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うちのドS執事は異世界でも超最強  作者: 真皓 心
第3章
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60 ピエロ仮面のパウロン

 紅葉達は、ヴェリスタ国に滞在していた。

紅葉達は、町に買い物に行っていた。

ピーロンは、薬草などを探しに山に来ていた。


「やはり、ここは珍しい薬草がたくさんありますね。これは、薬草の中でも回復がすぐにできるレアな薬草…やばいですねー」


 ピーロンが興奮して薬草摘みに夢中なっていると、


「相変わらずだね。ピーロン。君はいつもそうやって薬草ばかり…」


 ピーロンが声のする方へ向くと、ピエロの仮面をかぶった者が立っていた。


「パウロン!久しぶりですね」

「久しいねー」


 2人は、近くの岩場に腰をかける。

いろんな話をしていた。

パウロンは、ピーロンの幼馴染だ。


「君はどうしてここにいるんだ?」

「観光だよ」

「1人で?」

「あぁ、1人でいる方が楽だからね」

「まぁ分かるけどね。そうだ。今、お仕えしているギルドに案内するよ」

「でも、お邪魔じゃないのかい?」

「大丈夫だよ。皆様はそんな方じゃないから。だから、ちょっと来てよ」


 ピーロンは、パウロンの手を引っ張って行った。


「ここが寝泊まりしている宿だよ。そろそろ皆様帰ってきている頃だと思うから」

「そうなんだ。楽しみだなー」

(お手並み拝見といきますか)

「皆様、あの…」


シュ!

ピーロンが入ると同時に針を投げつけた。

黒瀬は、すぐに防御に入った。黒瀬も反撃をした。

パウロンは、黒瀬の攻撃をかわした。


「パウロン!いきなり何を!」

「ごめんねー。いきなり投げつけて。ピーロンが慕っている人が強いか見極めたくて…ね?」

「ピーロン様のお知り合いでしたか」

「聖様、すみません。大丈夫でしたか?」

「大丈夫です。いかなる時も気を抜くことはしていませんので」

「そうですか。皆様は?」

「皆様は、入浴にさっき行っていましたよ?」

「そうなんですか」

「早く、ゆっくりしたいとのことでした。で、わたくしは、夕食の準備をしておりました。ピーロン様、お帰りなさいませ」


 黒瀬は、そう言いピーロンとパウロンに頭を下げる。

慌ててピーロンも頭を下げた。

ピーロンは、パウロンとの再会のことを話した。


「ピーロン様の幼馴染と?そうですか」


黒瀬は、パウロンを見ていた。


「どうしました?」

「いえ、なんでもございません」

(何か、、、変なオーラのお人ですね…。気持ち悪いような感じがしますが、警戒はしといた方がいいですね)


 黒瀬は、何か変な感覚を察していた。

パウロンが宿に入った時から、黒瀬は感づいていた。

そして、パウロンの突然の攻撃をかわし、攻撃がすぐに出たという事だった。

その前に、黒瀬はこのことが分かっていたかのようだった。

 先程、黒瀬は紅葉達は『先に入浴に行った』と言っていたが、変な気配が宿の方に向かってきている、戦闘になったりすると紅葉達に危害が及ぶために、黒瀬はとっさに紅葉達に、


〈お嬢様達は、先に汗を流してきてはどうでしょうか?ピーロン様もそろそろ帰って来るかと思いますので…〉

〈分かった。皆、先にお風呂に行きましょう〉


というわけだ。

紅葉達がいないことがよかった点。

黒瀬は、最悪の事を予想し動いていたのだ。


「パウロン様は、お1人で観光に来られたのですか?」

「そうです。森とか彷徨っていたら、見覚えのある後ろ姿が見えたので声を掛けるとピーロンだったということです」

「そうでしたか」

「一緒に泊まればいいのでは?」

「もちろん、そうするつもりだよ」

「たくさん話したいことがたくさんあるからね」


 ピーロンは、パウロンと話をしていた。

すると、入浴に行っていた紅葉達が帰ってきた。


「あれ?どなた様?」

「これは、すみません。勝手に上がりこんでしまい…。僕は、《パウロン》といいます。ピーロンがお世話になっているみたいで…。ピーロンと幼馴染です」

「そうなんですか」


 紅葉達は、すぐにパウロンと打ち解けた。

これまでのことをたくさんの事を話した。

パウロンもピーロンとのことを話をして、ピーロンの顔が赤くなっていた。


「もういいですから!こんなことを皆様がいる前で言われるのは、恥ずかしい…」

「ピーロンが赤くなって、照れてるー」


 セラティナがピーロンの頬につんつんしていた。

宴のように騒がしく夜を満喫していた。

ただ1人覗いては…。


◇◇◇


夜風にあっていたパウロンの前に、黒瀬は立っていた。


「あなたは、何者ですか?」

「ん?」


 首を傾げているパウロンをよそに、黒瀬は問う。


「あなた、黒いオーラを纏っていらっしゃいますよね?魔族の者ですか?それとも、四天王の人ですか?」

「なーんだ。もう分かっていたのですか…。これは残念…。もう少し遊んでみようと思ったのに」

「ピーロン様が悲しみますよ」

「あいつは、前からうざかったからね。まぁ、幸運だよ。君達、ギルド:モミジにありつけるんだから!」


 突風が吹いた。

目の前にいたパウロンは消えていた。

そして、どこからともなく声が聞こえる。


〈近々、君達を潰しに行くから覚悟しといてね〉


(ちっ、気配が消えたか…。やはり、準備が必要ですね…)


黒瀬は、夜空を見上げながら、呟いた。


「もう決戦の時が近いのですね…。四天王…」


まだまだ続きます。


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