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逆異世界転移物語 〜エルフ・ドワーフ・魔法使いと地球でゆるくぬるく暮らす物語〜  作者: シンドー・ケンイチ
第七章「妖しいリーフと料理の旅」
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「妖しいリーフと料理の旅」part14

「トールさん、あれは何でしょうか?」

「ん?たこ焼きか。美味いよ」

「タコの絵が描いてあるね。かなりデフォルメされてるけど」

「まさか、この触手の生えた不気味な生物を召し上がるのですか?」

「ひどい表現だな。あー、でも西洋人は苦手なんだっけ。デビルフィッシュなんて表現もあるらしいし。リーフもそんな感じかな。でも食べると美味いよ。二人の世界では食べる習慣なかった?」

「あたしは知ってるけど食べたことない」

「わたくしは初めて見ました。なんと不気味な姿なのでしょうか……。ですが、お料理は美味しいのですか?」

「リーフちゃん、食欲には素直だね」

「美味いけど、俺はたこ焼き作ったことないんだよな。でも、いい機会だし頑張ってみるか。あ、リーフ、スマホ貸して。動画で作ってるのを見ればわかりやすいと思う」


「なるほど。あの卑猥な触手をぶつ切りにして中に入れるのですね」

「丸くてかわいいね。このクルクル回すのおもしろーい!やってみたい!」

「面白いけど難しいところなんだよな。さっそく材料を用意してやってみようか。今日はたこ焼きパーティーだ」


 あれ?流しちゃったけど『卑猥』とか言ってた?タコが?世の中にはそういう考え方もあるのか。あるのか?


 ・・・・・・・・・・・・


「トール、どこ行ってたの?」

「すぐそこのスーパーでいろいろ拾ってきた。チーズとツナ缶とエビ、あとブロックベーコン。二人がタコの食感ダメだったときはこれを入れようと思ってな。せっかく自由に食材を使えるんだから、いろいろ試してみるのもいいだろ」

「いいですね、楽しみです。触手の用意が整いました。それにしても、なんとも淫猥な……」


 いまなんて言った?


「生地も用意できたよ。あとは焼くだけだね。動画を見ながらがんばろう!」

「おー、です!」


 ・・・・・・・・・・・・


「あの、リーフ?そんなにしょんぼりするなって。リーフが作ったのも美味いよ?お世辞じゃなくて本当に。形が崩れてるだけだから。な?」

「お気を使わせてしまい、申し訳ございません。夕飯での挽回、なりませんでした……」

「人間、じゃないか。人間もエルフも、得意なことだらけより少し苦手なこともあったほうが親近感が湧くよ。リーフはたこ焼きと相性があんまり良くなかっただけだと思う。それ以外の料理は圧倒的に上手なんだし。ほら、オリサの作ったたこ焼き食べな?」

「ありがとうございます。今までお料理が上手くいっていたため少し天狗になっておりました。明日からまた初心に戻り精進いたします」

「なんで天狗知ってるの?」

「ねえねえ、もっと焼きたいんだけど食べられる?」

「めちゃくちゃ上手なのはわかったから、お前もこっち来て食えって」


 他の料理はからっきしなのに、なんでたこ焼き焼くのがあんなに上手いんだろう?

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