52 レアもの①
紅葉達は、鉱山を結構歩いていた。
「少し休憩しない?」
「鉱山は結構きつい」
「かなり歩いたからな」
「少しこの辺りで休みましょうか」
黒瀬は、さっとレジャーシートを出し、お茶の準備をした。
「本当にあなたがいたら、飽きないわ」
「それは、ありがとうございます」
「出でよ、アヌビス!」
――――ボン!
「お呼びですか?主様」
「この辺りを監視してほしい」
「仰せのままに」
アヌビスは、鉱山の辺りを魔物を探しに行った。
「サラ様、お茶をどうぞ」
「ありがとう」
紅葉達は、しばしの休息をした。
黒瀬は、警戒を怠らない。
すぐに、戦闘に入れるようにしている。
紅葉も休憩を取りつつ、魔法で結界をはっていた。
紅葉達、皆は休憩をとりながら、警戒をしていた。
魔物の出現する場所には、すでに入っているからだ。
いつ魔物が出てきてもおかしくない。
「いつでも、魔物が出てきても大丈夫。十分、準備はできている」
「あぁ。だが、なかなか出てこないな…」
「地下にいるのでは?魔物は確か…。ノギスとウェザーウルフでしょう?」
「そうだね」
「すぐに決着がつけばいいけどなぁ」
「大丈夫ですよ」
黒瀬は、ニッコリと笑い、
「皆様は、確実に強くなっています。たくさんクエストを達成してきているので」
「そうだな。黒瀬に並べるように。少しでも黒瀬の手助けができるように強くなったのだから」
「今まで、頑張ってきたのだから」
「どんな魔物でも倒せるように。そして、四天王を倒せるように」
いつか、四天王に会って、戦えるようにレベル上げて、経験を積んで強くなって、元の世界に戻れるように紅葉はずっと頑張っていた。
今回も、強い魔物だろう。手抜きはできない。
最悪の想定を常にしておく。
どんな対策をすればいいのかを相手を見て模索するように。
クエストを積んで、そういうふうにできるようにしている。
白魔道士の役目は、サポーター、魔物でどういうところが弱点なのかを探す。等などいろんな役割がある。
黒瀬、クロナ、ラーガを前方に、サポート、援護は紅葉、サラ、ロザが後方。
だいぶ、良いチームになっている。
まとまりもある。
皆で、クエストをやってやってやりまくり、ダメな所、ここはどうするか等話し合い、また、クエストを行う。
これをずっと続けてきた。
だから、まとまりも出てきたと思う。
「よし!ハギスを倒せた」
「だいぶ、休むことなく攻撃がスムーズにできてきたと思う」
「皆様、良い動きが出来ていますよ」
黒瀬がそう言い微笑む。
「…」
「ロザ?どうしたの?」
ロザの表情があまり良くなかった。
それは、黒瀬も同じだった。
「ロザ様も思いましたか?」
「うん。ハギスを倒したのはいいが、もう1匹いる」
「もう1匹…」
紅葉達は、周りを警戒した。
(どこにもう1匹いるの!?)
見渡すが周囲には魔物すらいなかった。
だが、ロザと黒瀬は警戒している。
「変な感じの物がいる」
「まだ、感じる。なんか、たくさんの魔物がいるような感じがします」
「そう。なんか重なってて…。よく分からない」
(何?その物…。魔物なの?)
すると、下から突き抜けるような地響きがしてきた。
ゴゴゴー!!
「何!?」
「これは…」
大きなマグマタートルが現われた。
「マ!」
「マグマタートル!?」
火山からは、サーポパードが現われた。
「なんだ!この盛りだくさんな魔物は!!」
「これは…」
「やばくない?」
「マグマタートルは、めったに巡り合わないよ?」
「これは、レアもの勢ぞろいだ」
「皆、行くよ!」
紅葉達は、戦闘態勢に入った。
まだまだ続きます。




