62 魔陣
余裕そうな顔をしているメレストロ、ラグールがそこに立っていた。
「久しぶりです…」
「っていつの間にいたのですか?」
「えっ?ついさっきだけど?」
「え、だからいつからですか?」
「だから、『女の子が持っていたペンダントが重要』の所と、『それと私達が鍵となる』って」
「って、最初からじゃあないですか!」
「皆、ナイスツッコミですね」
「感心してる場合か!」
「あなた達が重要なの変わっていて、姿を消したのですか?」
「だってさ、すぐに教えても面白くもないでしょうにー」
「でも、そちらの執事さんは、分かっていたのかずっと影で動いていたみたいですけど」
「黒瀬が?」
黒瀬は、クスリと微笑んだ。
黒瀬は、念押しでいつも気になることがあれば調べていた。
それは、レギランスの皆にも協力を要請したのである。
もしものことを考えての事だった。
「なんで黒瀬何も言わなかったの?」
「秘密で動くと、相手も少しずつ行動を起こすのではと思いまして…」
「そんな…」
「でも、いいじゃないか」
「レギランスの皆の協力があったからこそ、予定よりも早くかつての事が調べることが出来ましたからね」
「ユーネリアを連れてこなければならない!」
「クロナ、最短距離でお願い!ユーネリアを連れてきてほしい」
「わたくしにお任せを!」
「頼みます!」
「分かりました。マイマスター」
クロナは、瞬間移動でユーネリアを連れてくるべく、砦へと向かった。
◇ ◇ ◇
クロナが瞬間移動でいなくなったと同時に地響きがした。
皆は、その場に座り込む。
机の下に身を隠すものもいれば、外に出るものもいた。
「キャー!」
と町の者達は、走って逃げていた。
「く、黒瀬!私の事はいいから、町の皆を避難させないと!」
「かしこまりました」
黒瀬は、一瞬で町にとんだ。
「皆様、早く山の方にお逃げ下さい!」
「紅葉!私達も町に」
「うん!」
「皆、決戦の時よ!」
「うん!」
「楽しもうか」
紅葉達は、それぞれの武器を持ち、宿から外に出た。
町の人達は、走り逃げていた。
黒瀬の言ったとおりに皆が山へと逃げている。
サラは、サラマンダーを召喚し、町の皆を安全な村に連れて行った。
大きな魔人から、ギルド:レギランスが現われる。
「やぁ、皆。元気そうじゃない?」
「シルバーンさんは、さっき通信魔法で話していたからあまりそんなことは思わないんですけど?」
「なんでよ!」
「おい、無駄話はその辺にしとけ!無駄口をたたいていると、やられるぞ?」
「そうねぇー。それで、黒瀬にやられたのだから。今は、集中しないとね」
「来やがった!」
魔界の陣が、空一面に広がっていた。
「あれが、魔界の魔人…」
「くそっ!」
「皆、何を見ているのよ!」
「一斉に攻撃よ!」
紅葉が皆に攻撃力を上げる呪文を唱えた。
黒瀬達の体中に光纏った。
「行くぞ!!」
黒瀬達は、ありったけの攻撃を魔陣に仕掛けて突っ込んでいく。
サラは、召喚獣を出し、空から攻めていた。
サラマンダーの次に、手に入れた白龍・黒龍を出していた。
「黒龍、炎龍破!白龍、雷龍破!」
白龍・黒龍は、魔陣に攻撃をする。
魔陣から攻撃をされる、難なくかわした。
「危なっ!あれをくらったらただじゃおかない…」
「サラ!」
「ロザ!サラの援護を」
「わかった。こいつで、落としてやるよ!」
「ロザ…。それは、こなだのクエストで手に入れた銃か?」
「準備をしておけと言ったのはあいつ(黒瀬)だ。備えとかないといつ魔族が攻めてくるか分からないからな」
「手入れをしていたわけか」
「よし、私が盾となろう!」
「ラーガ、防御力を上げておくからね」
「ありがとう!紅葉」
紅葉は、皆のサポートにまわる。
そして、魔法で宙に浮いて、作戦を練っていた。
すると、どこからともなく紅葉に攻撃がとんできた。
「はっ!」
(や、やばい…)
間一髪で、黒瀬に助けられた紅葉は地上へと戻った。
「おしいなぁ…。もう少しで撃ち落としだったのにー」
皆が、声のする方に向けると、そこには魔陣から四天王が現われていた。
「あ…あれが」
「四天王…」
「くっ!ロワール!」
「ロワール?あれが…」
紅葉達は、唖然としている。
「嘘でしょ?」
「こんなに早く現れるなんて…」
「この世界は、我が四天王のものだ!我に膝間つけ!我に仕えよ!」
ロワールは、そう言い、空に呪文を唱えた。
大きな魔神が姿を現した。
「嘘…」
「そんな…。一番最悪なものを送り込みやがった!」
「破壊神:ビシュヌ…」
誰もが絶望する中、黒瀬はニヤリと笑う。
(面白くなってきましたね)
この男だけは違っていたようだ。
まだまだ続きます!
物語はこれからです。




