58 予知夢
紅葉達は、ルシン国に戻った。
王宮に赴いた紅葉達は、ルシア女王にクエストの結果を報告した。
「ほう、リヴァイアサンとフェンリルを仲間にした?」
その後、ルシア女王はお腹を抱えて笑った。
紅葉は、どうして笑っているのだろうと思った。
黒瀬の方を見ると、いつもの無表情の顔をしている。
どうして、ルシア王女が笑っているのか知っているのだろうと思った。
(やはり、予感はしていたか…)
「失礼した。笑ってごめんなさい。あまりにもびっくりして」
「ルシア王女様、少しよろしいですか?」
ルシア王女は、黒瀬の言うことに耳を傾けた。
「ルシア王女様は、『予知夢』が見えるのではないでしょうか?」
「よっ…予知夢!?」
「黒瀬、急に何を言っているんだ?」
「まぁ、聞きましょうよ」
ピーロンは、なぜかワクワクしていた。
紅葉達は、続けて耳を傾けた。
「まず、最初に訪れた時は、ここに来るのが分かっていたのようにあまり、顔にでませんでした。前に行ったウルビス国でメディウス様は、次も知っているのでは?と言われておりましたので、それに、伝えてはおくと言ってくださっていました。でも、いつ着くのかも正確に分かっていた。そして、2体の幻獣を仲間にしたと言った時、笑っていた。それで、確信しました。ルシア王女は、『予知夢』が見える」
黒瀬は、ルシア王女にニヤリと笑うと、ルシア王女もニヤリと笑う。
「私の負けだな。そう、そこの者が言ったとおりだ。私は、小さい時から生まれつき予知夢が見える。だから、面倒事や戦争の時などは予知夢で大抵分かったから、避けてきた。2,3日前に、予知夢であなた方が来ることは分かっていた。そして、これから起こることも、することも…」
「じゃあ、全部わかって言っていたのですか?」
「じゃないとフェンリルとリヴァイアサンを仲間にしたことを知るわけがないじゃんか」
「おい。王女様目の前だぞ!」
ハッとして、ルシア王女を見るとクスクスと笑っていた。
紅葉は、これも予知夢で分かっていたのだろうか?と思った。
「あなた方は、四天王に戦って勝てると思っているのですか?4人は強すぎますよ。今のままでは勝てれないかと思います。もう少し、実力と経験を積まなければ…。もう少し上のランクのクエストをしてみればいろんな経験が積んで、四天王に勝てるかもしれないですよ?」
紅葉達は、ルシア王女が言うことには、一理あると考えた。
レベル上げたところで、四天王には勝てれるわけがないと紅葉は心の中で思っていたからだ。
それは、そのはず。未だにまだ四天王には会えていない。
以前に戦った【レギランス】というギルドもそうだったが、彼らは強かった。
四天王はそれよりも強いんだから、紅葉はもう少しランクの上のクエストをしようと思うのだった。
◇◇◇
紅葉達は、宿に戻っていた。
「あの王女が言った通りなのかもしれないなぁ」
「やっぱり、経験を積んだほうが良いんだなぁ…」
「四天王のことを書いた書物が全然ないんだ」
「後から組織を作ったのかもしれないなぁー」
紅葉達は、宿屋で四天王のことについて話し合っていた。
まだ得体が知れない四天王は、どんな者なのか全く知らない。
もう少し四天王のことを調べる必要があった。
まだまだ続きます。




