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逆異世界転移物語 〜エルフ・ドワーフ・魔法使いと地球でゆるくぬるく暮らす物語〜  作者: シンドー・ケンイチ
第七章「妖しいリーフと料理の旅」
140/213

「妖しいリーフと料理の旅」part13

「そんなわけで、明日から本格的に料理の練習頑張るよ」

〈ああ、頼んだ〉

「それじゃ、またな」

〈ああ。ん?これはどう終わらせればいいんだ?〉

〈握ってるのを置いてください〉

〈置く、この位置でいい〉


 電話の向こうで天ちゃんに習いながら受話器を置いたらしい。妙なタイミングで通話が終了した。


「さて、遊びに行こうか」

「行こ行こ~」

「はい……」


 小さくなるリーフは不思議な愛嬌がある。


「はい、リーフ」


 リーフにスマホを返却する。


「ありがとうございました。電話というもの、初めて使いましたが大変便利ですね」

「あたしもちょっと欲しいかも」

「連絡する相手がいないから俺も持ち歩かなくなってたけど、こうやって別行動するときにはあると便利だな。電気屋で三人にスマホ探してみようか」

「あの、わたくしは写真が撮れるものがいいです。綺麗なものが」

「カメラが付いてないスマホを探すほうが難しいよ。大丈夫」

「よかったです。よろしくお願いいたします。それから、ゆり子さんのお部屋に一つありますよ」

「あ、そっか。それなら、あいつのをそのままオリサにあげよう」

「やったー!何ができるのかよくわかんないけど、嬉しい!」


 そいつは良かった。


「あの、すみません、少々お待ちを。ん、んん、なかなか入りません」

「胸元にスマホ入れんなっつーの!」


 あとでボディバッグでも探そう。


 ・・・・・・・・・・・・


「さ、騒がしい場所ですね」

「あ、リーフには少ししんどいかな」

「あたしはこの前来て楽しかったけど、リーフちゃんはあんまり長く居られないかもね」

「ちょっと奥の方のゲームは電源プラグ引っこ抜いてくるよ」

「すみません」


「ん?景品にサコッシュがあるじゃん。ちょっとこれ挑戦してみよう」

「好きなキャラクターなの?」

「いや、取ったらリーフにプレゼント」

「これは、小型のかばんですか?わたくし、短剣と鉄串以外に特に持ち歩いているものはございませんが」

 収まりが悪いのかわからんが、今まさに胸元に手を突っ込みスマホの位置を調整しながらのその発言は天然なのか、ギャグなのか。



「なるほど、電話はこれに入れれば持ち運びが楽ですね」

「気に入ってくれてよかったよ」

「ねえトール、あたしにも取ってよ」

「鍵開けて自分で景品セットしながら俺に頼むのっておかしくないか?」


「この狭い空間で撮るのですね。なんだか緊張します」

「リーフちゃん、どんなポーズで撮る?」

「ポーズ?か、考えていませんでした」

「なんでも良いんだよ。オリサはサコッシュを見せるみたいだし」

「トールががんばって取ってくれたから嬉しいんだ」

「最後の最後、俺がトイレに行ってる間にリーフが獲得したんだがな……」

「本当にすみません!」

「いいけどね。ほら、もうすぐ」

「ポーズ……決めました!」

「きゃ!」

「うお!」


「リーフ、すんごい良い笑顔」

「すみません。写真が嬉しくて……」

「あたしたちを抱きしめるのはわかるんだけど、なんであたしのおっぱい握ったの?」

「ただ抱き寄せたつもりが、勢い余ってこうなってしまいまして。本当に申し訳ございません……」

「ビックリしただけで怒ってはいないけどね。リーフちゃん、お出かけで変なテンションになってるね」

「猛省いたします……」

「駅ビル行って晩飯にしようか」

「そだね」

「夕飯で挽回がんばります!」


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