69 決戦!②
「クロナ…」
倒れ込んだクロナをみて紅葉は抱きしめた。
「く、紅葉様…。すみません…わたくしの落ち度ですわ…。紅葉様を危険な目に合わせてしまった。そんな悲しい顔をしないでください…」
「クロナ…。私を守ってくれたじゃない」
紅葉は、泣きじゃくっていた。
黒瀬は、周りを警戒し紅葉を守るようにセラティナ達も警戒をした。
「今、どこから狙ってきた?」
周りを見渡していると、
「もう少しだったのに…。ちっ、邪魔が入ったか」
そこに現われたのは、四天王のロワールだった。
「ロワール!貴様…」
「実の兄に、貴様呼ばわりか…。この愚か者め!」
ラビリスタが今にもロワールに噛み付きそうになるくらい怒っていた。
そして、すぐにサラが来て、アマテラス、ワルキューレを召喚した。クロナに高速で回復魔法をかける。
アマテラスは、天の恵みで太陽の光を照らし、回復をするため、ワルキューレで光を強化するため召喚した。
ワルキューレは、戦士でもあり、戦闘にも適している。
クロナを回復に急ぐ中、ラビリスタはロワールに切りかかって行った。
「やっぱりこうなったわね。援護を頼むわ。イノン」
「分かったわ」
シルバーンは、ラビリスタの援護に後を追った。
「援護はさせないわよ」
「兄弟喧嘩に他人が手出しは無用よ」
「あれは、モカ、モナ!」
「えっ?」
「四天王3番目に強い闇、影使いの姉妹:紫の瞳がモカ、紺の瞳がモナだよ」
(あれが…)
「紅葉は、武器を構えてて!いつ襲ってくるか分からないから」
「分かったわ」
イノン、パラディスはモカ、モナの相手をしていた。
「四天王の1人を倒したのは、お前の仲間か?」
「だったら、なんだ。関係ないことだろ!仲間や親を殺したのはお前だろ!お前をいつ殺してやろうと思っていた事か」
「最強の魔物になるための魔法陣を作っていたのだ。お前には、こういうことはできないだろ?」
「だからといって、町を滅ぼすことはしなくてよかっただろ」
「最強とは、何かを見せつけてやろうと思ったのだよ。バカにされ続けていたからな。人をなめるのも大概にしろと思って、恨みを晴らしてやろうと思ったからだ」
「だからって、町を。仲間を。親まで手にかけることはなかっただろ!」
ラビリスタの怒りは、頂点に達した。怒り狂うラビリスタは、ロワールに攻撃をしかけた。
「ミステイク・インフェルノ!」
「ダークネス・シールド!」
ラビリスタの攻撃は、弾かれた。
「エグゼイド・インパクト!」
「ブラックサンダー・クラッシュ!」
2つの攻撃が合わさった時、大爆発が起きたが、2人は構わず攻撃を続ける。
一方のモカ、モナと応戦中のイノン、パラディスは、五分五分で戦っていた。
「ちっ!全然攻撃が通らねぇ。さすが、四天王3番目といった所か?」
「闇と影か、厄介ね…」
「姉妹の技が息が合っていて面倒だわ…」
「なんとか、影に潜る技をどうにかしないと…」
「イノンさん、パラディスさん!私のホリーライトで照らしてその時に攻撃を!」
「そうか、光を照らすと影がなくなるわね」
「よし。やってみよう」
「では、行きます!ホリーライト!!」
当たり全体が光に照らされ、影がなくなり、モナが地中から出てきた。
「くそっ!」
「モナ!闇で暗闇にしてやるわ」
「そうはさせないわよ!シャドウ・ジャッジメント・ライトニング!」
「キャー」
「姉様!」
モカは、イノンの攻撃が命中し、地面に叩きつけられた。
イノンは、次に攻撃をしかける。
「ダークネス・ローズ!」
モカ、モナは、たくさんのバラの花びらに包まれ、空中に飛ばされる。
そこに、シルバーンが攻撃を放った。
「ナイス、イノン。ダーク・デッド・クラッシュ!」
「キャー!!」
「くそっ!モナ、負けてられないわ!いくよ」
「う、うん。ダーク・シャドウ・キュラ!」
「負けない!まだまだよ」
「ダーク・シャドー・ボルト!!」
「デストロイ・インパクト!」
強い竜巻が起き、周りを取り込むような大きくなっていた。
「ホーリーシールド!」
紅葉がクロナを守るようにシールドを作った。紅葉達もその竜巻に取り込まれそうにもなっていた。
クロナは、まだまだ回復には時間がかかるようだった。
(クロナは、私が守る。さっき、クロナが私を守ってくれたように…)
心配そうに紅葉は、クロナを見ていた。
それぞれのところで戦闘が繰り広げららえている中、紅葉は勝つ方法を考えていた。
あちらこちらで、戦闘しているところを見ると、2組とも少し近いのではないかと考えた。
ロワールに、モカ、モナの攻撃をあてようとしているのではないかと思った。
ラビリスタ、シルバーンは、ロワールを相手していたが、気付かれないように誘導しているようにも見えた。
「黒瀬、あれ」
「多分、弾かれた攻撃で、ロワールにぶつけようとしているのではないでしょうか?」
「そういうことか…。そんなことが、可能なのかな?」
「レギランスの皆様の仲間の信頼関係は凄まじいことでした」
「それは…?」
「ルト様に聞いたのですよ」
「なるほどね…」
(確かに、黒瀬とルトという人は、どこか似ているように思う)
そう思って、クスリと笑っていると、黒瀬が紅葉の顔を覗き込み、
「また、何か変な事を思っていましたね?」
「うわっ!?」
「どうせ、妄想でしょう?」
(なんで分かったの)
紅葉は、思わず目を逸らす。
それを見た黒瀬は、
「図星ですね」
黒瀬は、ニヤリと変な笑みを浮かべた。
紅葉は、気味の悪い黒瀬の変な笑みを見て、ゾッとした。
(この男は本当に怖い奴だ。本当に、怒らしたり、敵にまわしたくない…)
「はぁー」
紅葉はため息をはいた。
「黒瀬…分かっているわね。クロナをこんな目に合わせたロワールが憎い。そして、早くこの戦いを終わらせましょう」
「仰せのままに、紅葉お嬢様」
黒瀬はロワール、ラビリスタが激戦の中へと行った。
まだまだ続きます。




