38 黒瀬、魔界に行く
森の中にメレストロ、ラグールは、入って行った。
森の奥深く―――。
すると、メレストロ、ラグールは、止まり、一点を睨んで行った。
「やぁ、ラビリスタ。元気にしていたかい?お兄さんは…。元気にしているだろうか?」
「フン。お前らなら分かっているだろう?お前らが、殺したも同然!父を殺した!」
「神族と、魔界が喧嘩していた。あれだと、異世界は滅んでいた」
「だからと言って、父を殺すのはおかしいだろう?」
「全く、本当に人の話を聞かない奴だな…。だから、魔族は嫌いなんだ!」
メレストロは、ラビリスタを睨みつけた。
「…っ!喧嘩を阻止をしようとして、わざとあの攻撃を放ったんだろう?そして、お前らが天使と魔族の喧嘩を止めたという事にして」
「何をとぼけた事を言っているんだ?」
「神族、私達のゼウス様の雷が落ちたんだ。それをまともに受けた魔王が悪い」
「父を侮辱すると言うのか!?」
ラビリスタは、メレストロ、ラグールに攻撃を仕掛けた。
2人は、ラビリスタの攻撃を、簡単にかわす。
「全く、話をすれば少しは分かってくれるだろうと思ったのになぁ…」
メレストロ、ラグールは、ヒラリとかわしていく。
「俺をなめるなよ?」
―――――デッド・ムーン・ダークネス!!
―――――ダークネス・クラッシュ!!
ラビリスタは、連続で攻撃を放っていた。
だが、2人には通用しなかった。
「ちゃんと、人の話を聞いてくれないだろうか?」
メレストロは、ラビリスタの攻撃をかわし、目の前に現れた。
「なっ!?」
「無駄だよ?私達に、勝とうとしているのかい?君は、私達を嘗めてる」
「何百年前より、だんとつ強くなっているし、ラビリスタが、私を狙って現われるのも知っている」
「なんだと?じゃあ、全部、計算されていたのか?」
「ああ」
「今度こそ、平和を取り戻すためさ。争い事はもうまっぴらだ」
―――――サーン・ミリオンシャワー!!
メレストロは、魔法をラビリストのまじかで放ち、ラビリスタは遠くに飛んで行った。
おいうちをかけるように、ラグールも攻撃をした。
―――――サターン・ハーネス・スクリーム!!
2回もまともに受けたラビリスタは、ボロボロになっていた。
「くそっ!!この2人を甘く見ていたか…」
「フフフ…。アハハハハハ…。いい気味だ!威勢のいいことを言っていたのに、このざまでは、お兄さんに勝つことはできないよ?それから、ギルド【モミジ】の腹黒執事には勝てまい。イヒヒ…」
「メレストロ…。笑い方…(汗)」
ラグールが、引いていると、
「誰が、腹黒ですか?」
木陰から、黒瀬が凄い顔で出てきた。
「あれ?黒瀬。いつの間に…」
「最初から、いたよな?」
「はい。最初から」
「えっ!?まじ?」
「はい!」
「ああ」
「全部、聞いてましたよ?なので、後から、詳しい事を教えてくださいね」
黒瀬は、そう言うと不気味な笑みを浮かばせていた。
「ほら、メレストロ、黒瀬を怒らせたぞ!」
「あれ…。怒っているのか?」
「わたくしは、怒っていませんよ?」
3人で話していると、今にも噴火しそうな顔をしているラビリスタがいた。
「俺を置いていないか?」
「置いていませんよ?ただ、紅葉お嬢様のお友達でいらっしゃいます。ユーネリア様をお返しください。レギランスの皆様の目的は一体何でしょうか?あと、やっと上の方が出てきてくださって、わたくし、感激でございます!」
黒瀬は、満面の笑みでそう言った。
あまり、1人でラビリスタが、出て行くことはなかった。
「話ができるというのは、嬉しゅうございます。話し合いをすれば、もし、目的が一緒ならば、わたしく達も、協力ができるかと思いますが…」
「そんなこと、信じることなんかできるものか!?」
「そんな怒ることはないかと思いますし、わたくし達は、どうしたら、魔王を倒して、平和な日常が遅れるようになるのか、ただそれだけでございます」
黒瀬は、ラビリスタにそう言って、何度も説得をしたが、ラビリスタは聞く耳も持たなかった。
「俺に、指図するな!誰も信用するもんか!?俺は、兄を殺すことだ!!それだけなんだ…」
「残念ですねー…。でもまぁ、いつでもいいですよ?信じてもらえるように、わたくし達も動きます。ラビリスタ様でしたね?以後、お見知りおきを。『信じよう』と少しでも思っているのなら、いつでもいいのでお申し出ください。待っていますよ」
黒瀬は、そう言うとニコリと笑った。
それを見たラビリスタは、
(変な笑い方をする奴だ…。こいつが、パラディスが言っていた男か…?)
「あっ!言い忘れていましたが…。もし、わたくし達と、やり合うことになるのでしたら、パラディス様に言っておいてくださいませ」
ニコリと笑いながら言っていた黒瀬の顔が、怖い顔へと変わった。
「今度は、ぶっ殺しますよ?と…」
「っ!?」
(な、なんだ…。この威圧感は…)
「ほう…。黒瀬が怒っているのかい?」
「見てわかるだろ?あの、威圧感には、勝てれんよ…(汗)」
「あまり、怒らせないように気をつけないとねー」
ラビリスタは、メレストロ、ラグールを消そうとしていた。
今後、邪魔されるに違いないと思ったからだ。
何百年前の事を思うと、そう思ったからである。
「俺の邪魔をするんじゃない!そいつらを消さないと、魔王を倒せれない!」
「どういうことですか?」
「こいつらのせいで、父とゼウスが喧嘩し、魔界はほぼ壊滅状態だった!俺は、、、1人ぼっち。兄も殺され、転生し、新たに魔王として生まれ変わった…。でも、兄から俺の記憶は消されていた。ハメにされたんだ!父には俺の事なんて…」
「それは、ないと思いますよ?」
「なぜそんなことが言える?」
「わたくし事ですが…。職に就いたときは、ある人のお傍に居るだけのお仕事でございました。その方は、小さい子供ながら、目から光を失くして、いつも1人でございました。なかなか、心を開かない。何をしても楽しそうではありませんでした…」
「それって…」
「まぁ、最後までお聞きください。あることがきっかけでその方のお傍にもっといようと思いました。それは、小さな子猫を拾ってきたときの事です。1人と1匹。誰よりも、その寂しさは分かっていたのでしょう。今まで、あまり話したりはしてはいませんでした。必死になって、わたくしを説得し、許しをしたときは、満面の笑みで喜んでくださいました。あの笑顔は、今でも忘れてはいません…」
「黒瀬の顔が、、、ニヤついてないか?」
「まぁまぁ、黙っておこう…」
2人は微妙にニヤついている黒瀬を見て、笑いをこらえていた。
黒瀬は、その事を思い出しながら、少しニヤつきながらも、説得していた。
「知るか!?そんなもの!邪魔が入ったから、帰る」
「ちょっとお待ちくださいませ!ユーネリア様をお返しください!」
「返してほしくば、魔界に来ればいい!」
「分かりました!」
その言葉に、皆、目が点になっていた。
「えっ!?」
「メレストロ様、ラグール様、少々魔界へ行って参りますので、お嬢様にお伝えください。『すぐ、帰って来ます!』と」
「わ、分かった…」
「何を言っているんだ?そんなことできるわけないだろう?また、お前らを殺しに来る!」
ラジリスタが、魔界へと通じる通路開いた。
見る見るうちに消えて行った。
「フン。あの執事が来れるわけないだろう…」
ラジリスタは、自分達のアジトへと帰ろうとした時、
「なるほど。ここが、魔界ですか?これは、興味深いですね~」
ラジリスタの後ろには、いつの間にかついてきた黒瀬がいた。
「なっ!?なんでお前がいるんだ?」
「えっ?先程、ラジリスタ様が言ったのですよ?来てみろと。だから、ついてきちゃいました」
「てへぺろみたいに言うな!全然可愛くないし」
「そんな冷たい事を言わないでくださいよー。魔界を案内してください」
「旅行に来たのか!!」
黒瀬が、辺りをキョロキョロ見ていた。
ラジリスタは、黒瀬をほっといてアジトへと帰って行った。
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