします」


 スポーツカーは旅行には向かないな。

 

 ・・・・・・・・・・・・


 晴れ渡る空と夏の海。ここはホテルの駐車場。


「うーーーーみーーーーー!」

「つきましたーーーーーー!」

「あそぶぞーーーーーーー!」

「海にゴーっすよーーーー!」

「待てやお前ら」


 まずはホテルに荷物を置いて部屋を準備して、それから海水浴だと言ったろうに。


「まず電気の確認、問題なさそうなら荷物を運んだり部屋の掃除だって話しただろうが」


 どうせ海水浴した後は疲れてしんどくなるんだから、面倒なことは今のうちに片付けておかないと。もし神様の力が届いて無くて電気が使えなかったら大変だし。


「あ、あの、ほんの少々先送りでもよろしいのではないでしょうか」

「リーフ、キミの言う『少々』って何年ぐらい?」

「五十年程度なら『少々』や『ちょっと』と……」


 待てるか!


「ま、しょうがないっすね。じゃあ、トールくんとルルちゃんは電気とボイラー確認してきてください。大丈夫だとは思いますけど、ちゃんと使えるか気になりますし。手前とリーフちゃんはお部屋のお掃除、オリサちゃんはそこの海岸に道を作る、終わった人は順次荷物運び。これでどうっすか?」

「わかった」


 ルルが海をチラチラ見ながら応える。早く準備を終わらせてやれるようがんばろう。


「よし、ルル。早速電気から見てみよう」

「ああ、行こう」

「リーフちゃん、まずは部屋の鍵を回収しましょう。一番いい部屋に泊まっちゃいますよ!」

「楽しみですね。広さによっては全員で寝られるでしょうか」

「いいっすね!」

「あたしだけ一人だ~、さーびしーいなぁ~」


 あ、オリサが拗ねた。


「早めに終わったらお掃除を手伝っていただけますか?換気もしたいので、『常盤色のオリサ』さんの出番です」

「まかせて!」


 現金な奴め。


「とりあえず暑いから雲おいでー」


 杖を掲げるとあたり一面純白の雲に覆われた。直射日光が遮られ多少は心地良くなる。

 ノーリスクで天気を変える。相変わらずラスボスじゃないと許されないようなチート能力だなぁ。

 

「連絡はいつも通りスマホによろしく。じゃ、また後で」

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