番外編︰セラティナの日常
朝日がカーテンの隙間から差し込む。
セラティナは、朝日が昇ると同時に目を覚ます。
「はぁー。よく寝た。今日は、良い天気になりそうね」
セラティナは、すぐに服に着替える。
髪も整えて、弓と矢の手入れをした後は、朝食を食べに食堂へ。
「今日のご飯は、何かな?」
ワクワクしながら、食堂に入っていくと、ロザ、ラーガがいた。
「あっ、おはよう」
「おはよう。今日はどこかに行くのか?」
「今日は、ちょっとクエストの確認と、森に行こうと思う」
「そか」
「私達も、ちょっと、クエストの確認に行こうと思ってたところなんだ。一緒に見に行く?」
「うん。そうしようかな」
「ずっと、ジッとしてると、体が訛ってしまうからな。いつでも、強い敵と戦えるように、レベルも、スキル取得もしとかないとね」
「そうだな」
そう3人で話していると、
「もー!くーろーせ!!」
また、いつものように、紅葉の声がギルドハウス中を響き渡る。
「始まったな」
「あれ、どうにかならないの?」
「このギルドの定番だからな。これがないと、物足りない」
ラーガは、ワクワクしながら話した。
すると、厨房からピーロンが朝食を運んできた。
「ですよね?私もそう思います。あの2人を見ていると、楽しいのですよ」
ピーロンは、ニコリと笑う。
みんなそれぞれで朝食は違う。
一応、和食、洋食とある。
それは、紅葉の気分で、どちらかを選べれるようにだ。
どれも、黒瀬が作っている。
もちろん、セラティナ達の好きなものも作っている。
「さっさと食べて、クエストを見に行かなくては、、、」
「そうだな。食べたら、少しゆっくりしてたいし」
セラティナ達は、朝食を終え、クエスト確認に街にあるギルドハウスへと向かった。
◇
◇
◇
セラティナは、ギルドハウスの掲示板を見ていた。
――――――すると。
・ドラゴン討伐
・フェザーウルフ大量発生!討伐を!!
・スパイラクネ討伐!
・エインガナ討伐!
・アースタルト討伐!
・ヒヒドラ狩り!
・大蛇を討伐せよ!
等々あった。
セラティナは、一人思った。
(黒瀬なら、全部のクエスト行けそうだな…)
と。
セラティナはある日、黒瀬が夜遅く、ギルドハウスを出て行っていたのを見ていた。
そして、物の数分で帰って来ていた。
手には、報酬の金貨がたくさん入った袋を持っていた。
セラティナは、それをどうするのか、一部を見ていた。
(黒瀬、あんな大金をどうするんだろう…。自分の部屋に持って行っているけど、でも、黒瀬が前に言ってたな…。どっかの誰かさんが、無駄遣いしているから、それの大金をとれる仕事を選んできては、貯めていると…。まぁ、黒瀬の事だ。何もやましい事はないだろう…)
セラティナは、そう思うと、自分の部屋に戻って、また眠りについた。
(ってなことがあったから、黒瀬みたいにはならないだろうなぁ…。てか、あんなにも大金を何をどうやったら、手に入るんだよ!?)
と、一人思う。
普通のダンジョンとかは、数人で行くところを黒瀬は、全部、一人で行っていたからだ。
そして、毎回クエストを受けては、人助けをしていた。
まぁ、黒瀬の職業柄、暗殺者だから、夜な夜な出て、仕事をするのは当たり前のだった。
そんなことはセラティナには無理だった。
ドラゴン系の討伐は、数人のギルドを組んで行くものの、どっかの誰かさんみたいに、一瞬で討伐してくる奴はそういない。
(私は、私にできることをしよう…)
クエストを探していた。
(どれも私の武器では不利なのばっかりだな…)
少し諦めかけていたが、ふと、一つのクエストに目が止まる。
・フェザーウルフ、大量発生!!討伐を!
(これをしてみようかな…。少しは、稼いどきたいしね)
「よし!!決まった!アナンさん、このフェザーウルフの討伐に行ってみようと思います!」
「あら、セラティナさん。おはようございます。わかりました。フェザーウルフの討伐、よろしくお願いしますね」
セラティナは、フェザーウルフの討伐に出掛けた。
◇
◇
◇
セラティナは、アナンから、討伐の場所やフェザーウルフのことが書かれているメモを見ながら、南に向かっていた。
町からそう遠くはない。
「町からそう遠くはないクエストを見つけたけど、どうするかな…。まぁ、たまには、討伐の依頼を引き受けないと、手元が狂ってしまう」
セラティナは、フェザーウルフの大量発生を目撃されたいう村へと着いた。
村人たちに、話を聞いた。
「すみません。私、フェザーウルフの討伐に来たセラティナと言います。どういう状況ですか?」
「ありがとうございます。少し離れた町に行きたくても、あのフェザーウルフのせいで、ケガをして村に帰ってくる村人ばかりいます。」
「そうですか…」
「直ちに、討伐をお願いしたいのです」
「分かりました!お任せください!!」
―――――フェザーウルフ大量発生!討伐せよ!!
セラティナのクエストがこうして始まった。
「何か仕掛けを設置しておくか…」
セラティナは、あちこち仕掛けをしていった。
爆弾系は、少しロザから拝借したものだ。
あとは、広範囲に攻撃ができる弓を大量に買い込んでいたため、それの確認を。
討伐には、準備を怠らないのがセラティナの戦法だ。
「こんなもんだろ…。弓使いだから、道具はたくさんあっても邪魔にはならない。効率よく討伐したいからな」
そして、フェザーウルフが大量発生するのは、夕暮れ。
それまで待った。
その間、セラティナは村人達の手伝いや人助けにしていた。
出来ることは進んでやっていた。
夕暮れまで、あと2時間。
セラティナは、少し休むことにした。
――――――夕暮れ時。
フェザーウルフが大量発生の時間となった。
「さぁ、どっからでもかかってきなさい!!ぜーんぶ討伐してやる!!」
(全部、仕掛けも終わってるし、弓もたくさんある!)
セラティナは、村人達に討伐ができるまで、家の中に居るように言っていた。
思っていた通り、たくさんのフェザーウルフ達が、大量発生していた。
今の時期は、繁殖を求めてくるフェザーウルフ達で、たくさん集まって来ていると思われる。
だからと言って、野放しにできるわけがない。
所詮、魔物は魔物だ。
一匹残らずも残らず、討伐。
昼間に仕掛けておいた爆弾が次々と発動する。
「うわー!凄いな。やっぱり、ロザの爆弾は」
と感心していると、フェザーウルフが襲ってくる。
「おっと、感心してる場合じゃなかった。ざっと見て、何万匹もいるな…。余るほどたくさん弓を持ってきててよかった」
――――――ファイアーアロー!!
――――――サンダー・トルネード!!
次々と、セラティナは攻撃をする。
だが、まだまだ何万匹もいる。
セラティナは、弓を撃ちまくった。
「何万匹もなれば、疲れが半端ないな…。だから、HPを回復とかするのとかの、回復薬をまた大量にか買っていたから、まだいい物の…。長引くとやばいかも…。体力的にも…。さっと、済ませるか!!」
セラティナは、弓を撃ちまくり、回復薬も使いまくって、やっとフェザーウルフの討伐を完了させた。
「や…やっと、終わったぁ…。これで、帰れる…」
セラティナは、疲労で一歩も動けず、その場に倒れ込んだ。
◇ ◇ ◇
セラティナは、カーテンの間から差し込む朝日で、目が覚めた。
「んんっ?あれ??ここは…」
「目が覚めましたか?」
そこには、村長の家だった。
村長の娘が、倒れたセラティナを看病していたらしい。
「すみません…。みっともない所をお見せしてしまった…」
「いえ、私達の村を守って下さったんだから、これくらいはしないと…」
「回復薬を飲んでなんとかしていたのに、疲れには勝てませんね…」
「体が疲れていたんでしょう。ゆっくり朝まで休んでもらっていたので、回復はしていると思いますよ?少し、体の疲れ取れるように、マッサージなどをしてみましたので、勝手にすみません。私、これくらいしかできませんので…」
「すみません。ありがとうございます」
セラティナは、ニコリと笑った。
確かに、起きると体が軽くなっていた。
聞けば、この村長の娘は、マッサージ屋を営んでいるらしい。
マッサージで、疲れを取ってもらいたいという思いから、始めたというのだ。
「お陰様で、お世話になりました。ありがとうございました。また、何かあれば助けに行きますから」
「セラティナさん、いろいろありがとうございます。また、お願いしますね」
セラティナは、村を後にした。
◇
◇
◇
セラティナは、ギルドハウスに帰ると、黒瀬が出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ。セラティナ様。お疲れさまでした」
「あっ、黒瀬。ただいまー。討伐の完了の知らせをしないとね」
「もう、それはわたくしがしていますよ」
黒瀬は、そう言ってニコリと微笑む。
「えっ?なんで?」
「昨日、帰りにセラティナ様が、南の村でフェザーウルフの討伐をしていた所を見ていたのですよ。凄い活躍でしたね」
「最後、疲労で倒れちゃったけどね…」
「ですね。それも見ていましたよ?だから、村人の方々に事情を説明して、討伐の報告をしといたんですよ。だから、アナン様の耳には入れていますから、ご安心を」
「ありがとう。じゃあ、この足で、アナンさんの所に行ってくるわ」
セラティナは、アナンの所へ行き、報酬をたくさんもらった。
ふと、セラティナは思った。
新しく、スキルがあがっていないか。
また、広範囲に攻撃ができるスキルを手に入れていた。
「また、広範囲に攻撃ができるスキルのレベルが上がっている…。もっともっと、クエストをやるぞー!!」
ギルドハウスへと戻ったセラティナは、ベッドに倒れ込み、そのまま朝まで眠った。
黒瀬は、少し開いていたドアの隙間から、セラティナの様子を見ていた。
セラティナが、寝息をたててめている所を見届け、そっとドアを閉めた。
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