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逆異世界転移物語 〜エルフ・ドワーフ・魔法使いと地球でゆるくぬるく暮らす物語〜  作者: シンドー・ケンイチ
第七章「妖しいリーフと料理の旅」
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「妖しいリーフと料理の旅」part24

「では、卵を三つ使ってスクランブルエッグをお願いします」

「りょ、了解!えーっと、卵よし、フライパンよし、サラダ油よし、牛乳入れたほうがいいかな?味付けは、あー、後でケチャップを添えればいいか。卵割って、あ、ごめん、殻入っちゃった。んー、んぬぅ、よし、取れた」

「よく喋るね……」

「しー、です」

「あー、次なんだ?あ、卵混ぜんのか。よしよし、油引いて、あ!サラダ油じゃなくてバターの方がいいか?あー、でももう出しちゃったな。んー?どうすっぺ」

「サラダ油でも大丈夫ですよ」

「あ、そう?それじゃこのまま。火を付けて……どのぐらい熱するんだ?…………そろそろ?うぉっ!一気に固まる!混ぜろ混ぜろ混ぜろ!よしよし、うん、いい感じじゃないか。半熟くらいがいいよな、うん、じゃ、これで。うわ、余った油が垂れてきた。あー、もう、油の匂いすげぇじゃん、ダメだぁ」

「大丈夫ですよ。いただきましょうか」

「いただきまーす」

「ど、どうぞ」

「ふむ、オリサさん、いかがですか?」

「んー、やっぱり……」

「味がイマイチ?」

「え、いや、そんな言い方……」

「やっぱサラダ油入れすぎたよなぁ。完全に油味だもん。この空間も油臭すげぇし。あ、口に合わなかったら二人共残していいからな」

「あのね、トール……」

「イマイチだなぁ。スクランブルエッグってもっと簡単だと思ったよ」

「うっるさいな!」

「うぉっ!?」

「作り始めてからここまで、トールうるっさいんだよ!ず~っと何か喋ってて。あたしも作ってるとき独り言言ってたけど、トールのは酷いよ!」

「え、そんなに?」

「そんなに!あと、あたしの感想聞かないで一人で喋ってるならあたしいらないじゃん!」

「あ、ごめん……」

「えー、あとなんだっけ、あ、食べてるときに横から『イマイチ』とか言うな!あたしは全部食べる気なのに、元気なくなるよ!」

「ごめん」

「オリサさん、どうどう。トールさん、わたくしが言いたいこともオリサさんがおおよそ話してくださいました。油が多いのは事実ですが、今後の参考にすればそれで良いと思います。ただし一点。もっと胸を張ってください。自信がないことは仕方ありませんが、トールさんは胸を張って料理をお出しください。トールさんがお作りになった料理なのにトールさんご自身がそのように言ってしまっては、この料理にはもう味方がいなくなってしまうのです」

「ああ、なるほど……」

「男だったら言い訳すんな!」

「へい」

「というわけで、トールさんはもっと冷静に取り組み、周りを見られるようにしましょう。お二人とも回数をこなせばきっとすぐに改善されますよ」

「うん、がんばる」

「俺もがんばる」

「では、食べ終わったら片付けて部屋に戻りましょうか」

「はーい」


「お願いします」

「はいはーい、キュキュキュッと。よし、お皿洗い終わったよー」

「コンロ周りも拭き終わった。部屋に戻るか」

「コーヒー入れちゃうからちょっと待ってて」

「ああ、ありがとう。その紙コップ使うといいよ」

「トールさん、今日はルルさんご希望の中国料理やタイ料理のお店で修行を積みたいのですが」

「それなら部屋のスマホで店を探してみようか」

「あたし達はお野菜切ったりお皿洗ったり手伝えばいいかな?」

「そうですね。まずわたくしが習得して、それを徐々に共有していけば一年ほどでみなさんお料理ができるようになると思いますよ」

「おう、がんばるよ!」

「はい、コーヒー。じゃ戻ろっか」


 こうして俺達の朝練は終わった。リーフの教え方がいいのか、俺もオリサも今後に向けて闘志が燃え始めたのを感じていた。

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