09 ロザのしたいこと
「では、皆さん、今までありがとうございました。僕は、この紅葉たちといろんな町や村、国を見て、世界中を旅をしてくる。だから、何も心配はいらない」
「ロザ、元気でな…」
村長は、泣きながら旅立つロザを、村の人たちを見送った。
「いいの?私たちときて…」
「ああ、これでいいんだ…。僕には、あそこは狭すぎたんだ。いつか、旅に出てみたい。と、思っていたからね。ちょうどよかったんだ」
「ロザ…無理はしてはいけないよ?」
「何のことだい?」
「んっ?いや…何でもないよ」
馬車の中で、紅葉はロザの過去を知って、心配になっていた。
まるで、自分のようだと思っていた。
うかない顔をしていた紅葉を黒瀬は見て、
(お嬢様…。自分と重ねていますね…)
少し心配をしていた。
◇ ◇ ◇
紅葉たちは、サウンスクロウに帰ってきた。
「いやー、帰ってきたなぁ…」
「なんか…久しぶりに帰ってきた感じがする」
「そうですね」
紅葉たちは、街を見て回った。ロザにも、いろいろ教えてあげていた。
「ここのカフェ屋さんは、おいしいのよ。今度、行ってみましょう」
「うむ。また、今度行ける時があれば行こうかな。ところで、この街には、本屋さんか、図書館はあるのか?」
「ん?うん。こっちだよ」
紅葉は、ロザが言う本屋さんや図書館を案内した。
「ロザは、本が好きなの?」
「うん。よく本を読んでたんだよ」
「そうなんだ」
「お嬢様は、本とは読まずに、漫画ばかり読んでいましたねー」
「ち、違うわよ!?ちゃんと、小説も読んでたし」
「でも、それは、雑誌ではないですか?」
「もう!黒瀬!」
その様子を見ていたロザは、
「君たち、いつもこんなに、にぎやかなのか?」
「そうだよ…。まぁ、のちに慣れてくるさ…」
そして、紅葉たちはギルドへと帰っていった。
♢ ♢ ♢
「お帰りなさいませ。今回の報酬です」
受付人のアナンが、2000万ルピーを受け取った。
「皆さん、もう少しで、ギルドを建てるお金が、集まりそうですね」
「そうなんだ。そうなの?黒瀬」
「はい。お嬢様。あと、1000万ルピーくらいでしょうか…。ですが、作ってもらうのには、職人の方に頼まないといけませんよ」
「そうね。なんぼくらいいるのかしら」
「そうですね。わたくしの調べによりますと…。100万ルピーくらいでしょうか」
「大丈夫そうね」
その言葉に皆が唖然とした。
「えっ?」
「100万ルピーが多額だと思うのだが…」
「まぁ、もともと大金持ちの方たちだから、その感覚はないんだろうねー」
「まぁ、私たちは、慣れたけどねー」
「そうなのか?」
セラティナたちが、話していると、紅葉と黒瀬がやってきた。
「今日は、皆疲れていると思うから、今日は、ゆっくり休んでね」
「皆様、お休みなさいませ」
「うん。お疲れー。おやすみー」
「僕も寝るとしよう。今日は、1日ありがとう。おやすみ」
「おやすみなさい。みんな」
皆、それぞれの部屋に入り、眠りについた。
◇ ◇ ◇
セラティナたちは、もう起きて朝食を食べていた。
「皆、おはよう」
「おはよう」
今日のクエストを紅葉は、選びに掲示板に来ていた。
見ていると、セラティナたちが見に来た。
「うーん…どれがいいかなぁ?」
「あまり、面倒なのは、やめてほしいかなぁ…」
「そうだなぁ…」
「あっ、これならいいんじゃない?」
セラティナが選んだのは、【サラマンダーが暴れている。退治をしてほしい】
「これなんかは、どうなんだ?」
「サラマンダ―かよ…」
「でも、いいんじゃない?サラマンダーおもしそうだし」
「そういう問題じゃないよ!サラマンダーって、火を噴くドラゴンよ?」
紅葉が、ビビッていると、黒瀬が言う。
「お嬢様、これをみるかぎり、サラマンダーはいきなり現われるみたいですよ」
「えっ?じゃあ、意図的に誰かが、出しているってこと?」
「そうかもなぁ…」
「調査に行こう」
「そうだな」
「気になるなぁ…」
○サラマンダーの謎を解け!
皆、意見が一致し、クエストに行った。