49 古代の本
一方、黒瀬はギルドハウスで、掃除をしていた。
「よし。これできれいになったから、お嬢様たちが帰ってきても大丈夫ですね」
片付けをしていると、ピーロンが本を読みながら歩いていた。
「ピーロン様、本を読みながら歩いているとぶつかりますよ?」
「ん?あっ!聖様ではございませんか!?紅葉様たちは、どうなんでしょうか?あれから、5日ほど帰ってきてませんが、、、」
「お嬢様たちは、今クエストの最中でございます。この前、わたくしが、魔界の世界に行ってたときに、片付けてしまいましたから、それから、お嬢様は思い詰めてしまったのでしょう。わたくしたちには、笑顔で接してくださいますが、お部屋に戻られたときのお嬢様のお顔を見ていると心配でございます」
「そうですよね、、、」
「まぁ、今回のクエストで何かを得たらいいのですが、、、。だから、わたくしはわたくしで、できることをしようと思います。これから、街の大きな図書館で調べ物をしようと思いまして。ご一緒にどうですか?」
「一緒に調べ物しましょうか?」
と、ピーロンも街の大きな図書館へと行く。
また、六芒星のことを調べていた。
「たくさん、本があると見てしまいますね」
「今日は、六芒星のことを調べますから、ピーロン様は、お好きな本を見てもよろしいですよ?気になるのがあれば」
「一緒に調べ物をしようと言ったのですから、調べ物しながら気になる本を探します」
黒瀬とピーロンは、それぞれ散らばり、六芒星のことについて調べ始めた。
黒瀬は図書館内を廻りながら、六芒星のことを書いているような本を探した。
ある一冊の本に目がいった。
その本はすごく古びている。
色褪せていた。
黒瀬は、その本を手に取り、読み始めた。
そこには、驚くような内容が書かれていた。
黒瀬は、椅子に座り、その本を読んだ。
随分昔に、『六芒星により、巨大な魔法陣を作り上げた者がおり、世界の危機から救った』と記述されていた。
『火、水、木、風、土、光、闇の性質を持つ者を集め、各場所に行き、巨大な魔法陣を作り、魔物を封印する』
等、数々のことがその本に書かれていた。
(これは、以前読んだ本でも同じようなことが書かれていたが、こんなに詳しくは書かれてなかった、、、。これを借りて、読んでみたい)
と黒瀬は思い、どうせ借りるならと、六芒星について書かれている気になる本は何冊かあるため、4、5冊ほど持ち、カウンターに持っていく。
若い女性が受付をしていた。
「いらっしゃいませ。5冊でよろしいですか?」
「はい。これでお願いします」
「お客様、古い本がお好きなのですか?」
「少し調べものをしていて、、、」
「難しい本を読むのは大変ですが、意外と面白いことが書かれていますよね」
と、その女性はニコリと笑った。
「そうですね。ありがとうございました」
黒瀬は、ピーロンを探しに行った。
ピーロンは出入り口から、4番目の本棚で、小説を見ていた。
「ピーロン様、こちらにおられたのですね。いい小説は見つかりましたか?」
「えっ!?あっ!聖様!すみません。夢中で読んでしまいまして、、、」
ピーロンは、本に夢中だったみたいで、黒瀬の声に驚いた様子だった。
本に引き込まれ、小説を読んでいたらしい。
「大丈夫ですよ。わたくしも探していた本がありましたから、もう借りてじっくり読むことにしました」
「そうなのですね。私も読んでみようと思います。ちょっと借りる手続きをしてきますので、少しお待ち下さい」
そう言うと、ピーロンは慌てて本を借りに行った。
その間、黒瀬は借りた本を少し読んでいた。
慌てながら、帰ってくるピーロンは本を落としそうになりながらも黒瀬のところに戻ってきた。
「すみません。少し遅くなりました」
「それだけたくさんの本を借りるのですから、手続きも時間がかかりますよ」
ピーロンは、10冊以上もの本を抱えていた。
小説や六芒星のことが、書かれている古代の本を借りていた。
二人はさっそくギルドハウスに戻り、借りた本を読んだ。
◇
◇
◇
黒瀬、ピーロンは、10冊ほど借りた本を読んでいた。
(やはり、六芒星が手がかり。最初に訪れた町で読んだものと同じものが書かれている。それよりも、もう少し詳しく、、、)
黒瀬は、自分の部屋にこもり、『六芒星』のことを調べた。
どの本にも同じことが書かれていた。
(全部一緒のことが書かれていた。町を訪れないといけないのか、、、)
黒瀬は、そう思いながら古い本を読み続けた。
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