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逆異世界転移物語 〜エルフ・ドワーフ・魔法使いと地球でゆるくぬるく暮らす物語〜  作者: シンドー・ケンイチ
第八章「ガールズ・オブ・サマー」
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「ガールズ・オブ・サマー」part7

 すっかり体調も戻ったのでリビングでくつろいでいるわけだが、大事なことを忘れているような。

 疲労が残っているとはいえ、体感的にももう問題なさそうなのに三人から上げ膳据え膳の扱いで却って居心地が悪い。


「先っぽきれいなピンク色でした」

「焼き鳥にすんぞ!」


 幸い三人娘はキョトンとしている。意味は知らないままでいてもらおう。いや、リーフが困った顔で目線を逸らした。あ、ルルも遅れて口元を抑えながら俯いた。肩が震えてる。わかってやがるな、クソ!

 命の恩人だけどムカつくな。


「帰れや」

「いやん、この時間暑いから羽根の蝋が溶けて落下しちゃうんすよ」

「あばよ、イカロス。海に落ちて魚の餌だ」


 あ、思い出した。


「海だ」

「手前と行きたいんすか?いいっすよ、谷間にもしっかり日焼け止め塗ってくださいね」

「はい、ちょっと黙っててね。三人が朝まで話し合ったものを見せてもらおうか」

「んもー、麦茶のおかわりいただきますね〜」


 天ちゃんはいつもの如く楽しそうにキッチンに去っていった。

 

「こんな感じだよ」


 ホワイトボードにはやりたいことと気になることが書かれている。これはルルが書いたのかな。見やすい。


「まず『魚料理を食べたい』気になる点は『釣り方』と『捌き方』か。リーフ、魚の調理は?」

「ゼロから捌いたことはありませんが、動画で予習をすれば問題ないと思います」

「良かった。釣りがわかる人いる?」


 残念ながら誰も手を上げない。いきなり躓いたな。


「これも動画を見て勉強すればどうにかなるのではないか?」

「まぁね、それじゃコレはOK。オリサ、赤マーカーで丸でも書いといて」

「は〜い」


その他やりたいことはというと


・泳ぐ!

・貝殻を集める

・クジラの背中に乗る

・ジンベイザメと泳ぐ

・イルカに乗る

・サメに餌をやる

・ヤドカリを連れて帰る

・チョウチンアンコウ一本釣り

・リュウグウノツカイの魚拓を取る

・トドカレー食べたい

・ペンギンを連れて帰る

・白い鯨を探す

・ノーチラス号建造


 九割方ムリじゃねぇか。


「ここに挙がってる動物関連は全部ムリだな」

「か、可能性もないのか!?」

「ない」

「や、ヤドカリを飼いたかった……」


 これ書いたのはルルか。ペットが欲しかったのか?


「ペンギンいないの?」

「日本にゃいねぇ」


 これはオリサか。


「お前らの希望、こう見ると近場の海にはいない生き物の名前ばっかり書かれてるな」


 アンコウはいるけど冬の名物だし。カツオみたいに一本釣りするものなのかな?

 トドカレーって北海道とかのレトルト食品だった気がする。たぶんリーフ。北海道物産展に行きなさい。

 あと白い鯨は勘弁してくれ。イシュメール以外全滅じゃねぇか。エイハブ船長も航海士のスターバックも。あのクソ難しい本をネタにしてるってことはこれもリーフが書いたのかな。いや、リーフなら鯨肉を食べたがるはずだからルルかな。


「ってことはさ、結局は無難に海で遊ぶって感じかな?」

「ま、そうなるな」

「仕方あるまい」

「ですね。遊べるだけでも良しとしなければいけません」

「あ、ルル。ノーチラス号もまたの機会に。プラモなら探してやってもいいぞ」

「プラモとはなんだ?なぜあれを書いたのがわたしだとわかった?お前はわたしが思っている以上に敏いようだな」


 はぁ、呆れを隠せねぇ。

 

「みなさん楽しそうで何よりっす」

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