28 2体の魔獣①
久しぶりに紅葉達のレベルを書いてみました。
紅葉達は、【ヴェリタス】国の少し離れた所に洞窟があり、その中に魔獣が2体いると、ヴェリタスの王女、【リスターヌ】の命により、訪れていた。
「洞窟って、ほんとっ!やだ!暗いから!!」
「だから、お嬢様を先頭にしていっているのでしょ?この中では、お嬢様しか明かりをつける方がいないのですから…」
「い、いえ…。あたしも…」
サラが言おうとすると、ピーロンがシーッと言って、小さい声で、
「少し、紅葉様の気を上げておかなければなりませんから、聖さんはわざと言っているのですよ」
「な、なるほど…。これは色んな意味で、面倒くさい…」
「いろいろと苦労しているのですよ…」
ピーロンは、静かにため息をした。
―――――――ルミネス!
紅葉は明かりをつけるために呪文を唱え、ブツブツ言いながら、洞窟の奥へと進んでいった。
「そう言えば、お嬢様。いつの間に、新しい呪文を覚えたのですか?」
「えっ…と…。確か…。クエストをやりまくってる頃に、取得したような…」
「あっ!今更ながら、ギルドカードを最近、まったく見てないですね」
「気にもしてなかったわ」
「忙しすぎてか?」
「それがあったことすら、忘れてる…」
「な、なんと!?」
「わたくしは、少しずつ確認していましたよ?」
と言い、黒瀬がギルドカードを紅葉達に見せた。
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クレハ
✳職業:白魔導士
✳Lv.80
✳HP:30000
✳戦闘力:30000
✳攻撃力:30000
✳魔法力:40000
✳防御力:35000
✳回復力:35500
✳命中力:30000
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ヒジリ
✳職業:暗殺者
✳Lv.95
✳HP:40000
✳戦闘力:60000
✳攻撃力:55000
✳魔法力:30000
✳防御力:55000
✳回復力:25000
✳命中力:30000
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セラティナ
✳職業:弓使い(アーチャー)
✳Lv.80
✳HP:30000
✳戦闘力:35000
✳攻撃力:45000
✳魔法力:25000
✳防御力:25000
✳回復力:23000
✳命中力:25000
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ラーガ・クレネーゼ
✳職業:聖騎士
✳Lv.85
✳HP:40000
✳戦闘力:45000
✳攻撃力:50000
✳魔法力:45000
✳防御力:50000
✳回復力:40000
✳命中力:45000
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ロザ
✳職業:射手
✳Lv.83
✳HP:35500
✳戦闘力:40000
✳攻撃力:35000
✳魔法力:20000
✳防御力:25000
✳回復力:25000
✳命中力:30000
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クロナ
✳種族:魔族(不)
✳Lv.79
✳HP:30000
✳戦闘力:35000
✳攻撃力:40000
✳魔法力:25000
✳防御力:30000
✳回復力:20000
✳命中力:20000
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サラ
✳職業:精霊使い(シャーマン)
✳Lv.84
✳HP:35500
✳戦闘力:25000
✳攻撃力:30000
✳魔法力:35000
✳防御力:25000
✳回復力:25000
✳命中力:20000
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ついでに、皆のギルドカードを見ると、こんな感じになる。
種族や職業によって、力も違いがあるみたいだ。
「クロナは、職業は登録してないのか?」
「わたくしは、職業ではなく種族で、登録してきましたので、なんでもいけますわ!」
「それありなのか?」
「したい人はしているでしょうねー」
「なるほど!」
紅葉は、うなづいて言った。
「お嬢様?もうこんなにもレベルが上がっていたのですね」
「だって、敵に備えて、戦ってきたわよ?」
「私達もそうだ!いつまでも、黒瀬に任しているわけにはいかないからなぁ」
「それは、嬉しく思いますね。ありがとうございます」
「ピーロンは?」
「私は、ただの案内役ですから、関係ないのでございますよ」
(私もいざとなれば…)
ピーロンは、心の中でクスッと笑った。
紅葉達が、洞窟の奥までやってきた。
すると、二手に分かれていた。
サラが、鼻が利く精霊を出した。
「あれ?サラ…。その精霊もってたっけ?」
「この子は、前からいるよー?名前は、【ケスト】っていうんだよー。元が、『バーゲスト』って言ってさ」
「可愛い…。真っ黒で」
「ケスト!2体の魔獣の匂いがする?」
ケストは、洞窟の二手になっている前まで立ち、匂いを嗅ぎ始めた。
ケストは、右を向き、ワン!と吠えた。
「ケストが、右って言っている!」
「右にいこう!!」
紅葉が右側の洞窟に行こうとすると、黒瀬が紅葉に、
「ちょっとお待ちください!これは、クロナ様に…!」
「ちょっと!?聖様?何をーー」
黒瀬は、クロナを持ち、右側の洞窟に投げ入れた。
クロナの叫び声が洞窟中に広がった。
「ぎーーゃーーーーー!!」
それには、皆が驚いた。
「黒瀬!!何を!?」
「えっ?別によいではありませんか…。魔族=『不死身』の存在ですから、クロナ様はその種族でございますよ?これくらいは、大丈夫でしょう」
(本当につくづく怖い執事だよ…)
紅葉以外のセラティナ達はそう思った。
そして、洞窟の中に進んで行った。
「でも、どうして黒瀬は分かったの?」
「ギルドカードを見た時、魔族の横に、(不)とあったのです。それは、『不死身』を表しています」
「そういうことだったの…。私はてっきり、不要の『不』かと思った」
「私も思った」
「あたしもー」
洞窟の奥に進んで行くと、クロナがどんよりした表情で、
「どうせ、わたくしは皆様からしたら、不要な存在なのでしょう…。」
クロナは、ふてていた。
「クロナ。気を落とさないで?クロナは、よく部屋を覗いても来るし、いろいろと私のことを、思ってしてくれてるのはわかってるから」
「なんかそれ…。まぁいいか」
「…っ!?皆様!大きな気配が!」
と言って、クロナは武器を構えた。
それを見た紅葉達も気配を感じ、武器を構えた。
「クロナ様!?大丈夫でございますか?」
「聖様が、わたくしを投げたせいで、会いたくない魔獣に遭遇しましたわ!!」
「そのために、投げ入れたのでしょう?下見ですよ。し・た・み」
「高みの見物だニャン♡」
「なんかそれ、聞いたことあるなぁ…」
そう言っていると、魔獣が攻撃を仕掛けてきた。
紅葉達は、一斉に攻撃をかわした。
そして、攻撃を仕掛ける準備を始めた。
「上は、任せておけ」
―――――――――アーゲル・フィールド!
―――――――――我が主の名の元に現われよ!
風の精霊・シルフ!!
「わたくしは、囮になりますので、皆様。攻撃を!」
「シルフは、聖のサポートにまわって!」
「援護するよ!」
セラティナは下から、岩場に隠れながら、矢を放っていた。
ラーガは、ロザのサポート役をしていた。
ロザの狙った弾丸は、洞窟の広場に明かりを灯った。
「…!?」
「まじかよ!?」
「あれは、二角獣の『ハギス』!!」
――――キーリリーーーー!!
電撃を辺り一面に放った。
「…!?やっ!!」
「セラティナ!!」
――――我が主の名のもとに現われよ!
地の精霊・グノーム!!
「グノーム!セラティナを守りなさい!!」
グノームは、岩場に姿を消し、一瞬でセラティナの元に来て守った。
「あっぶねー」
ハギスの近くの岩場に隠れながら、攻撃をしていたセラティナは、サラが出した精霊に守られた。
「たたみかけますよ!!」
―――――サイレント・ウォーム!!
―――――シャドウ・ブラックウルフ!!
「行きなさい!」
黒瀬が出したシャドウは、黒瀬と逆に走って行った。
「私達も!!」
紅葉達は、一斉に攻撃を放つ。
紅葉達の攻撃は、四方八方から放たれ、ハギスに直撃した。
「やったか…?」
地面全体に、地響きが鳴り響く。
―――ドドドォーーーー!!
―――キーーリリー―!!
砂煙から、ハギスが現われた。
命中したものの、きいていないようだった。
「命中したはずだ!」
ロザがそう言っている間に、ハギスはまた電撃の技を放った。
「…っ!?」
ロザは、間一髪のところで逃れた。
「クソッ!!上から、動きを見ていたのに、あいつ早すぎるっ!!」
空中でハギスを見た時、電撃がロザに向かってきた。
「っ!」
クロナが、太剣でその攻撃をくいとめた。
クロナの表情は、ニヤリと笑っていた。
「フフフ…。ゾクゾクしますねー。今まで、こんなにもスリルを味わうような、戦いをした事がありませんからね!」
クロナは、ハギスに凄い速さで突撃した。
「おやおや…。クロナ様の目が赤い色に光っていますねー」
「これは、珍しい。鬼人の中でも、レアものですよ?聖さん」
「そうなんですか?」
「はい。確か…」
黒瀬とピーロンは、ハギスの攻撃を避けながら、説明をした。
「『赤い色の目を持つ鬼人は、不死の体を持ち、やがては、大きな力を持つ』。
一方の『青い色の目を持つ鬼人は、命を宿すとも言われており、やがては、神たる存在になる』と言われております」
「なるほど…。では、クロナ様は、その鬼人という事なのですか?」
「そうですね…。ただ、この力は、選ばれた鬼人の者しか与えられない力なのです…」
「そうですか。でもまぁ、いつも痛い目に合わせても向かってくるのは、そういうことだったのですか?」
「不死の力と宿していらっしゃいますからね」
クロナの戦いっぷりは、激しさを増していた。
―――デッド・レイバティン!!
「また、派手に攻撃をしてますねー」
「聖さん、あまりあの力を使いすぎては、クロナさんが持ちませんよ?」
「大丈夫でしょう。わたくし的には、真の力を見ることができるのが、嬉しくて仕方ないのです。だから、あえて遊ばせているのですよ」
黒瀬は、クスリと笑顔を見せてピーロンに言った。
(遊ばせているというより、、、最初に会ってからの違和感はこういう事だったのですねー。これは、興味深いですねー)
不気味な笑いを、ピーロンは見ていた。
(聖さん…あなたっていう人は、また変なことを企んでいますね…)
ピーロンは、そう思いながら苦笑いをしていた。
クロナの攻撃は止むことなく、攻撃をハギスに放ったり、接近戦をしていた。
―――デッド・ストライク!!
―――デッド・ムーンクラッシュッ!!
クロナは、不気味な笑みを浮かばせながら、次々と技を出し、戦いをしていた。
それには、紅葉達、皆、クロナの表情見て、一斉に思った事が、
(聖みたいな笑みをして戦ってる…)
(恐ろしい…)
と誰もが思っていた。
ハギスが、攻撃をしているがヒラリ、ヒラリとかわしていく。
「クロナ様、そんなに、技を出し続けますと、倒れてしまいますよ?」
「まだまだですわ!!」
「あれは…人の話を聞いてないですねー」
「わたくしも、攻撃をすると致しましょう。クロナ様、お1人だけ楽しそうなのは、少々イラつきますから…」
黒瀬もハギスに突っ込んでいった。
「ちょっ!!聖さん?」
あっという間に、ハギスの下をついた。
それと同時に、クロナも攻撃をした。
2人の攻撃がハギスに命中した。
――――キーリリ!!
黒瀬とクロナの攻撃が両方入り、ハギスは苦しそうにもがいていた。
「まだ死んでいませんわ!たたみかけます!」
クロナが攻撃をしようとした時、クロナは別の魔獣に攻撃を受け、岩の壁に叩きつけられた。
「…くはっ!?」
「なっ!!」
「クロナーーー!」
紅葉達が唖然として、叩きつけられたクロナをみていた。
すると、黒瀬が何喰わん顔で、
「もう1匹いましたか…」
壁に立っていた。
「何を黒瀬は、感心しているんだよ!!」
「黒瀬、壁、歩けるの?」
「はい。まぁ、わたくし…暗殺者ですから!」
と紅葉が感心していると、セラティナが、
「お2人さん?それより、もう1匹、魔獣がいた!しかも、いつの間にか移動させられている!!」
「…っ!?」
「こいつは…。」
紅葉達は、辺り一面を見渡した。
先程、ハギスと戦っていた場所から、いつの間にか、一番奥の広場に移動させられていたのだった。
羽のついた狼みたいな魔獣がそこにいた。
黒瀬は、表情を何一つとして変えず、その魔獣を見ていた。
―――ガオオオ!!!
「魔獣!ウェザー・ウルフ!!」
紅葉達は、こいつはやばい…と思わんばかりに表情を浮かばせていたが、黒瀬、ただ1人は違った。
(これはこれは…。面白く、楽しくなりそうですね…)
黒瀬は、1人ニヤリと笑みを浮かばせていた。
読んでいただきありがとうございます。
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また、誤字・脱字等あればお願いします。
まだまだ続きます!
頑張って書きます!!