41 黒瀬、本気を出す③
黒瀬とルトの戦いをパラディス、シャネルが傷を治しながら見ていた。
一方の黒瀬とルトは、激しい剣と剣の討ち合いをしていた。
(やはり、わたくしは、剣は苦手…というより、使いにくいですね…。まぁ、短剣、銃はありますから、、、。あとは、長年使い慣れている、ナイフですかね)
「何か考え事しているのか?」
ルトの剣を瞬時にかわした黒瀬にルトが言う。
「もう少しで頭を飛ばしていたのに…」
「怖いですね…。危なかったですー」
「全然、思っていないだろう」
「えっ?どうしてですか?」
「あなた、わざとだろ?」
「そうですかねー」
「あなた、楽しんでいますよね?」
「戦いは、凄く好みませんが…。ここに来て、退屈致しませんので、楽しくて仕方ないのです。お嬢様の相手を時々していましたが、、、。相手になりませんし…」
「普通に、自分の主をゲスってないか?」
◇ ◇ ◇
「ペッシュン!!」
「ん?どうしたー?」
「紅葉、風邪でもひいたのか?」
「うーん…」
(また、あの腹黒執事!私の悪口言ってるな!!)
◇ ◇ ◇
「いやー。お嬢様のいる所でも普通にゲスってますから、ご安心を」
「それって、結構怒らないか?」
「怒っているお嬢様を見るのが、わたしくの趣味でもありますから」
黒瀬は、にっこりと笑う。
(あの執事、、、本当にあの女の執事なのか?)
黒瀬とルトは、そう話しながら、戦いをしていた。
それを見ているシャネルは思った。
(どうして、二人ともあんなに動いてて、息を切らしてないの?しかも、あの執事、パラディスと戦っている時も、息を切らしてなかった。その先の事も、気にして戦っているってことなの?)
また、別の角度から、二人の戦いを見ている者がいた。
それは、ラビリスタだった。
(あの執事は、あの時のか?)
「イノン、シルバーン、いるか?」
「はい。ここに」
どこからともなく、二人は現われた。
「隙あらば、あの男をやれ!」
「はい」
「任せてねー」
ラビリスタは、イノン、シルバーンに指示を出した。
「んっ?」
(魔力が、3つ…。やはりか…)
黒瀬は、スキルで感知能力を得ていたため、戦いながら、同時に発動していた。
予知能力も得ていたため、その先の事も想定済みだった。
そのため、戦いも予測してでの事だった。
「どこを見ている?」
「っ!!」
黒瀬は、ギリギリのところでルトの攻撃をかわした。
「まったく、埒が明かないですね」
――――ルナ・ライト・クラッシュ!!
――――ファントム・ブレード!!
黒瀬がどんどん、ルトに攻撃をしかける。
ルトは、簡単に黒瀬の攻撃をかわしていく。
――――デッド・フルフレイム!!
不意打ちに、ルトは攻撃をした。
黒瀬は、まともに攻撃を受けたと思われた。が、ガードによって、ルトの攻撃は当たっていなかった。
「あのギリギリのところで、かわしたか…」
「やれやれ、、、」
(今のをガードせず、まともにくらっていたら、怪我どころでは済まなかったでしょうね、、、)
黒瀬がひと息つこうと、息を吹いたとき、ルトが攻撃をしてきた。
「冷や汗をかいているが、大丈夫なのか?さっきの攻撃をガードするとは思わなかった」
黒瀬は、ルトの攻撃をかわしながら、
「そうですか?ただの汗でしょう」
「ポーカーフェイスをしているのも今のうちだぞ?」
「普通の顔ですよ」
黒瀬は、ニコリと笑う。
(それより、あと3人、、、。いるということは、体力をおんぞんしてないといけませんね。まぁ、全てお嬢様のためですので、魔界をぶっ壊すことは、容易いこと。魔界の上をたたけば、下のものは動けなくなる、、、。まぁ、ありがちな所ですね…。会社とどこも一緒)
ルトの連続で攻撃をかわしながら、体力を温存していた。
黒瀬は、周りのことを察知能力を転回していた。
ルトを倒してからの動き、ラビリスタたちの動きの把握を同時進行にしていた。
(挟み撃ちをされても面倒ですからね。さて、どうしたものでしょう?ん?そうです!この手がありましたか!!)
黒瀬は、ルトの攻撃をかわしながら、ある場所へと誘導しようと考えた。
そういえば、、、、、
◇ ◇ ◇
黒瀬はあることを思い出していた。
それは、旅に出る数日前の事だった。
(お嬢様をお守りするためにも、まず、自分の暗殺者のスキルや、戦い方等、有効に使わなければ、、、。レベルを上げるごとに、いろんなスキルのレベルや、技などが、たくさん覚えれるということが分かれば、もうこっちのものだ。ただ、クエストをして、レベル上げるだけではいけないのかと、、、。もう少しランクの上のクエストをして、知識、考えながら、戦うこと、、、等々、できるようにならなければ、いざ、魔界に行ったとしても、戦えない、、、。今のままでは、お嬢様だけでなく、皆様まで、守れなくなる…。どこか、もっと強くなれるような所、クエストはないだろうか、、、)
黒瀬は、一人掲示板に立って、真剣に見ていた。
すると、受付人のアナンが、黒瀬に話しかけてきた。
「あっ!黒瀬さん。こんにちは。そんなに、真剣に掲示板を見てどうされたのですか?」
「何か、もっと自分が強くなれるようなクエストがないかと思いまして…」
「そうですか…。でしたら、稽古等々、、、希望でしたら、Sランクのクエストになってしまいますが…」
「あるのですか?もう少し、詳しく教えてください」
「はい。まぁ、Sランクのクエストの大半は、『ドラゴン狩り』となります。その中でも、捕獲・撃破どちらかを選んでいただきます。それで、ドラゴンを倒したり、捕まえたりとクエストできます。ただし、上限があります。100レベル以上の冒険者しか、このクエストは参加できません」
「それは、一人でもクエストを受けることは可能ですか?」
「えっ!?えっと…。まぁそれは人数は、6人までなら可能ですが…」
「そうですか…」
黒瀬は、クスッと笑う。
それを見たアナンは、青ざめた表情で、黒瀬に聞いた。
「あ…あの…。黒瀬さん。もしかして、、、お1人で行くつもりですか?」
「そうですけど。何か?」
「いやいや…。ドラゴンって言っても、凶暴なドラゴンがたくさんいるんですよ?」
「はい。それは、分かりますよ?」
「だったら、紅葉さん達と一緒に行かれた方が…」
「大丈夫ですよ。わたくし、1人でドラゴンを倒すなり、捕まるなり致しますので、ご心配には及びません」
黒瀬は、満面の笑みでそう言うと、アナンは今までの黒瀬のこと見たため、それ以上は何も言えなかった。
「わ、分かりました。まぁ、黒瀬さんがお強く、凄い事は知っていますから…。ですが、あまり無理をせぬよう…」
「ありがとうございます」
「あと、ギルドカードを出してくださいね。レベルの確認をします」
「はい。分かりました」
黒瀬は、ギルドカードをアナンに渡した。
アナンに渡した瞬間にまたもや、アナンの顔が青ざめていた。
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*ヒジリ
*職業:暗殺者
*Lv:150
*HP:70000
*戦力:80000
*攻撃力:75000
*魔法力:65000
*防御力:65000
*回復力:55000
*命中:60000
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「な、何ですか!?これー!!あなた、化け物ですか!?」
「なんですか?まだまだでしょう?」
「いやいや、今の時点で、このレベルの冒険者はそうそういないですよ?」
「そうなのですか?わたくしのするべきことは、わたくしの主、紅葉お嬢様のために、日々、少しでも強くなろうと思っておりますので、今回のドラゴンの件は、撃破・捕獲。どちらともに致します!」
「りょ!両方って!!」
「大丈夫ですよ」
黒瀬は、アナンに顔を近づけて、
「わたくし、この命に代えてでもお嬢様のために、尽くすまでです。それに、こう見えて、わたくし、最強ですから」
黒瀬は、胸に手を当て、いつも紅葉にしているお辞儀をしながら、そう言った。
その姿は、輝いてみえた。
アナンは、黒瀬のその姿に、照れてしまう。
(そう言う執事様が、私に居たらなぁ…)
アナンが、妄想に浸っていると、
「アナン様、早速、ドラゴンを撃破・捕獲に行ってきます!」
黒瀬は一人、ドラゴン狩りに町を出た。
読んでいただきありがとうございます。
評価☆→★に、ブックマ、感想等ありましたら、お願います。
まだまだ続きますので、楽しんで読んでください(*^^*)




