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うちのドS執事は異世界でも超最強  作者: 真皓 心
第2章
31/79

30 2体の魔獣③

クロナの秘密が少しずつ分かっていきます。

 ウェザーウルフに刺され、負傷を負ったクロナを連れ、紅葉達は洞窟の外に出ていた。

クロナの処置を、紅葉は行っていた。


「お嬢様。クロナ様は、不死身ですから、ある程度の処置をしたら、大抵、大丈夫ですよ?」

「でも!それでも、万が一の事があったら?」

「お嬢様…」

「紅葉…」


 紅葉は、傷を負っているクロナを見て、涙が溢れていた。


(不死身だとしても…。本当に生き返るの?)


そう思いながら、泣いていた。


◇ ◇ ◇


 クロナは、

暗闇の中を落ちているのか、

浮いているのか、

分からないくらいの中、目を覚ました。


「ここは…。真っ暗な所…。でも…真っ暗でも、少し落ち着く…。どうしてだろう…」


 また、目を閉じる。

 すると、クロナを呼ぶ声が聞こえてきた。


「…さま?ねえ…さま…。」

「誰…。わたくしを呼ぶのは…。この声はもしかして…。いや…。そんなわけない…。あの子のはずは…ないですわ…」


 そうクロナは、自分に言い聞かせていた。

だが、次の瞬間、


「姉様!」


 はっきりと声が聞こえた。

クロナは、目を開けてみると、目の前には、亡くなったはずの妹、【シロナ】がそこにいた。


「し…シ…ロ…ナ?」

「姉様…」


 シロナは、クロナに微笑んでいた。

それを見たクロナは、目に涙を浮かべていた。


「姉様…。私の力を使ってほしいの」

「でも…そんなこと…」

「大丈夫よ?私が姉様の中に入れば、一緒に居れる…。私は、いつも傍にいるよ…。姉様の心の中に…」

「シロナ…」


 シロナは、クロナの中に入って行くように、重なっていった。

そして、クロナはシロナの力を得た。


「姉様、皆さんが待っているよ?行ってあげないと…」

「シロナ…」

「ちゃんと見守っているからね…」


クロナは、胸に手を当て目を閉じ、


(見てて…シロナ)


 そう思い目を開けると、光が差し込んだ。

クロナに、まぶしいくらいに包まれていた。

クロナは、その光に手を伸ばした。


◇ ◇ ◇


 クロナは、ハッと目を覚ました。

それに、紅葉はびっくりしていた。


「本当に…クロナなの?」

「わたくし…。生きてる…」

「不死身の身体をしていると言っても、結構、深くまで刺されていると、無理がありますね…」

「皆様…。あり…がとう…ございます」


 クロナの目からは涙が溢れていた。

黒瀬は、クロナをジッと見ていた。

クロナの、ただいもない力の気配を1人、感じていたのだった。


「もう1度、倒しに行きましょう!!」

「そうだな。1度戦えば、ある程度の事は、分かったからね」

「よし!では、皆行こう」

「では、作戦は洞窟に進みながら、立てると致しましょうか」

「そうだな」


 紅葉達は、また、再度洞窟の中に、入って行った。





 紅葉達は、洞窟を進んでいた。

そして、サラの精霊、ケストを呼び、ウェザーウルフがどこにいるのか、どっちの洞窟にいるのか、を嗅いで調べていた。

ケストは、ワン!と吠え、紅葉達は、吠えた方向へと進んで行く。

 

 先程、戦っていた場所に!紅葉達は来ていた。


「お嬢様お気をつけください!どこかにいますよ!」


 紅葉達は、1つにかたまり、辺りを見渡した。

すると、ケストが上を向いてワン!と吠えた。

紅葉達が、上を向いた瞬間、ウェザーウルフが、地面に叩きつけるように、攻撃をしてきた。

紅葉達は、散らばり、紅葉は、黒瀬達の攻撃力を上げる呪文を唱えた。


――――アーゲル・フィールド!!


 サラも精霊を呼び起こした。

皆が、攻撃の体制に入るために、散らばっていく。



 洞窟に入った時に、立てた作戦はこうだ。

まず、紅葉の魔法で攻撃力を上げ、サラに精霊を出してもらって、攻撃をしつつ、ダメージを与えていく。

ロザは、岩場の上からウェザーウルフの動きを見て、下の者に伝える。

もし、気づかれたらいけないため、守りをサラの精霊で守らせる。

いざとなれば、逃げれるように。

ラーガは、ウェザーウルフを引き付けておく役。

ラーガに攻撃をしている時に、黒瀬とクロナが、同時に攻撃をしていく。

という作戦だ。


「だが、ウェザーウルフは、私達の攻撃をコピーできるんだろう?」

「そうですね…。それ以上にわたくしたちが、スピードをあげたら良いのでは?」

「そんな…簡単な事を平気で言う…」

「ですが、今のクロナ様には可能かと…」


 そう言うと、黒瀬はクロナの方を見た。

クロナは、少し表情が曇っているように見えた。

紅葉は、一体、どういうことなんだろう思っていたが、さほど気にはしてなかった。

そして、その戦いがやってきた。



 作戦通り、ロザは全体がよく見える岩の上へと行く。

ラーガは、いつでも守りに入れるように武器を構える。

黒瀬は、暗殺者アサシン、特有のスキル。


―――サイレント・ウォーム!!


 スキルを発動した。

クロナは、少し目を閉じ、妹・シロナに問いかけた。


〈シロナ…。わたくしに力を貸して!〉


 そう思った時、クロナとシロナが合わさった。

クロナの目には、右目が赤く、左目が青く光っていた。

それを見た皆は、驚いていた。


「何あれ…」

「目の色が、左右とも違う…」

「やはり、そうでしたか…」


 黒瀬は、1人その理由が、なんとなく分かっていた。


(あの時ですね…。違和感を覚えたのは、この事だったのですね)


 クロナは、先程戦った動きとは、全く比べ物にならないくらい素早さが、確実に上がっていた。


「な…に?あの動き…。さっきとは、全然違うじゃんか!!」

「凄い…。一体、クロナの中で、何が起こったんだ?」


 紅葉達が、唖然としていると、黒瀬がウェザーウルフの攻撃をかわしながら、


「クロナ様の凄さを今、お伝えしたいのですが…。こちらが、精一杯でございますから。一段落、つきましたら、改めてご説明をしたいと思います。まずは、このウェザーウルフを倒すことに、専念致しましょう」

「分かったわ…」


 紅葉達は、ウェザーウルフに、攻撃をしていた。


「もう!ちょこまかと―――!!」


――――バインド・フィールド!!


 ウェザーウルフは、紅葉が張った魔法に、引っかかった。


「かかった!皆、今よ!」


 紅葉達は、一斉に、ウェザーウルフに攻撃を放つ。


―――ガルル!!


 砂煙からウェザーウルフが現われた。


「あれでもダメなのか…」

「クソッ!!命中したはずだ!?」

「もう少し、ダメージを与えなければ、倒れないということなのでしょう。それか、弱点がどこかに、あるはずです!」

「それを、探してみるか…。よし!もう1度、私がお取りになる!」

「分かりました。ロザ様は、ラーガ様の援護をお願いします!」

「りょー」

「サラ様は、引き続き、ロザ様の守りをお願いします!これを続けていけば、ウェザーウルフも倒せるはずです!!」


 紅葉達は、また再度攻撃を始めた。


――――アサシンズ・ライト!!


――――デッド・ムーン・クラッシュ!!


――――クリスタル・ブリザード!!


 ウェザーウルフは、紅葉が放った氷魔法で、氷漬けになった。

その時、黒瀬は気づいた。


(あそこは…!?)

「皆様、ウェザーウルフの弱点が分かりました!羽です!!」

「羽か!了解した!」


 紅葉達は、今度こそ皆で一斉に攻撃をした。

ウェザーウルフに命中した。


「やったか?」


 ウェザーウルフは、混乱していた。


「混乱している!今、攻撃すれば!」


 紅葉達が、攻撃をしようとした時、紅葉の背後に気配を感じた。


「…っ!?」

「お嬢様!!」


 黒瀬は、とっさにスキルを発動し、紅葉の元へと向かった。


「お嬢様、すみません!」


 黒瀬は、一言そう言うと、紅葉のローブのフードをつかんだ。

後ろに思いっきり引っ張り、黒瀬の元に寄せた。

いつものように、お姫様抱っこをした。

その場を急いで離れた。


「びっくりしたーー!!やられると思ったわ」

「お嬢様、すみません…。フードを引っ張ってしまい…」

「えっ?いやっ、いいのよ?お陰様で、助かったしね…」

(なんか…。リードを引っ張れた犬の気持ちが、あれで、よく分かった気がするわ…)

「2人とも大丈夫かい?」

「はい。大丈夫ですよ?」

「ウェザーウルフが、もう1体現われるとは…」

「でも、弱点一緒です!」

「なんとかなるっしょ!?」


 紅葉達はまた、攻撃を仕掛けた。

また、紅葉は念入りに、攻撃力をあげる魔法をかけた。


―――アーゲル・フィールド!!


 黒瀬達の攻撃力は、格段に上がった。


「攻撃力がめっちゃ上がった!?」

「どうして、多分、レベルが上がっていったのでしょう。先程、倒したハギスが、恐らくレア物だったのでしょうねー」


 黒瀬は、もう1体のウェザーウルフの攻撃をヒラリヒラリとかわしていく。

クロナも黒瀬と同じようにかわしていた。


(強い相手こそ、燃えますわ!!)


 クロナのオーラが一気に強くなった。

黒瀬はそれを見て、


(ほう…。これは面白いですねー)


 ニヤリと、不気味な笑みを浮かばせていた。

クロナが攻撃を仕掛けると、同時に、黒瀬もクロナに合わせるように、攻撃を仕掛けた。

2人の動きは、また、素早さが上がっていた。

ヒラリと舞うように、ウェザーウルフに攻撃をしていた。

それを、紅葉達はびっくりして見ていた。


「あの2人の動き…。速い…」

「クロナの動きに、黒瀬が合わせているんだ…」

「ちょっと、皆?だからと言って、手を休めちゃあいけないわ!!」

「そうだな。私達も攻撃を!」


 紅葉達も、黒瀬とクロナに、負けないくらいに攻撃をしていた。

だんだんと、ウェザーウルフも弱ってきた。


―――バインド・ストライク!!


 ラーガは、2体に痺れの攻撃をし、ウェザーウルフは痺れ、動けなくなっていた。


「よしっ!!入った!皆、今だ!!」


 紅葉達は、またもう1度、攻撃を放った。

ウェーザーウルフに、見事に命中。


―――ガルルルル!!


―――ドサッ!


 2体ともその場に倒れた。

紅葉達は、心の底から喜んだ。

だが、クロナは完治はしたものの、力の使い過ぎでフラフラになっていた。

紅葉は、クロナに話しかけようとした時、クロナが倒れてきて、とっさに抱きかかえた。


「クロナ!?」


慌てている紅葉を黒瀬が見て、


「大丈夫ですよ?お嬢様。ほら、見てください」


 そう言うと、紅葉はクロナの顔を見た。

クロナは、スースーと寝息をたてていた。


「寝て…る?」

「まぁ、皆、頑張ったんだし、体力も魔法もすっからかんだから、無理もないよ」

「クロナは、病み上がりだからね…」

「僕の銃も弾切れになるし…。危なかったよ…」

「でも、皆無事でよかった…」

「うん。そうだな」

「さて、皆様」


 黒瀬は、ポンと手を鳴らし、


「町に帰りましょうか」


 黒瀬がそう言ってニコリと微笑むと、紅葉達も笑って洞窟を出て行った。

クロナは、ピーロンが抱えていた。


「なぜ、私がクロナさんを?」

「わたくしは、お嬢様しか触れてはいけませんので…」

「意味分からないし…」

(多分…、襲われるのが黒瀬には目に見えているのでは…?)


と、セラティナ達は思った。

読んでいただきありがとうございます(_ _)

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また、誤字・脱字等あればお願いします。

まだまだ、続きます!

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