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交流

本当にお待たせしました!申し訳ありませんでした!m(_ _)m

リアルが本当に忙しかったため、報告すらできませんでした。

次回もいつになるかわかりませんが、気長にお待ちいただければと思います。


※久しぶりすぎてキャラブレを起こしてるかもしれません。ご留意ください。


 翌日、いつもの時間に家を出ようとした矢先、インターホンが鳴った。

 インターホンの画面を覗くと、そこにはソワソワした様子の徳永さんが立っていた。

 僕は、インターホンの通話ボタンを押し、話し掛けた。


「はい」

『あっ、徳永です。良一くんいますか?』


 ……なぜ敬語?

 あっ、もしかして、僕と話してること気づいてない?

 インターホン越しだと僕の声ってそんなに違うのかな?

 いや、ソワソワしてるこの様子からして、何かに思考が偏ってて、声質は気にしてないのかもしれない。


「ちょうど今、出るところです」

『はい、わかりました』


 徳永さんが僕に向かって敬語で喋ってるのって新鮮だ。インターホン越し且つ僕だとわかってないからだけど。

 そんなことを思いつつ、インターホンの通話を切って玄関に向かう。

 靴を履いてドアを開けると、先程見た通りのソワソワした様子の徳永さんが立っていた。


「お、おはよう! 良一!」


 僕を見るなり破顔してそう言った徳永さんだが、やはりどこかソワソワしている。


「おはようございます、徳永さん」


 そう言った瞬間、徳永さんがなぜか表情がコロッと変わってムッとした表情になった。

 なぜ?


「……まえで」

「?」

「名前で呼んで!」

「……えっ?」


 聞き間違いだろうか。

 今、恋愛系のラノベでよくあるセリフを聞いた気がするんだけど……。


「私達、今日から友達、だよね?」

「そうですね」

「だから、名前で呼ぶのは当たり前、だよね?」


 聞き間違いじゃなかった。

 まさか、現実でこのセリフを聞くことになるなんて、少し前の僕からしたら、夢のまた夢だった。

 たぶんというか絶対、こういった機会は今回が最初で最後だ。

 そして、呼ばないという選択肢は、僕にはない。


「そうですね。じゃあ、玲奈さん、でいいですか?」


 この流れで行ったら「呼び捨てで呼んで!」とか言ってきそうだけど……


「うん、今はそれでいいよ」


 返ってきたのは、肯定だった。

 ……ん? 今は?

 ということはつまり……


「慣れたら呼び捨てしてね?」


 デスヨネ~。


「あと、できたら敬語もやめてほしいな」

「……さぁ玲奈さん、学校に行きましょう」

「えっ、ちょっと、良一!?」


 徳永さ──玲奈さんをクルッと方向転換させて背中を押す。

 友達になったばかりで敬語をやめるのは、僕には無理だ。

 まだ大して仲が良いというわけでもないし。

 玲奈さんは気にしないんだろうけど、気にしていようといまいと、どちらにしろ僕は超気にするから無理だ。


 ◆


 通学路を極力僕の敬語の話にならないよう、玲奈さんが気になるような話題で乗り切り、なんとか無事に教室にたどり着いた。

 しかし、教室に入ると、なぜか真辺さんと片倉さんがいた。


「玲奈にオタクくん、おはよう」

「おはよう」

「一美、乃梨子、おはよう」


 僕にも挨拶をしてきたことに動揺しつつも、僕は頭を90度下げて挨拶を行った。


「……お、おはようございます! 本日は、お忙しい中、朝早くから登校いただき、誠にありがとうございます!」


 なんでこんな朝早くからいるのかは知らないけど、確実に僕達絡みのことだろうから先にお礼を述べた。

 しかし、なんの反応もなく、ただただ沈黙だけが流れる。

 うわっ、どうしよ!? 失敗した!?


『……っぷ』


 ぷ?

 そう思った次の瞬間、三人の笑い声が響いた。


「……っはぁ~おもしろすぎっ……!!」

「ほんと。そんなこと言うとは思わなかった」

「良一、怯えすぎだよ。二人は良一のこと見直したって言ってたんだから」

「えっ?」


 意外な言葉に顔を上げる。


「そうだよぉ? それに、今のでさらに好感度爆上がりしたよね」

「そうそう。……そういえばオタクくん、名前なんだっけ?」

「吉武良一です」

「じゃあ、これからは〝よっしー〟って呼ぶね」

「どこぞのブラザーズなゲームに出てくるキャラクターと丸かぶりしてるんですけど……」

「なら卵産み出してよ」

「えっ、えぇ……? そ、それをするには何か飲み込まないといけないんですけど……」


 何を飲み込めば? と呟きながら僕は周りを見渡す。

 すると、また笑いが起こった。


「いやほんと、玲奈の言う通りだった!」

「よっしーって、おもしろいね」


 なぜか評価された。

 しかも良い方で。

 自分でやっておいてなんだけど、今のはそんなにおもしろくなかったと思うんだけどな……。


「ねぇ、なんで友達少ないの?」

「それは分かりきってるでしょう? こんな見た目地味で尚且つオタクな男と友達になる人なんて、よっぽどの変人か超が付くほどのお人好しぐらいですよ?」


 そう言い終えた瞬間、玲奈さんが両肩を掴んできた。


「良一、私はどっちなの!?」

「玲奈さんは……」

『玲奈さん!?』


 僕が玲奈さん呼びしたことに驚いたのだろう。

 片倉さんと真辺さんは寝耳に水のようだ。

 逆に知らなかったことにこっちが驚いているまである。


「? どうしたの、二人とも?」

「あの玲奈が名前呼びさせるなんて!」

「そこまでよっしーのこと……」

「当たり前でしょ? 良一は私の未来の旦那さんなんだから!」


 二人に向けて胸を張る玲奈さん。

 というか、未来の旦那さんって……。

 まぁ、そうなるかもしれない、けど……



 ──まだ友達の段階ですけどね。



 そう、言おうかと思ったけど、雰囲気的に言うのは控えておいた。



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