29 2体の魔獣②
紅葉達は、【ヴェリタス】国の外れにある洞窟で、魔獣、二角獣のハギスに出くわす。
ハギスを追い込んだ矢先にもう1体の魔獣、ウェザーウルフによって、クロナは攻撃を受けた。
クロナは、口から血を吐いていた。
壁に叩きつけられていたが、自力で抜け出した。
スタッと地上に降り、
「まったく、痛いですわね!」
「また、上手にスムーズに出てこれましたね」
「それは、毎日毎日、聖様がわたくしに向けて、壁にめり込ませているからでしょ?」
「そうですかねー」
「ねぇ、お2人さん?それより、どうするのさ…。この状況…」
紅葉が聞くと、黒瀬はニコッと微笑み、
「倒しますよ?皆様!」
黒瀬は、そういうとウェザーウルフに突っ込んでいった。
「ウェザーウルフは、まだ特性が分かっていませんからね…。調べる価値がありそうですね」
黒瀬は、ウェザーウルフの攻撃をかわしながら、考え事をしていた。
「ここは、二手に分かれるしかありませんね…」
「でも、どうするの?」
「そうですね…。生憎、ハギスはもう体力の限界かと思われますが、最後に何か仕掛けてくるに違いないですね」
「じゃあ、どうするのよ?」
「どちらも、素早いですからね…。どっちもどっちと言ったところでしょうかね」
「じゃあ、僕はハギスの方を倒すよ」
「では、私もハギスで」
ロザ、ラーガ、クロナは、ハギスに。
紅葉、黒瀬、サラはウェザーウルフに、二手に分かれて戦うことになった。
「あれ?ピーロン?」
紅葉は、ピーロンを探して、辺りを見渡すと、岩場に隠れているピーロンがいた。
「ピーロンは、戦わないの?」
「怖いですもん!避けるのにやっとですから!」
「ピーロンって、案内人だから戦わないでしょ?」
「それもそうだ…」
「さ・て・と!」
紅葉達は、再度気合を入れ、武器を構えた。
「行きますか!!」
紅葉達は、一斉にそれぞれの魔獣に立ち向かって行った。
「っ!?」
「…あっぶ!!」
ロザは、ハギスの攻撃を避けながら、攻撃するタイミング見計らっていたが、ハギスの動きは、さっきよりも早くなっている。
「クソっ!こいつ、さっきよりも動きが早くなっている!!」
「これは、やばいなぁ…」
2人は、ハギスの攻撃に避けるのに精一杯だった。
クロナの攻撃力が、さらに上がっていた。
クロナは、ハギスに攻撃を続けている。
ハギスの早さにもついていっていた。
「あのクロナが、ハギスと互角に戦っている…」
「速さに…ついていけているというのか…?」
ラーガとロザが驚いていた。
「フフフ…。楽しいです!もっともっと、楽しみましょう!!」
ハギスの攻撃をギリギリでかわしている。
ハギスは、クロナのとてつもないオーラが見えているのか、少し後ろに下がった。
それを見たクロナんお顔は曇り、ハギスの後ろをついて、
「なんで逃げようとするのですか?」
ハギスは、後ろに蹴りをしたが、もうそこにはクロナの姿はなかった。
一瞬にして、上に飛んでいたのだ。
(あぁ…これで、楽しい時間も終わりますね…)
――――デッド・ムーン、、、クラッシュッ!!!
一撃でハギスを倒した。
「凄い一撃…」
「私達…、いらなかった?」
ラーガとロザは、倒されたハギスを見ていた。
◇
◇
◇
紅葉達は、ウェザーウルフの攻撃を必死になって避けていた。
「もうっ!早すぎだっつーの!!」
「お嬢様、もたもたしてないで、早く放ってくださいよ?」
「うるさいわね!!動きが早くて、狙いが定まらないのよ!」
紅葉は、歯を喰いしばって攻撃の体制に入っていたが、ウェザーウルフの速さに、てこずっていた。
「お嬢様、わたくしがその攻撃を撃ちますから、ご心配しなくとも大丈夫ですよ?」
「で、でも!!」
「大丈夫ですよ」
黒瀬はそう言い、ニコリと紅葉に向けて微笑んだ。
その表情をみた紅葉は、攻撃を放った。
「ダメッ!?避けられる!」
黒瀬は、攻撃を放ったところに一瞬にきて、撃った。
ウェザーウルフは、この攻撃を避けたが、黒瀬の一撃があたる。
――――月影刀!!
――――ガルルル!
ウェザーウルフは、地面に叩きつけられた。
すぐにウェザーウルフは、起き上がり、紅葉達に攻撃を仕掛けてきた。
攻撃をかわしていたが、紅葉の目の前に、ウェザーウルフが爪で攻撃をしてきた時、黒瀬は紅葉をかばった。
「…っ!?」
「黒瀬!」
「大丈夫です。あの魔獣…。わたくし達の動きを、真似ているみたいですね…」
「厄介な相手ね…」
黒瀬の左腕に、引っかき傷を負った。
2人でウェザーウルフを見ていると、サラが心配になってやってきた。
「2人とも大丈夫?」
「黒瀬が!」
「こんなのかすり傷ですよ」
3人で、どうするか考えていると、ハギスを倒したクロナ達が来た。
「どうだ?」
「あのウルフ、なかなかめんどい性質をもっているようですね…」
「クロナ様には分かりますか?」
「今の状態なら、分かりますわ」
「さて、どう戦うか…」
紅葉達が悩んでいると、ウェザーウルフは紅葉達を、睨みつけていた。
だが、死んでいるハギスを見て、そこに走って行った。
「…つ!?」
「あいつ!まさか!?」
ウェザーウルフは、ハギスをムシャムシャと食べた。
「あ…あいつ、あのハギスを食べている…」
「これはまずいですね…。ハギスを食べて、力を得たようですね」
「それは見たらわかる」
ウェザーウルフは、ハギスを食べ終わった後、体中が電撃に覆われた。
「ハギスの技を食べることによって、力が使えるようになったのですね…。もともとの、ウェザーウルフの技とハギスの技…ですか」
黒瀬は作戦を考えていた。
「技が合わさっというなら、非常に面倒ですが、サラ様の精霊に、『地の精霊』がいましたでしょ?あれと、『炎の精霊』を合わせて、最終的に焼き尽くしたらいいのでは?」
「また焼き肉か?」
と、皆で策を練っていると、いつの間にか、クロナがウェザーウルフに突っ込んで行っていた。
「クロナ!待って!!」
紅葉のその言葉に、手が止まる。
すると、ウェザーウルフはクロナを攻撃した。
「うぐっ!」
クロナは、吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
「まったく、クロナ様はせっかちなお方ですねー」
「このっ!」
紅葉は、ウェザーウルフに攻撃を放った。
「では、サラ様お願い致します!!」
ーーーーー我が主の名の元に現われよ!
地の精霊、グノーム!!
炎の精霊、サラマンダー!!
それぞれの精霊が、魔法陣から出て来た。
サラは、精霊にそれぞれに指示を出す。
「サラマンダー、合図したらあのウェザーウルフに攻撃を!」
「グノームは、地中に潜ってて!」
「では、準備が出来ましたか?」
「よし!行くよ!!」
紅葉達は、散らばった。
ロザは、岩場をピョンピョンと飛んでいき、ウェザーウルフの上で、弾丸を十何発も撃った。
ロザの撃った弾丸は、全部かわされた。
「この僕の早撃ちを一瞬で、避けるとは…!」
ウェザーウルフは、ロザの目の前にきた。
それをラーガが守りに入る。
ーーーーー鋼の盾!!
「ラーガ!」
「…!?大丈夫だ。ただ、あの魔獣だんだんと威力が上がっているように思う…」
ロザとラーガが話していると、ウェザーウルフは突進してきた。
「まじかよ!?」
「ロザは、私の後ろに!!」
ラーガが、守りの体制に入った時に攻撃を受け、2人は飛ばされた。
「ロザ、ラーガ!?」
「お嬢様来ますよ!!」
「っ!?」
黒瀬は、紅葉を抱き、その場を避けていく。
「黒瀬!大丈夫?」
「お嬢様に何かあるときは、わたくしが死ぬときですから」
紅葉に向かって、黒瀬は微笑んだ。
ウェザーウルフは、紅葉と黒瀬に攻撃をかけてくる。
サラは、それを見てサラマンダーに、
「サラマンダー!2人を助けて!」
サラマンダーは、2人の元に飛んで行った。
サラマンダーの攻撃をウェザーウルフは、かわしていく。
その間に、黒瀬は紅葉をロザとラーガの元に連れて行った。
2人は、少し傷を負っていた。
「お嬢様は、2人の回復をしてください」
「分かったわ」
「ロザ様、ラーガ様。大丈夫ですか?」
「…っ。これくらいどうって事ない…」
「大丈夫だ…」
「今、回復の魔法を!」
紅葉が2人を回復している間、黒瀬はウェザーウルフに攻撃を仕掛けて行った。
黒瀬とウェザーウルフは、互角に戦っている。
「まったく…。この狼様は、わたくしの技だけでなく、皆様の技をコピーしましたね?」
(ほんとっ!憎たらしいですね)
黒瀬は少し苛立ちもあり、ニヤリと不気味な笑みを浮かべた。
クロナもウェザーウルフに攻撃を仕掛けたが、すぐに阻止された。
「…っ!?」
「クロナ様!!後ろに、飛んでください!!」
(どうして後ろに…!?)
クロナが黒瀬の言われた通りに、後ろに飛ぼうとした時、
―――グサッ!
「…ヴグッ!!」
「クロナ様!!」
「…っ!?」
クロナの腹部に、ウェザーウルフの鋭い爪が刺さり、クロナを祓うように離した。
それを見ていた黒瀬は、急いでクロナを受け止めた。
「クロナ様?」
クロナは苦しそうに、
「少し…深くに刺さったみたいですね…。これは、治すのに…時間が…うっ…」
「今は、喋らない方がよろしいですよ?」
「不死身でも…こうなった時が1番…苦痛ですわ…」
クロナは、気を失った。
「クロナ?」
「死んだか?」
「いいえ。多分、今、体が傷の所を回復しているでしょう…」
「どっちにしろ、ここは一旦、引くしかない!」
「そうですね…。きついものがありますから。一旦、引きましょう…」
黒瀬がそう言うと、
―――アサシンズ・ライト!
まぶしい光を放った。
それに、ウェザーウルフは混乱した。
その隙に紅葉達は、洞窟を後にした。
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