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うちのドS執事は異世界でも超最強  作者: 真皓 心
第1章
20/79

20  謎の少女

―――ある日の朝。

紅葉は、夢を見ていた。


◇◇◇


≪何ここ…。なんで、辺りが濃い霧で包まれている…。これは、夢なの?》


辺り一面、濃い霧の中に、紅葉は1人いた。


≪誰か…。誰か…、助けて…≫


誰かが紅葉を呼んでいる。

女の子の声がした。


≪あなたは、誰なの?≫

≪誰か、私を助けて…≫


紅葉は、辺りを見渡したが、濃い霧が邪魔をして見れなかった。

紅葉は、もがいていた。

すると、人影が見えた。


≪あなたが、私を呼んだの?≫


近づくにつれ、その人影は遠ざかっていった。


≪待って!!≫


紅葉は、手を伸ばしたが、届くことはなかった。


「…様。…お嬢様…」

≪黒瀬の…声?≫

「お嬢様!」


 紅葉は、ハッと目を覚ました。

目を覚ますと、黒瀬が心配していた。


「お嬢様!大丈夫でございますか?うなされていましたよ?」

「わたくしも、びっくりして…」


黒瀬の横に、クロナがいた。


「クロナもいたのね…。はぁ…」

(何だったんだろう…。今の夢は…)


 紅葉は、頭を抱えて、さっき見ていた夢の事を考えていた。

その様子に、黒瀬が聞く。


「お嬢様、どんな夢を見ていたのですか?」

「それ、わたくしも聞きたいですわ」

「その前に、黒瀬は分かるけど、なんで、クロナまでいるのよ…」

「クスッ。お嬢様、今に始まったことではないでしょう?」

「まぁ、そうなんだけど…。毎回毎回、ほんとっ、懲りないわねー。今日は、一体何を取ろうとしていたの?」

「と、とろうとはしていませんよ?嗅ごうとしていたのです」

「全く…」

「履きたてのパジャマ、履きたての靴下等々、、、嗅ぎたくて、嗅ぎたくて…仕方ないのです!昨晩は、紅葉様の人形を作って遊んでましたのー。オホホ…。ギャン!」


 クロナは、黒瀬に回し蹴りをうけた。

部屋の外へと蹴り飛ばした。

黒瀬は、ドアを閉め、手をパンパンと祓って、さっきの紅葉の夢の続きを聞いた。


「これで、邪魔者は消えましたね。落ち着いて、聞けれます。お嬢様、先程の夢の話の続きを、よろしければ聞きたいのですが…」

「ええ、いいわよ」


紅葉は、さっきの夢の事を黒瀬に話した。

黒瀬は、少し考え込んでいた。

数分後、黒瀬は、口を開いた。


「多分、近々、何か起ころうとしているのでは…。お嬢様が、あんなにうなされて、変な夢を見た時は、大抵、面倒な事が起きますので…」

「若干、なんか…。私の事をバカにしてない?まぁ、確かに…。変な夢を見た後は、正夢と言ってもいいくらい、当たるからねー(汗)」

「少し構えておいた方がよろしいですね…」

「そうね…。」

「今、話した夢の内容を、皆様にも話されては…?」

「そうね…。ちょっと話してみましょうか…」


紅葉と黒瀬は、食堂へと向かった。

クロナは、黒瀬に引きずられながら食堂に行った。

食堂に行くと、セラティナ達が朝食を食べていた。


「今日は、えらい遅かったじゃないのよ」

「どうしたの?紅葉、顔色が真っ青よ?」

「うん…。皆に聞いてほしい事があるのよ」


 紅葉は、黒瀬に言った夢の内容をセラティナ達に話した。


「それは、なんか…変な夢だな…」

「しかも、その変な夢を紅葉が見たら、ある程度、当たるって…」

「それも、怖いけどなぁ…」

「とりあえず、少し気を付けといた方がいいって事だな…」

「分かった。気を付けることにしよう」


 セラティナ達は、そう言うとそれぞれの部屋に戻っていった。


「何が起ころうとしているんだろう…」

「大丈夫でございますよ?この黒瀬が、お嬢様の傍にいます。ちゃんと、お守り致しますから、ご安心を」


 そう言って、黒瀬はニコリと微笑んだ。

それを見て紅葉は、はぁーとため息をついた。





 紅葉達は、昼時に、クエストに出掛けようとしていた。


「よし!準備ができたわ」

「では、行こうか」


 ドアを開けようとすると、巫女の格好をした少女が倒れてきた。

それを紅葉が受けとめた。


「この子…。すごい傷!早く部屋に連れて行きましょう!クエストは、中止よ!」


 その少女を部屋に連れて行った。

少女は、切り傷やかすり傷など、体は傷だらけになっていた。

紅葉やサラの魔法でなんとか少女は、一命を取り留めた。


「お嬢様、サラ様、お疲れさまでした」


黒瀬は、紅葉とサラに、紅茶を渡した。


「この子、どうしてあんなところに…」

「しかも、泥だらけの傷だらけって。魔物に襲われたのかしら…?」


少女をセラティナ達は見ていた。


「皆、今日はごめんね…。クエストを中止にして」

「で、こればっかりは仕方ないじゃん?」

「この子の事が心配なんだもん…」

「クエストに行っても、心配なんだから…。クエスト所ではないよ。私達は大丈夫だから。紅葉は、その子の傍に居てあげればいいから」


 そう言って、ラーガは部屋から出て行った。

その他の皆も部屋から出て行き、紅葉と黒瀬だけが部屋にいた。





 それから、3日が経った。


「…っ」

「あっ!気が付いた?」

「大丈夫でございますか?」


その少女がようやく目を覚ました。

少女は、紅葉と黒瀬の事を見て言った。


「あ、あの…。ここは?」

「ここは、【モミジ】っていうギルドの家よ。あなた、家の前で倒れていたのよ」

「そうなのですか…。すみません…。すぐに、ここから出ますから…」


少女は、無理矢理、体を起こそうとする。

が、3日間も寝ていたせいで、ベッド上で起きるだけでやっとだった。


「ほら、あまり無理しないでよ?大丈夫よ!治るまでいくらでも居てくれたらいいからさ。黒瀬、何か食べやすいものを作ってきて」

「ですが…。そんなの悪いですよ」

「大丈夫よ。何かお腹に入れた方がいいわ。ねっ?」

「では、お粥でも作ってきましょうか」


 そう黒瀬が言って、部屋を出た。


「あなた、名前は?どこから来たの?」

「私の名前は、【ユーネリア】。呪術師をしています。私は、【サニーライム】という小さな村に住んでいましたが、変な人達に村が襲われ、私は逃げてきました。その道中に、変な人達に、命を狙われて…。やっとの思いで、この町に来たのです。ですが、あの大きな町に、入る前に、このお城が目に入り、いつの間か倒れてしまったのでしょう…。気づいたら、ここに…」

「そういう事だったのね…。でも、本当に良かった。ずっと、寝ていたのだもん…。もしかしたら…と思ったら、毎日のように気になってて」

「すみません…。ご心配をおかけしました…」


―――トントン。


と戸を叩く音がした。


「失礼致します。出来ましたよ。お粥をどうぞ」

「ありがとう、黒瀬。そこに、おいといて」

「かしこまりました」


机の上に置く。

また、戸を叩く音がした。

すると、セラティナ達が部屋へと入ってきた。


「大勢ですまない…。どうしても心配になって…」

「その…体調とか大丈夫なの?」

「はい。なんとか大丈夫です。ご心配をお掛けしました」

「いいって事よ。もうちょっと、ゆっくり休んどいた方がいいわ」

「はい…。ありがとうございます」


 紅葉達は、いろいろ話していた。

そして、数分後セラティナ達は、部屋を出ていった。


「さてと、皆いなくなったことだし、ゆっくり休んでね。なんか用事とかあれば呼んでね。私でもいいし、黒瀬でもいいからさ」

「分かりました。ありがとうございます」


 紅葉は、部屋を出て、食堂へと向かう。

食堂に着くと、もうセラティナ達は夕食を食べていた。

紅葉は、ユーネリアが言った事を皆に言った。


「その変な人達って…。まさか…」

「仮面とか言ってない時点で、【レギランス】達だろう…」

「奴らの目的はなんなんだ?」

「それは追々分かることだろう」

「そうね…」


 紅葉は、考え込んでいた。

ユーネリアの事、そして、今朝見たあの夢の事と…。


(なんか…。あの子…夢の中で聞いた声とよく似ている感じする…。気のせいかしら)


そう1人、紅葉は思っていた。


「どうしたの?」

「紅葉、具合でも悪いのか?」

「ん?いえ…、そんなことはありません…。ただ…。」

「ただ?」


 少し俯いていた紅葉が、頭をあげて言った。


「私の思い込みかもしれないけど…。あの子の声…今朝夢に出てきた声に似ているのよ!」

「…っ!!」

「なっ!本当なのか!?」

「多分…。わかんないけど…。でも、そんな感じがするのよ」

「紅葉の夢は、正夢に近いんだろう…?そう思うと、なんか…そのように、思ってしまう。だって、聖が言った通り。夢が正夢になるんなら、今がそうなんだろう…」

「そうね…」

「確かに、それは思う。現に今起きているからなぁ…」

「うん…」

「でも、今日は休ましてあげよう…。また、明日話を聞けばいいさ」


そう言って、紅葉達は自分達の部屋へと戻っていった。








読んでいただきありがとうございます。

楽しい思ってくださった方、評価、ブックマークをお願いします。

まだまだ、頑張って書きます!

だいぶ、走り書きになっているので、誤字・脱字があればお願いします。

感想もよろしくです。

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