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うちのドS執事は異世界でも超最強  作者: 真皓 心
第2章
28/79

27 シルバーンの過去

少しずつ、敵の過去を書いていこうと思います。

 紅葉達は、また町へと戻ってきていた。


「あの敵は、結構、強そうだったぞ?」

「恐らく…幹部では、そこそこお強いのでしょう…」

「レギランスの幹部がきているということは、何かあるんだろうなぁー…。あの、魔導書のことだろうか?」

「紅葉様。どうしてわたくしが。あのシルバーン様と戦っているということが分かりましたね?」

「大きな力と力のぶつかりの気配と、サラの精霊達が、騒がしかったから、何事だと思って、気配のする方へ来たら、黒瀬とシルバーンが戦っているところを見つけたってわけよ」

「そうだったのでございますか…。まぁ、また会えるでしょう」


 町を歩いていると、ピーロンが走ってきた。


「皆さーん!」

「ピーロン様、宿が見つかりましたか?」

「見つかりましたが…。皆さんを今、探していたのですよー」

「これはすみません…。では、宿に行きましょう」


ピーロンが探してくれた宿に行くことにした。


◇ ◇ ◇


「ここが、今日の宿です」

「なんか、大きいわねー」


2階建ての建物の宿だった。

中に入ると、大きな広場になっており、休憩のできる場所やお土産屋等々たくさんあった。

紅葉達は、キョロキョロしながら、周りをみていた。


「お嬢様、皆様、わたくしがチェックインしてきますので、少々お待ちください」

「分かったわ。ありがとう」

「私も行きますよ。聖さん」

「ありがとうございます」


紅葉達は、その間いろいろ見ていた。

黒瀬とピーロンが、チェックインを済ませ、部屋の鍵を持ってきた。


「ありがとう、黒瀬」

「はい。2人ずつお部屋をご用意していただきました。その方が、皆様が休みやすいと思いましたので…」

「うん、ありがとう。じゃあ、部屋に行きましょう」


紅葉達は、黒瀬から部屋の鍵を渡され、それぞれの部屋に入って行った。





――――――時空間にシルバーンが身を潜めていた。


「まったく…。酷い目にあった。まぁ、いいか…。あの町には、何もなかったし…。ラビリスタも、無茶な事を言うし」


シルバーンがブツブツ言っていると、


「シルバーン、何を1人で言ってるの?あの町はどうだったのさ!?」


 ふと見ると、ショートカットの、背の小さいグミルが来ていた。大きなぬいぐるみを持っている。


「グミル!どうして、ここに?」

「あたしも、町を見に来たかったから…。あと、シルバーンが、言っていた奴も見てみたかったからねー。でも、シルバーンこそ、どうしてここにいるの?ラジリスタに言われたでしょ?あまり、あの者達に、関わっちゃあダメだと…」

「好きで関わってるわけではないですから。あのよく分からない執事が、私を見るなり、追いかけてくるのだから」

「それ何?怖いじゃん…」

「1回戦ってみると、分かりますよ?あの執事…。こないだのは、本気ではないと言っていました。しかも、さっきも戦いましたが…あの時も、本気ではなかったのですから…。何か隠していますよ?あの執事は…」

「そうなのか?あたしも戦ってみたい。面白そう」


 グミルは、そう言いニヤッと笑った。


(あの執事…。最初に戦ったときよりも、強くなっている気がしますね。あと、レベルも結構上がっていると思いますし…)


シルバーンは、そう思った。


(ラジリスタ…。あなたは、何を考えているのですか?)


◇ ◇ ◇


―――――数日前の事。


「最近、あのギルド達が、さらったあのチビこうと、魔導書の事を調べていると聞いた」

「それは、俺も知っている。魔導書の秘密を、聞きまわっているみたいだな…」

「そういえば、シルバーン。あの執事と戦ったと聞いたけど…?」

「おお!そうなのか?聞かしてよー」

「そんなことどうでもいいでしょう?」

「負けたのか?」

「そんなことはないですよ」

(私が、あの者に負けるなどないですから…)


 シルバーンが、重い表情を浮かべた。


◇ ◇ ◇


「あまり、あのギルドに知られたくないな…。さらってきた、あのチビの世話をちゃんとしているのか?」

「ちゃんと可愛がってますよ?」


と言いつつ、グミルが連れてきて、人形で遊んでいた。


「お人形さん、いっぱいいますー!これも可愛いです」

「なぜ、あの子をここに連れてきているのです?」

「ほら、この子も可愛いでしょ?」

「何、手懐けているのですか(汗)」

「だって、あの子可愛そうなんだもん。1人で暗いところの牢屋に入れられて、手も繋がれて…。前の私にそっくりだったから…」

「…イノン」

「なんでもないから…。あの子とグミル、一緒に遊んだらいいんじゃないかな…って思っただけだから…」


 イノンは、部屋に戻って行った。


「ねぇねぇー。あなたは、あの魔導書の事知っているの?」

「ん?魔導書の事は、私は何も知らないの…。魔導書があったことすら、聞かされてなかったから…」


 急に、グミルとユーネリアが話しだした。

それに、シルバーンも耳に入った。

シルバーンも気になり、話に入った。


「確か…あなたの名前は、【ユーネリア】と言いましたか?魔導書の事は、どこで知りましたか?」

「あの砦があることも知らなかった。砦の中に、あの魔導書があることも…」

「あの村にいたのに、何も知らなかったのか?」

「ごく一部の人達しか知らなかった…。でも、魔族の襲撃で皆、死んじゃったから…。知ってる人は、誰1人としていないの」


 ユーネリアは、少し悲しげな表情を浮かべた。

それを見たグミルは寄り添い、ユーネリアを抱きしめた。


「泣きたいときに、泣けばいい…」


その言葉に、ユーネリアは目に涙を浮かべ、泣いた。


「……うっ…。くっ…」


シルバーンは、見ないように背中を向けた。


(魔族の解放したのは、四天王の【ロワール】あの男しかいない!!)


シルバーンは、空を見上げてそう思った。


◇◇◇


シルバーンが、まだ小さかった頃、目の前で、家族もろとも、魔族に殺された。

魔族が、家のドアを破り、襲ってきたのだ。

シルバーンの母は、とっさに物置に隠した。

そして、無残にも殺されていく家族。

その事が頭を過る。

魔族から逃れ、力尽きている所を、ラジリスタとイノンに拾われたのだった。





(あのユーネリアという者も、私と一緒同然と言うわけか…。あの子も魔族に家族を殺されているのだから…。寄り添ってあげなければならない…。連れ去って、こういうのはなんというか…。まぁ…、四天王の目的を調べなければならない。そう思って、この国来たのに…。まさか、あの執事に会うとはな…)


シルバーンは、一人そう思っていた。

グミルは、黙っているシルバーンを見て、


「何か、考え事をしているのか?あの子の事は、大丈夫だ。殺しもしないし。いつかは、あの執事の元に、返そうかと思っている」

「そんな動物みたいな…」

「まぁ、ユーネリアも怖い思いをしてしまったのだから…。なんなら、あの執事がどれだけ強いのか、実践してから、あたし達の目的を伝えて、協力してもらえれば、あたし達の目的は達成したことになる!」


グミルは、凄い自信に溢れるように、目をキラキラ點せながら言った。

シルバーンの顔は、少し曇り、


「それをしたら、あのラジリスタも納得はしないだろうなぁー…」

「なぜだ?ラジリスタは、ロワールを倒したい!ただ、それだけだし、四天王の邪魔をしたいだけだろ?」

「ラジリスタの目的は本当にそれだけなのか?」

「どういう意味なの?」


グミルは、シルバーンの顔を覗き込んだ。


「まぁ、そのうちグミルも分かってくるさ」


シルバーンはそう言い、時空を越えて行った。


「ちょっと!シルバーン?」


グミルは、シルバーンの後を追った。





――――――早朝。

 紅葉達は、【ヴェリタス】国の宮殿へと向かった。


「またこれはこれで大きな宮殿だな…」


紅葉は、宮殿を見上げて言った。

宮殿は、レンガで作られている。

また、ヴェリタス国の国王によって、結界をはっていた。

魔族の侵入や、魔物の侵入を防ぐためのものだ。

門の前には、兵士がいた。


「あなた方は?」

「冒険者の者ですが、ギルド【モミジ】と言います」

「これはこれは、話には聞いていましたよ。あなた方でしたか。ルルベニア国王のジルベール様から、我が王女の元に、知らせが入ったというのを聞いています。ささ、中へどうぞ」

「ありがとうございます」


黒瀬は、兵士に向けて頭を下げた。


「知らせって、ここの宮殿の皆さんが知っているのですか?」

「はい。ここでは、早朝に兵士皆、王女様の前に集合し、今日の行事ややること等を話していますので、皆、ある程度のことは、頭に入っています」

「そうなのですか?それは、すごいですねー」

「ありがとうございます。王女様は、国王様より、怖い方でいらっしゃいますので、ちゃんとしていないと怒られてしまいますから」

「そう…なのですか」

(ここの国王は、尻に敷かれているのだろう…)


セラティナは、苦笑いをした。

そして、紅葉達は、王室へと通された。


「待っていましたよ?ギルド【モミジ】の皆様。わたくしは、ここの王女【リスターヌ】と言います。ごめんなさいね。今、国王は席を離れています。2、3日前に、会議があると、セントラルに行ったばかりなのです…」

「そうなのですか?お会いしたかっです」

「また今度、国王がいるとき…。あっ!そうそう…」

「どうしたのですか?」

「最近、魔物の動きが活発になってきているのです。わたくしの結界が、いつ崩れるかが心配です。それに、2体の魔獣が確認されています」

「なっ!?」

「このままでは、いずれ結界の前まで、魔物や魔獣が押し寄せてくるでしょう…。そうなる前に、ギルド【モミジ】の皆様に頼みたいのです。報酬は、400,0000ルピーでどうでしょう?」

「えっ!?」


紅葉は、目玉が出るくらい驚いた。


「そんな大金…」

「リスターヌ王女様、その魔獣はどのような魔獣なのですか?」

「黒瀬?何勝手に話を続けているの?」

「どうせ、倒すのですからいいでしょう。それに、魔獣を倒したほうが、レベルもたくさん上がりますからねー」

「なるほどねー…。わかりました。その依頼、お受け致しますわ」

「よかった。ありがとうございます。この国の近くに洞窟があります。その洞窟の中に、魔獣、【ウェザーウルフ】と【ハギス】がいます」

「また、これは厄介な魔獣ですねー」

「そうなのです…。どんな手を使っても構いませんから、あの魔獣を倒してください」

「わかりました。私達にお任せください!」


 紅葉が言い、その洞窟に向かった。



読んでいただきありがとうございます。

評価☆→★に、ブックマーク、感想等をお願います。

また、誤字・脱字等あればお願います。

頑張って書いていきます!

次も書き中です!

まだまだ続きます。

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