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うちのドS執事は異世界でも超最強  作者: 真皓 心
第2章
27/79

26 ヴェリタス国にようこそ!

 紅葉達は、【ヴェリタス】国の近くの森を歩いていた。


「そう言えば、確かバンシーって…。」

「バンシーは、多くのバンシーの叫ぶ声のした死者は、勇敢な人物か、聖なる人物であった証といわれています。長い黒髪で緑色の服に、灰色のマントを着た女性の姿をしているとされるが、叫びが聞こえる時は、その姿は見えないとされていて、 その叫びは、ありとあらゆる叫び声を合わせたような凄まじいもので、どんなに熟睡している者でも、飛び起きるほどであるとされています。

また、バンシーの目は、これから死ぬ者のために泣くので、燃えるような赤色をしているそうです。

妖精が自身と交わった相手に加護を与える例として、バンシーの垂れた乳房を吸った人間は、彼女の養子になることができ、望みを叶えられると語られているそうですよ」

「黒瀬は、なんでも知っているのね」

「そりゃあ、私の執事だもん!なんでも知ってないと執事は務まないわ」

「そうですね。それもありますが…。頭の悪いお嬢様は、わたくしをそこらのメモ帳くらいにしか思っていないのです」

「そ、そんなことはない!!」

「そうですね。聖様には、その方がよろしいかと思いますわ」


 クロナがクスクスと笑いながら言った。

黒瀬は、それを見て少しイラッとしたのか、クロナの頭にナイフを刺した。


「うぎゃ――!!」

「あーあ…」

「聖の怒りをかったな…。あれは」


 クロナがもがいている隙に、紅葉達は、【ヴェリスタ】国に向かう。



◇ 







 そして、紅葉達は【ヴェリタス】国に着いた。

丘から眺めると、大きくて、綺麗な国だった。


「凄く綺麗な国ね」

「少し緑が多い国なのねー。空気もおいしいし」

「そうだね」


 国の出入り口に門の所に門番がいた。


「ようこそ。【ヴェリスタ】国へ。あなた方は、冒険者ですか?」

「はい、そうです」

「分かりました。1人、50ルピーになります」

「400ルピーね」

「はい、ちょうどお預かりしますね。楽しんでくださいねー」


 門番は、紅葉達に手を振って見送ってくれた。

レンガの建物がたくさんあった。

この国では、主流になっているらしい。綺麗な建物がたくさん並んでいる。


「なんか、楽しい国だね」

「とりあえず、今日の宿を取っとかないとねー」

「それでは、わたくしにお任せください」

「私も一緒に行きますよ?聖さん」

「じゃあ、私達は適当に見て周っているから、今の時間が…」


時計を見て、


「11時頃ね。じゃあ、13時くらいに、広場のあの大きな噴水の所で、待ち合わせという感じどうかしら?」

「そうですね。かしこまりました。道に迷ったらいけませんので、この国の地図でございます。3枚も門番の方からもらいました。どうぞ」


 黒瀬は、セラティナと、ラーガに地図を渡した。


「ありがとう。聖」

「この国の地図があれば、便利だな」

「そうねー。ちょうどよかったわ」

「じゃあ、皆、お店とか行ってみましょう」

「それでは、わたくしたちは、宿を探して参りますので、後ほど」

 

 黒瀬とピーロンは、宿を探しに行った。


「安いところでいいからねー」

「じゃあ、私達も行きましょうか?」

「そうね」


 紅葉達は、町巡りをすることにした。


◇ ◇ ◇


 黒瀬とピーロンは、宿を探していた。

黒瀬が地図を見ながら、宿を探している。


「この地図によると、こことここが、宿だそうですね」

「どこも高そうですが…」

「まぁ、まだどこかありそうですから探しましょう」

「そうですね…」


 色々見て周っていた。

◇ ◇ ◇

 時空間からジルバーンが現われた。


「ここか…」


 その瞬間、黒瀬は気配を感じた。


(…っ!?この気配は…)

「…まさか」


小さい声で、ボソッと言った。


「どうしましたか?聖さん」

「い、いえ。なんでもありませんよ?ピーロン様。ここの宿に話を聞いてみてください。お安い宿なのか、あとは、設備はどうなっているのか。等々…。とりあえず、聞いてみてください」

「は、はい。分かりました。聖さんは?」

「わたくしは、少し野暮用がございます。先に行っててください」

「…はい」


 ピーロンは宿に入って行った。

黒瀬は、ピーロンが居なくなったことを確認し、


「さてと…。やりますか」


 黒瀬は、ニヤリと笑い、その場を離れ、屋根に乗り、シルバーンのいる所へ急いだ。


――――シュン!


「これはこれは、シルバーン様。お久しぶりでございますね」


黒瀬は、ニッコリと笑った。


「お前は、あの時の執事か?」

「覚えてくださったのですか?嬉しいですねー」

「お前には、会いたくなかった」

「冷たいですねー」

「それに、関わると面倒だから、今ここで殺す!」

「怖い事をいいますね…」


黒瀬は、ナイフを取り出した。

シルバーンは、黒瀬に攻撃を仕掛けてきた。


「いいのですか?町で暴れても…」

「知った事か!?」


黒瀬は、シルバーンの攻撃をかわしていく。


(ここでは、目立ってしまいますね…)


攻撃をかわしながら、黒瀬は目立ちそうにないところがないか探していた。


「かわすばっかりでは、つまらんぞ!!」

「大丈夫ですよ。ちゃんと、攻撃をしてあげますから」


 黒瀬が、そう言うとニヤリと笑うと、町外れにある森に身を潜めた。


「隠れたのか?ん?」


シルバーンは、周りを見て誘導されたことに気づいた。


(誘導されたか…)


そう思いながら、黒瀬の気配を探していた。

木の陰に隠れていた黒瀬は、


(やれやれ…。困りましたねー。めんどくさいことになりました。。。敵がいるということは、レギランスも、何か勘付いたのでは?厄介ですね…)


黒瀬はシルバーンから、逃れる策を練っていた。


「ん?そこか!?」


シルバーンが、木陰に隠れていた黒瀬に攻撃をした。

黒瀬は、攻撃を避けた。


「まったく、危ないですねー」

「隠れるばかりで、面白くないぞ?」

「隠れていませんよ?遊んでいるだけです」

「私は遊ばれているのか!」

(この方は、おバカなのでしょうか…)


と、黒瀬は思いつつ、攻撃をした。

黒瀬とシルバーンは、互角に戦っている。


(まったく…。いろいろと面倒ですねー。そろそろ、戻らないとですね…)


黒瀬が、ふと町を見た時、少し攻撃を受けそうになった。

そこに、火の矢が飛んできた。


「…っ!?」

「黒瀬っ!?」

「お嬢様!来てはダメですよ!?」

「だって、凄い大きな気配がしたから来てみれば…」

「あいつは…。もしかして、前に聖が言っていたやつか?」

「そうです。レギランスの1人、シルバーン様でございます」

「ご紹介にあたり光栄に思いますねー。でも、ちょうどよかった。探す手間がとれました。ここで、皆さんに死んでいただきましょう」


シルバーンが、ニヤリと笑い、攻撃をしてきた。

紅葉達は、一斉に避けた。


「お嬢様達は、下がっててください!」

「黒瀬!!」

「無茶だよ!」

「いえ、大丈夫ですよ」


黒瀬は、シルバーンに攻撃をした。


「言っときますけど…。あの時は、本気ではなかったものですから…。シルバーン様の攻撃など探っていましたので…。」

「やっぱり…」

「本気で…しましょうか?」


黒瀬は、シルバーンのふいうちを狙った。

シルバーンは、ギリギリのところでかわした。


「あれをかわすとは…」

「危なかった…」

(今のは、危なかった…)

「おしいことをしましたね…」


黒瀬はニヤリと笑う。


「あれは…殺しにいったな…」


皆、それを見て黒瀬を恐ろしく思った。


「今日のところは引くとしようかなぁ…。やることもあるし…」


そうシルバーンは言うと、消えていった。


「逃がしましたか…。串刺しにしてやろうと思いましたのに…」

(そこが怖いんだけど…)


 黒瀬の顔が見えないが、背中を見るだけでも、紅葉達は黒瀬の表情がわかった。

読んでいただきありがとうございます。

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まだまだ続きます。


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