40 黒瀬、本気を出す②
どんどん、黒瀬の本気を見てください。
黒瀬とパラディスの戦いが激しくなる中。
シャネルはひっそりと2人の戦いを見ていた。
(頭がおかしいんじゃないのか?あいつら、、、。あの戦いに加わりたくないし…。ただ、あの執事…『黒瀬』といったか?あいつ、、、、まだ何か隠してる…)
シャネルは、隙を見て黒瀬に攻撃をしようとしていた。
――――サイレント・ウォーム!!
――――月影刀!!
「くっ!?あっぶねぇー」
(気配を消すことが出来るのか…。まぁ、そりゃあ…奴は暗殺者だからな。気配を消すのはお得意様か)
「おしいですねー。かすめただけですか…」
黒瀬は、そう言って残念がっていたが、パラディスは違っていた。
パラディスは、祠の時の事を思い出していた。
(俺と互角だったはずなのに…。どうして…。もうあの時から、強さを隠していたってことか?このことをこいつは、予測していたってのか!?いつか、魔界に来ると分かっていて、、、)
いつ黒瀬が攻撃を仕掛けてきても、すぐ動けるようにパラディスは、ずっと黒瀬のことを見ていた。
(くそっ!!なぜ、分からなかった?あいつが、俺の強さと合わせていたというのか!?)
「お前!まだ、何か隠しているだろう?全部出してみろよ!!」
パラディスにそう言われて、黒瀬は、今までに見たことのない不気味な笑みを浮かべ、
「えっ?本気を全部、出してもよろしいのですか?そうなれば、『レギランス』の方々、皆殺しですよ?」
(顔がマジだな…。やばい奴を相手にしているのか?)
「どうなさったのかですか?」
黒瀬は、横に首を傾けて、ニコリと笑った。
「可愛くねぇよ!!」
「別に可愛さを求めていませんから。ですが…。今宵は、つまらなくて済むので、楽しくて仕方ないです。もっと、楽しみましょう」
黒瀬は、また、パラディスに攻撃をしかける。
華麗のごとく舞うように、攻撃、かわし足りしている中、黒瀬はまったく息を切らしてなかった。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
(なんで、こいつ一個も息を切らしてないんだ?こいつ、ただ者じゃない…)
「どうされたのですか?もう、お疲れなんですか?もう少し楽しみましょうよ。さっきから、わたうしの攻撃をかわしてばかりですよ?」
(いやっ…。俺がかわしているわけじゃねー。あの執事が、わざと当てないようにしているだけだ!)
「くそー!!嘗めやがってー!!」
パラディスは、黒瀬に攻撃をしかけた。
――――デモクラッシュ・フルフレイム!!
「そんなものではわたくしを倒そうとするのは、些かどうかと思いますが…。まぁ、わたくしが、あなた達をぶっ倒すまでですので」
黒瀬は、パラディスの攻撃をヒラリとかわしながら、そう言うと、パラディスに攻撃をまたしかける。
それから、黒瀬の攻撃は続く。
パラディスは、攻撃をよけることに精一杯だった。
「はぁ、はぁ…。くそっ!攻撃の隙がねぇ…」
(シャネル姉さん、ちゃんと、あの執事を狙っているのか?)
パラディスは、ボロボロになりながらも黒瀬の攻撃をよけていたが、油断をしてしまった。
「うわっ!!」
黒瀬の攻撃をかわし損ない、攻撃の風圧に飛ばされてしまった。
「うぅ…。」
「もらいましたね」
横たわっているパラディスに黒瀬が攻撃をしようとした時、
――――キン!!
「おやっ。ルト様ではございませんか」
「ル、ルト…」
ルトが、黒瀬の攻撃を防いでいた。
「騒々しいと思ってきてみれば、こういう事だったのか…。執事、どこから魔界に入ってきたんだ?」
「いやー。ぽっかりと空間が開いていましたので、入ってみるとここだったのですよー」
「えらいさっくりと」
「そういうことだったのか」
「ルトは、なんでそれで分かったんだ?」
「あなたとも戦ってみたかったのですよ。興味深かったものですから…。あなたの魔力は微妙な変な魔力を感じたのですよ。大きくもなければ小さくもない…」
「…っ」
「ルト様、その微妙な魔力…。ラビリスタ様をお守するために、その力を…。いえ…。この『レギランス』のギルドの皆様をお守するためのお力だったのですね。ここに、来てそれがようやく分かりました」
「何の話だ?」
「フン。とばけても無駄ですよ?わたくしには、全部お見通しですから」
黒瀬はそう言うと、ニコリと笑った。
その笑った顔が、ルトには違和感を感じた。
(全部分かっている…だと?俺がかつて、ラビリスタ、、、いやっ、ラビリスタ様のお仕えしていたことが!?)
ルトの顔は、少し戸惑いが見られた。
黒瀬は、それを見逃さなかった。
(やはり、この『レギランス』の組織…。訳アリですね…。少々、ホコリを叩いてみましょうか…。叩けば叩くほど、ボロが出ますからね。ただ、このルト様が一番口が固いのでは?)
黒瀬とルトは、睨み合い、お互いに攻撃する隙をうかがっていた。
ルトは、横たわるパラディスを見て、近くにいるシャネルに言った。
「シャネル、パラディスを手当していてくれ」
「わ、分かったわ」
――――フローラル・ヒール!!
「まだまだ、レギランスの方々がいらっしゃるのでしょう?」
「…」
「そうですねぇ…。四天王は、さぞかしお強いのでしょう。ですが、わたくしは、あ嬢様のためには、どんな無茶をしてでもお守りしながら、四天王倒すでしょう…。今のお嬢様のお力、わたくしの力では想定無理だと思いますが…。ですが、ルト様、レギランスの皆様は、お強いのでしょう?それぞれの戦い方はあります。復讐心もあるでしょう…。それは、ぶつけてもよろしいです。しかしながら、確認しただけざっと5名では、厳しいでしょう。どんなことが待ち受けているのか分かりません。だから、わたくしと賭けをするのは…」
「賭けだと?」
「はい。わたくしが勝てば、わたくし達と一緒に戦ってくださったらと思います。当然、目的はわたくし達と一緒でしょうから」
ルトの顔が曇る。
「あなたが負けたら?」
「それは、、、」
黒瀬は、自分の胸に手を当て、
「わたくしの命をちょうだいするということは?」
「なっ!?」
「あなたは、それでいいのか?」
「死が怖くて何が執事なんでしょう…。自分の命よりも、お仕えする我が主の命の心配でしょう?」
黒瀬は、ニコリと笑う。
その笑顔は、今まで見せてきた笑みとは違っていた。
本気で紅葉のことを思う黒瀬の笑顔だった。
「フフ…。あなたは、主を大切に思っているのだな…。俺も一緒だ。大切なものを守るのは…」
「決まりですね」
「執事、後悔はするなよ?」
「いつでも覚悟できていますから」
黒瀬とルトの二人の戦いが始まった。
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