70 決戦!③
ラジリスタは、ロワールと激闘していた。
「くそっ!攻撃が当たらない」
「下手くそか?お前は、魔法、武術はイマイチだったからな」
「うるさい!いつも、修行をつんでいたんだ!」
「だからって、当たらなければ意味がないだろうが!」
「でも、ちゃんと身についているさ。その先をね!」
「サイレント・ウォール!!」
「うわっ!?」
闇属性の攻撃を放ったラジリスタの攻撃は、ロワールに命中した。
「わたくしが教えたことを実践したのですね、ラジリスタ様」
「あっ、黒瀬。見たのか?」
「ええ、加戦に参りました」
「そんなせこい戦い方をそのクソに教えたのは、お前か腹黒執事!」
「ご機嫌麗しゅうございます。ロワール様」
黒瀬は、ロワールに深々と頭を下げた。
「なめやがって!!」
ロワールは、2人に切り掛かってきた。
魔法を撃ちまくってくるロワールに黒瀬は、ヒラリとかわしていく。
ラジリスタは、隙を狙っていたが、なかなかロワールに近づけない。
「ラジリスタ様は、ちゃんと教えたことを戦いに使ってくださるのですから、飲み込みが早いのでしょう。それを実践したまですよ」
「そうだな。最初は、よく分からなかったがな…」
ラジリスタは、黒瀬に戦い方や魔力強化を教えてもらうために訪れていた事を思い出していた。
◇◇◇
それは、戦いの半年前に遡る。
ラジリスタは、黒瀬と戦いで敗れた。
その後は、どうして負けたのか、何がいけなかったのか、考えていた。
思い当たったのは、黒瀬の戦い方だった。
華麗なる剣捌き、繊細でていねいな戦いかただった。
そういうふうな戦いをしたいと思ったラジリスタは、黒瀬の元に来ていた。
「失礼します。黒瀬さんはいらっしゃいますか?」
「はい、こんにちは。お久しぶりでございます。ラジリスタ様。今日はどうされたのですか?」
「実は、あなたに修行をつけてもらいにきたのです!」
「えっ!?」
「そうなのですか?まぁ、立ち話はなんですから、奥にどうぞ」
黒瀬は、中に招き入れた。
お菓子とお茶を飲みながら、ラジリスタの話を紅葉達は聞いていた。
「改めて、お願いする。俺に修行をつけてくれないか?黒瀬みたいに、誰かを守れるような奴になりたいんだ!もっと強くなりたい!ロワールにどうしても勝ちたいんだ!」
「フフ…。そういうことなら、分かりました。ただし、条件があります。レギランス皆様をお呼びください」
「なんで?」
「1人だけ強くなっても意味ないでしょう?どうせなら、ギルド皆様が強くなければ意味がありませんし、もしも、何かあった時に、ラジリスタ様が不在の時に攻められたらどうします?ルト様、パラディス様、シルバーン様、イノン様、キャネル様、グミル様がいて防げれなかったら、何のための仲間なのですか?皆様は、確かにお強い方です。ですが、四天王はそれではダメなのです!」
「わ、分かった…」
「そう決まれば、善は急げです!さっそく、皆様を集めてください!」
そう言われ、ラジリスタは魔界に一旦戻った。
まだまだ続きます。