46 このクエストで!
――――冥府の世界より、もっと闇の深い場所にある。
そこには、あるアジトがあった。
四人集まっていた。
「聞きましたか?例のギルドと、仲間になったレギランスの奴らが」
「あぁ、聞いたさ。よりによってあのギルドか…」
「面倒になったな」
「人間と仲間になったか、、、」
「ロワール様!!」
その声に、三人はすぐさまひざまつく。
ピリピリとしたオーラに三人はビクビクしていた。
「また、あのガキと戦うことになるだろう…。あの執事ともな。皆、心してかかれ!」
「はっ!!」
(フン!執事待っておるぞ!早くここのアジトをつきとめて、戦いに来い!)
ロワールは、笑みを浮かべながら、闇の奥に進んでいった。。。
◇
◇
◇
「…っ!」
「どうしたの?」
「いえ、なんでもありません。失礼致しました」
街中で買い物中だった紅葉と黒瀬。
変な殺気を感じた黒瀬の変化に紅葉はすかさず聞く。
(なんだ…。さっきの変な気配は)
黒瀬は、周りを見たり、スキルを発動し、警戒をしていたが、何もなかった。
その黒瀬の反応を紅葉は見ていた。
(何かあったのか…?こないだ、大物を片付けたと思ったが…。また、違う何かがあるのかな)
紅葉が少し顔色が悪くなった。
「紅葉様?」
黒瀬は、そんな紅葉の顔を覗き込んだ。
ふと紅葉は、顔を赤くした。
「な、なんでもない!」
「そうですか…」
(考えすぎか…。いや…私がもっと強くならなくてはならない…。ギルドの全体的にも、レベルを上がげておかなければならない。黒瀬だけ、頼ってはいつかは、黒瀬の負担が大きくなる。黒瀬だけでは、防げなくなる時が絶対にやってくる!それまでには…)
紅葉は、前回のことで身に染みていた。
黒瀬が、知らない間に解決し、ボロボロになって帰っていることに胸を痛めていた。
紅葉は、今よりもっと黒瀬に近づけるように、レベルを上げることにした。
(地道でもいいから、何かレベルとお金になるものを…。たくさんレベルを上げて、スキルも上げたいし、新しいスキルも獲得しなければならない…)
紅葉は、早速明日からクエストをあさることにした。
◇ ◇ ◇
―――――翌朝。
「おはよう。黒瀬」
「おはようございます。お嬢様、もう朝食の準備はできていますよ」
黒瀬は、ニッコリと微笑む。
紅葉は、浮かない顔をしていた。
黒瀬に、一人でクエストに向かう事を言わないようにしようとしていた。
紅葉は、一人でクエストに行くと黒瀬に伝えると、何かと言われるのではないかと思ったからだ。
「今日は、ちょっと出てくるから、夕方までは多分帰らないと思う…」
「お嬢様?」
黒瀬は、少し紅葉をじっと見つめていた。が、特に何も言わなかった。
「分かりました」
(意外とあっさりだったな…)
「じゃあ、行ってくるから」
「はい。お気をつけて、行ってらっしゃいませ」
紅葉は、元気よくギルドを出る。
そして、町にあるギルドへと向かった。
「あっ!これはこれは、紅葉様。おはようございます!今日はどういった用件で?」
「おはようございます。いや、レベル上げに、クエストがないかなって思って来てみたのですが…。何かないですかね?」
「そうですねー…」
と言って、アナンはクエストを探す。
紅葉もクエストが貼られている掲示板を見に行く。
たくさんの人達がクエストを見ていた。
「うーん。どれにしようかな…。自分の技とか今一度確認という意味で、ウサバードか…?いやいや…。レベル上げには、ちょっとか…。どれもしっくりこないなぁ」
紅葉が悩んでいると、アナンがそこにたくさんのクエストを持ってきた。
「紅葉様、いろいろ紅葉様にあいそうなクエストを選んできました」
「たくさんありますね…」
と、紅葉は一枚一枚クエスト見ていた。
すると、ドラゴンのクエストがあった。
「これにするわ!!」
「えっ!?いや、これは、お一人では無理がありますよ?」
「でも、これは私に合うクエストを持ってきてくれたのでしょう?ドラゴンなら、経験値は、たくさんもらえるはずだわ!!」
「いや、でも…。このクエストは三、四人必要ですよ?」
(まぁ、紅葉様の黒瀬様は、これを簡単に倒されたのですがね…)
と、アナンは思いながら、今あの時の黒瀬に言った事を同じように、説得している自分がいると思った。
紅葉は、それでも曲げなかった。
「じゃあ、私も参加するわ!」
「えっ?」
紅葉が振り返ると、セラティナ達がいた。
「セラティナ!?皆?」
「黒瀬が、紅葉の様子がおかしいと相談してきたから、内緒でついてきたんだよ」
「そうだったんだ…」
(黒瀬には、何もかもお見通しだったのね…。だから、言ったとき、じっと見てきたんだ。あの腹黒執事には勝てないわね…)
「することもお見通しだったのね…。だから、あなた達を追わせたのね…」
「そういうことだったのか…」
セラティナ達は、分かっていたかのように言った。
どうしてか、セラティナ達を集めてまで、黒瀬は紅葉を追わせていた。
何かしでかすのではないかと思った黒瀬の感だった。
「黒瀬の感はするどいから…」
「でも三、四人以上になったから、これでクエストが挑めますよね?」
「はい。受理致します。本当にいいのですね?」
「大丈夫よ!それに、もう黒瀬一人にクエストなどを任せないわ!レベル上げも含めて、皆で強くなるのよ!!」
「うん!!」
(絶対に、黒瀬が驚くほどに頑張って倒して、レベル、スキル、体力も全部をあげてみせるわ!!)
紅葉は、そう強く思った。
アイテム、武器を各々で揃えて、クエストへと出かけて行った。
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