51 魔物討伐へ
紅葉達は、ウルビスの国王に会いに来ていた。
「どんな国王なのかなぁ?」
「やっぱり緊張するなぁ…」
「いつになっても慣れないよ」
「どうして、紅葉と黒瀬はいつもそんなふうに、堂々としていられるの?」
「いつも、向こうの世界でこういうところによく行っていたからだよ」
「そうですね。お仕事でですが…」
「そうなんだ」
長い廊下を通っていく。
大きな扉の前まで来た紅葉達は、兵士に案内された。
「国王様、ギルド:モミジ一行をお連れしました!」
扉の奥から
「通せ!」
と。すると、扉が開いた。
大きな綺麗な椅子に座っていた。
「よく来てくれたな。ギルド:モミジ一行殿。我が名は『メディウス』」
「クエストにより、参りました」
「本当にありがとう。厄介な魔物が現われた。ギルドに頼んだのだが、全然誰も来なかった」
「まぁ、こんなレベルの高い魔物は、リスクが高すぎますからね」
「レベルの低い者達は、避ける案件でしょう」
「私達なら、魔物を倒せます」
紅葉達は、胸を張って言った。
ウルビスに六芒星の一部であること。
ウルビスに来れば、六芒星の事が分かると思い、訪れたのだ。
「メディウス国王様。依頼された魔物を倒した暁には、『六芒星』の事を知っているのなら、教えてください」
メディウスの顔が、一瞬曇ったように思えた。
(ここは、当たりのようですね)
黒瀬は、心の中でニヤリと笑っていた。
メディウスの顔で、何かを感づいたようだ。
「分かった。クエストが、成功すれば六芒星のことについて知っている事を話そう」
そう、メディウスは紅葉達に約束した。
(あの者達は、有名なギルドだからな。確実に、クエストを成功するだろう。あの男には嘘はつけんな)
また、メディウスも黒瀬のことを見て何を感づいたのだった。
◇ ◇ ◇
紅葉達が、メディウス国王の元に来る数週間前の事だった。
北の国の『ジルベール』国王からの手紙が来ていた。
手紙の内容には、六芒星の事を調べているギルドがいることが書かれていた。
ジルベールとは、昔から知っている中だった。
国の会議があるときは、いつも顔を合わせていたのもあり、よく知っている。
そういうこともあり、そして、彼女達の実力も手紙の内容に書いていた。
六芒星の事を調べているのなら、あの事が起きるのだろうと思っていた。
だから、紅葉達をクエストで釣るように、強い魔物の討伐を依頼したのだった。
別のギルドが食いつかないように…。
◇ ◇ ◇
そういう事実は、知らない紅葉達は、魔物討伐に来ていた。
町で、食料などを買い、魔物討伐の準備をしていた。
この日は、宿に泊まり、翌朝に討伐に行こうと思っていた。
それぞれで、明日の準備をしていた。
どんな魔物でも、念入りにしていないと痛い目を見るからだ。
2つ前の魔物の退治の時も、刃物もボロボロだった。
切れ味がいまいちなこともあり、弾もなくなったりしていたからだった。
だから、準備には念入りにしないといけない。
どんな魔物にも甘く見ないこと。
それから、夜には作戦を立てて、翌朝の魔物討伐に備えた。
◇
◇
◇
次の朝。
「よし!魔物討伐に行くぞー!」
「また、レベルが上がりそうだな」
「気を抜かないでいこうな」
紅葉達は、ウルビスの南にある鉱山に向かったのだった。
まだまだ続きます。