02 新たな仲間!エルフの弓使い(アーチャー)
どんどん仲間を増やしていこうと思います。
まず、1人目です。
紅葉は、ピーロンのその言葉にビックリしていたが、黒瀬だけは違っていたみたいだった。
「どういうこと?」
「頭の悪いお嬢様には、カクカクシカジカとご説明を。
ピーロンさんがいっていることは、本当の事でしょ
う。なぜ、ピーロンさんが現れたのか、ずっと、気になっておりました。
そして、ピーロンさんが言ったことと、全て辻褄が合いました。この国を、変えようとされていたので、ございましょう。わたくしたちを見つけて、話しかけられてこられたのでは?」
(それは、私がいうのに…。まぁ、いいか、あの聖さんには、何もかもがお見通しなのですから…)
「聖さん…。あなたは、なんでもお見通しなのでございますね…。そうです。聖さんの言うとおりです。
話を持ち込んで、いつかは、この国を変えてくださる方を見つけていました。まさか、一発目に、凄い方々と、お会いになるとは思いませんでした…。
どうか…これからも私と冒険を。この国を、変えてくださいまし!」
「どうなさいましょうか、お嬢様…」
「いいんじゃない?なんか面白そうだし!
それと、見たことのないところで、クエストというものがあったりと楽しいし。
ゲームみたいな世界で。
大丈夫よ。冒険もののゲームは、子供の時からしているから、ある程度は知っているわ。
それに、何度か攻略もできているしね。」
「そうでございますね。いつも、友達がいなかったた
め、ゲームをして遊んでおられましたね。
それとお嬢様?それは、わたくしがしたのでございますよ?」
黒瀬がシクシクと涙を出していると、紅葉が慌てて、
「違うわよ!そうじゃない!何言ってんのよ!」
「クスクス…」
「ちょっと、黒瀬!」
「お嬢様は、いつも1人ぼっちでございましたからね。
お父様は、そんなお嬢様を元気付けようとゲームを差し上げ、このわたくしも一緒に時々ですが、手が空いたとき、お嬢様が誘ってくださりよくしていました」
「なるほど、そんなことがありましたか…」
「余計なことを…」
「でも、いいじゃあありませんか。仲のよろしいお2人なのですから」
「誰が!こんなドS執事と仲良しなんか!」
紅葉は、そう言って顔をして膨れていると、
「フグみたいな顔しても、フグにはなれませんよ?」
「もう!まーた、そうやって、私のことをいじめて!」
「いじめているのではございません。これは、いじっているのです。愛を込めて…」
「うるさい!一緒よ!それに、愛を込めないで!もっと、別な愛情表現をしてほしいわ!」
2人の言い合いをみて、ピーロンは呆れ顔をしていた。
「やれやれ…。本当に仲のいい人たちですね…」
♢ ♢ ♢
3人は、ギルドハウスの食堂へと行く。
「いやー、ここのステーキは美味しいですね。」
「自分たちのギルドハウスを持ちたいわ。 ねぇ、黒瀬」
「そうでございますね、お嬢様。ただ、それには、しかじかお金をお集めなるのが、大変だと思いますが…」
「大丈夫よ!あそこにあるチラシを見て、討伐や何か役に立てれる事があれば、この私に任せろって事よ」
「それって…、ほとんど、黒瀬さんに任していますよ
ね?」
「まぁ、お嬢様の手を汚さなくても、このわたくしが倒せばいい事ですよ」
「さすが、黒瀬!」
と、嬉しそうにはしゃぐ紅葉は、食事を済ませると、すぐさまチラシを見に行った。
「うーんと…。どれも、報酬が少ないし…。
どれにしようかなー?」
「お嬢様?」
「うわっ!?びっくりさせないでよ?」
「失礼しました、お嬢様。お嬢様がすぐチラシをお持ちになると思っておりましたので…、少し心配になって来たのでございます。どうかされたのですか?」
「あーいや…。なんかしっくりこないクエストばっかりで…」
「なるほど、さようでございますか…。
では、こういうのをしたらよろしいのでは?」
黒瀬が選んだクエストは、、、、、、
○人手不足のお店にお手伝いを!
報酬は、はずませていただきます。
「もうー!!なんで!?なんで、この私が皿洗いなど!」
「お嬢様、無駄口を叩くくらいなら、少しピッチを早めた方がよろしいかと?」
「うっるさい!!こうなったらー!おりゃーーー!!
ま、マッハで皿洗いをするわよー!」
「凄いお客様でございますね!これは、到底お2人だ
と…」
「だから、わたくしが選んだのです。
それに、いろいろと町を探検して、近々、たくさんのお客様が来られるのではないか。と思いまして。
そして、見つけたのが、このチラシです」
「さすが、聖さん…。抜け目なしですね…」
「それに…。お嬢様には、少し職場体験というものを、体験した方がよろしいかと思いまして。
ちょっとした【社会体験】と言っておきましょうか」
黒瀬がニヤリと笑う。それをみたピーロンはこう思う。
(怖いお方だ…。聖さんには、逆らえませんね…(汗))
♢♢♢
3人は、昼から夜まで働いていたため、クタクタになっていた。少なくとも、1人を除いては、、、。
「あー…もう疲れた…。なんで、あんなに、たくさんの人たちが来るんだろう…。しかも、討伐とか、選んだかと思えば…お店の手伝いだなんて…」
「お嬢様にはもう少し、市民の皆様の事を知った方が、よろしいかと思いますが…」
「なんで、黒瀬にそんなこと言われなくちゃいけないのよ!」
「お嬢様の事を思って言っているのですよ?
将来的には、十六夜グループの次期、社長になる方が、市民の事を知らなければ上には立てませんよ?」
「んんー。確かに黒瀬が言ってることを、参考にしていたら、いつの間にか、お父様の会社にいた。
だから、会社をもっと良い所にしようと思った。
皆、懸命に働いている。
だから、このクエストで分かった。皆、手を取り合って、頑張らないといけない…」
「そうですよ?早く元の世界に戻らないといけませんしね」
「そうね…」
◎人手不足のお店にお手伝いを!
報酬ははずませていただきます。
→完了
報酬は、1000ルーピーをもらった。
「あっ、そういえば、忘れていたけど…。私たちのステータス、だっけ? どうやってみるんだっけ?」
「わたくしはもう見ましたよ?確実にレベルは上がっていますし」
「だから、どうやってみるのよ!
ゲームではセレクトボタンか、Xボタンを押さないと出てこなかったわよ?」
「また、マニアックな…」
「技など見るときは頭の中で、ステータスを思えば出てきますよ?」
今更ながら、、、紅葉と黒瀬のステータスはこうなる。
==========================================
クレハ
*職業:白魔導師
*Lv.10
*HP:1500
*戦力:1100
*攻撃力:250
*魔法力:360
*防御力:100
*回復力:100
*命中:75
===========================================
===========================================
ヒジリ
*職業:暗殺者
*Lv.20
*HP:3000
*戦力:3500
*攻撃力:500
*魔法力:100
*防御力:350
*回復力:100
*命中:100
===========================================
「まだまだ、低いか…。もっと強くならなくちゃいけない。じゃないと、黒瀬を守れない…」
「大丈夫ですよ、お嬢様。お嬢様はこの黒瀬にお任せください。命に変えてでも、守って見せます」
「ありがとう…。黒瀬」
(本当にお2人は仲がよろしゅうございますね)
ピーロンは、2人の事を見て、改めてそう思うのだった。その夜は、ギルドハウスに泊まった。
◇
◇
◇
―――――次の朝。
「お嬢様、お嬢様、起きてください。朝でございます
よ?」
「んん…」
「今日は、早起きをして、またチラシを見に行くのではありませんか?」
「はっ!?そうだった…」
「朝食の準備はできておりますので」
「分かったわ。着替えたらすぐに行く!」
「お手伝い致しましょうか?」
「いいわ!そのド変態執事!」
「まったく、朝から賑やかでございますね。お嬢様」
「やかましいわ!早く出ていって!着替えるんだか
ら!」
「承知いたしました。失礼します」
黒瀬は、部屋を出ていった。
(黒瀬のやつ…。現実世界みたいに起こしやがって!)
紅葉は、そう思いつつも、服を着替え下の食堂に行くと、ピーロンと黒瀬が食事を取っていた。
「おはようございます。紅葉様」
「おはようございます。ピーロンさん」
「お嬢様、朝食の後はチラシを見に行くのでしょ?
わたくしもご一緒に見てもよろしいでしょうか?」
「ええ、いいわよ?
緊急クエストとかあったら、お金もガッポリもらえるのになぁー。はぁー…」
「朝から、ため息はよろしくありませんよ?」
「分かってるわよ。なんで、あなたにそんなことを言われなくちゃいけないのよ!朝から!!さっきといい…」
「まぁまぁ、お2人ともその辺で。食事が終わったら見に行ってみましょう。皆で」
3人が朝食を済ませ、またチラシを見ていた。
・スパイラクネの討伐
・マルウネドラの討伐
・オークとオーガの討伐、村の外れの洞窟にいる。
・クラーケケを倒せ
・キメライヤの討伐
・ケルベスロトの討伐
・ゴーレム、ゴブリンの討伐
・サラマンダーの討伐
・サーペーストの討伐
「こんなにも討伐する魔物が…」
「たくさんありますね。まず、どれから討伐致しましょうか?」
「でも、たくさんありすぎませんか?」
「お嬢様どうしましょうか?」
「そりゃあ、全部討伐するに決まってるじゃない!
まずは、、、ここは?」
エルフェンドーム村という村に3人は来ていた。
そこには、『マルウネドラを討伐せよ!』というクエストで来ていた。
○マルウネドラを討伐せよ!
エルフェンドーム村に着くと、村人たちは怯え、家に閉じこもっている。
「ここの人たちは、どうしてこんなに怯えているの?私たちが来たから?」
「いえ、そうではありません。魔物によって、支配されているのでしょう。少し、村人に聞いてきますので、お嬢様はここに居てください」
「それなら、私もできます!」
「いえ、大丈夫ですよ。お嬢様が行くと変なことを言ってますます、誤解されますので…」
「どういう意味よ!まったく…。いいわ、黒瀬お願いね」
黒瀬は、村人たちに聞いてみた。
「失礼します。ここは、いったいどうしたのでしょう
か?私たちは、魔物を討伐に、来たものです。
少し、お話を聞かせて、いただきたいのですが…」
すると、家の中から老人が出てきた。
その老人は、怯えながら黒瀬に話を始める。
「ほんの数日前に、あの魔物が来て、森を荒れ果ててしまったのです。私たちの森を取り戻してください」
「分かりました」
黒瀬は、紅葉たちの方へと戻り、老人が話したことを伝えた。
「そうか!ここは、エルフの住みかだったのね。皆を助けてあげましょう」
「では、森へ行ってみましょう」
「そうですね。今回の魔物は、マルウネドラは植物の魔物でございます」
「じゃあ、私の爆裂魔法で燃やしたら、万事解決ね」
「あまり、そう甘くみない方がよろしいかと…」
「大丈夫よ」
(嫌な予感がしますが…)
黒瀬は、十分に警戒をしていた。
紅葉は早く出ないかと、ワクワクしながら、先に進んでいた。
すると、突然、弓矢が飛んできた。
―――ピュン!
黒瀬は、紅葉をお姫様抱っこをした。
「お嬢様、失礼します!」
――――シュン!
間一髪、その弓矢をかわす。
「何!?突然、弓矢が飛んできたわ!」
「大丈夫でございますか?お嬢様」
「うん、ありがとう。黒瀬」
「私の弓矢をかわすなんて、ただ者ではないわね」
「誰!?」
「私は、ここの森の番人!エルフの弓使い(アーチャ
ー)、セラティナだ!君たちは、誰?」
「私たちは、ただ、ここにいる魔物を、倒しにきただけよ」
「私が、その魔物を倒す!だから、君たちは、帰りたまえ!」
「そういうわけには、いかないのよ!」
紅葉は、セラティナに言い、黒瀬は真剣な顔で、セラティナに聞いた。
「どうしてあなた様は、こちらの魔物を1人で倒そうとしてらっしゃるのでございますか?」
「それは!そ、それは、村の人たちに、私が倒した。と言って行ったら少しは、私のことを…私のことを、必要とされるのでないかと…、そう思っただけだ!」
「さようでございますか」
「黒瀬!さようでございますか。じゃないよ!?
なーにを、トンチンカンな事を、言っているのよ!
討伐を任されたのは、私たちなのよ?」
「ですから、皆で、討伐すればよいではございません
か?
そしたら、楽かと思いますし…。それに…」
黒瀬は、紅葉の耳元でコソコソと言う。
「その先の事を思えば、仲間がたくさんいた方がその国をわたくしたちがどうにか、出来そうではございませんか?」
「あーなるほど!その手があったか!」
「失礼ながらお嬢様。お嬢様の方がトンチンカンなことをおしゃっていて、このわたくしもおかしゅうございます」
(また、いつもの…聖さんのいじりが始まりましたよ…。)
ピーロンは端の方に隠れてそう思う。
「うっさいなぁー。いつも、いつも、いつも!!
このドS執事め!!」
「と、いうわけで…。そこのお方、セラティナ様」
「おい!私の話を、最後まで、聞きなさいよ!
ちょ、ちょっと!」
「セラティナ様に、お願いがございます。
どうか、わたくしたちのギルド『モミジ』に入ってくださいませんか?
わたくしたちの野望は、たった1つ!
この国を我が主、お嬢様の国になさろうとして、おられますゆえ、一緒に戦ってセラティナ様の願いが叶えられるのではないでしょうか?」
「勝手に、話を進めないでよ!
第一に、そんな野望、誰が一緒にしようっての?
頭がおかしいんじゃないの?」
セラティナは、少し考えて、
「分かった」
「ほらねー…。最初は誰しも…。って…えっ? 今なんて?」
「分かったと言った!
あなたたちの仲間になります!
そして、私の名前を、全世界に、知らしめるのです!!
頼りになる、エルフ弓矢使い(アーチャー)として!」
こうして、エルフの弓矢使い(アーチャー)、セラティナが仲間となった。
「これからよろしくお願いします!」
「よろしくね、セラティナ。」
「よろしくお願い致します。セラティナ様」
「セラティナさんは、あの魔物のことを何か知っているのですか?」
「………。誰?」
「私のことを薄々、忘れていらっしゃるとは、思いました。思いましたけど、それはないと思いますが…」
「えっ?あっ!?忘れてないよ?忘れてないから!
こちらは、【案内人のピエロ】のピーロンさんです」
「あー。案内人ね…。って、案内人って、案内するだけであって、戦闘には、全然無関係じゃないのよ!」
「そうですねー。でも、うちの、このドS…コホン(汗)うちの、この執事に、全部お任せなのよ。エッヘン!」
「お嬢様、そんないばられても…。
結局は、わたくしが、全部魔物を、ぶったぎる、はめになるのですから」
「でも、たった2人で、今まで、クエストをしていたってことですよね?スゴくないですか?」
「うちの執事に、かかればちょろいもんよ」
(あなたもちょろいんですよ?お嬢様…)
心の中でドS腹黒執事は思う。
4人は、さらに森の奥へと進む。
「私も、マルウネドラを探していたんです。
でも、なかなか見つからなくて…。
それで、人が来る気配があったので、隠れてみていたらあなたたちが来たということです」
「そっか…。どこに…」
「お嬢様!止まってください!何やら気配を感じます!」
「もしかして…魔物?」
「結構、大きな気配でございます!」
「マルウネドラか!?」
その瞬間、たくさんのツルの根が紅葉たちを襲ってくる。4人はかわしていく。
――――シュルルルル!
――――ドカン!!
「このままじゃあ、森がめちゃくちゃに、なってしま
う!なんとかしなきゃ!」
セラティナは、マルウネドラに突っ込んで行った。
「はっ!?セラティナ!黒瀬、セラティナを守りなさ
い!」
「かしこまりました、お嬢様。セラティナ様を守った後は、すぐにお嬢様もお守りします。」
―――――シュン!
黒瀬はあっという間に、セラティナの前に来ていた。
「ひ、聖さん!?」
攻撃をしてくるツルをかわしながら、黒瀬はセラティナを守りつつ、マルウネドラに攻撃を仕掛ける。
「お嬢様!援護をお願い致します」
「分かったわよ!アーゲルフィールド!!」
「アーゲルフィールドは、仲間の攻撃力を上げる呪文です」
「確かに、攻撃力が上がっている!
これなら、マルウネドラを討ち取れる!」
「あまり、このマルウネドラを甘くみない方が良さそうですよ…」
「毒が!」
(このままじゃあ2人が!)
マルウネドラが胞子を飛ばし
その胞子は、毒の胞子だった。
2人が毒に包まれそうになったとき、
「風魔法!ウィンドー!!」
―――――ゴゴー!ブアーン!!
「お嬢様ナイスです!
セラティナ様、危ないですので、わたくしの後ろに!
毒を相手の方に、お嬢様がしてくださったおかげで、道が開けました!」
「執事!」
「セラティナ様は、援護を!
あなた様が最後の止めをとったら、よろしいかと思います!
わたくしが合図をしますので、それまで矢を打ち続けてください!」
「わかった!よしっ!!ぶっぱなすぞ!
ファイヤーアロー!」
――――――ヒュンヒュン!
炎の矢が、マルウネドラを目掛けて打った。
見事命中に見えたが、ほとんどは当たってはいない。
当たる直前に、マルウネドラがツルでかき消したのだ。
「くっ…。マルウネドラめ!
このっ!!」
――――ヒュンヒュン!
セラティナは、これでもかというくらいに、炎の矢を撃ちまくる。
その間に、黒瀬はシャドウを利用して、相手の背後に向かった。
「フン!
わたくしのことを忘れてもらっては困りますね!」
黒瀬は、マルウネドラの首にナイフを突きつけた瞬間。
「セラティナ様!今です!!」
「ありったけの力で今度こそぶっ倒す!
いっけー!!ファイヤーーーアローーーーー!!」
「ギャーーー!!」
黒瀬が、マルウネドラを押さえてる間に、セラティナの技が決まり、森は元に戻った。
「やったね!セラティナ。森が元通りになって、ほっんとよかった!」
「うん!よかった!
紅葉と、聖さんのおかげだよ。ありがとう…」
「いえいえ、お嬢様が助けようとおっしゃったので、わたくしは、お嬢様をお手伝いしたまでです。
礼なら、お嬢様に…」
「紅葉、ありがとう…」
セラティナは、泣きそうになりながらそう紅葉たちに例を言った。
そして、紅葉たちは、村に戻り、村人たちに報告をした。
「これで、あの魔物はもう出てこない。
マルウネドラは、この『セラティナ』がうち取った!
礼を言うのなら、セラティナに言ってあげてくださ
い!さぁ、セラティナ…。みんなに」
「で、でも…人前に出るのはちょっと…(汗)」
「大丈夫よ。あなたは、ここの村を守った英雄よ?」
「紅葉…」
セラティナは、恥ずかしながら村人たちに顔を見せた。
すると、村人たちは、凄い歓声を上げた。
「セラティナ!」
「セラティナ、ありがとう!」
いろんな人たちから、感謝の言葉をもらった。
その言葉に、セラティナは涙を流していた。
「あ、あ、ありがどう……、みんな……」
こうして、マルウネドラの討伐のクエストはクリアできた。
◎マルウネドラの討伐せよ!
→完了
「あ、あの!
紅葉たちの…、紅葉たちの役に立ちたい!
だから!だから、私も旅に連れていって!」
「でも、村は?
森の番人なんでしょ?」
「あそこはもう大丈夫。
魔物はもういなくなったから、だから、私が番人をする役目は終わった…。
それに、あなたたちといたら、楽しそうだから」
「セラティナ…。ありがとう!
黒瀬!新しい仲間だ!!」
「あなたの場合は、友達がほしかっただけございましょう?それに…」
(それに、セラティナ様は…おそらく、お嬢様と同じ分類でございましょう…。1人になるのが怖かったのでしょうね…)
黒瀬は、そう思いながらクスリと笑い、町へと戻る。ピーロンは、3人を後ろから見ていた。
(いつか…この人たちが頂点に…)
と。
アセスサレントに戻った紅葉たちは、すぐさまギルドに戻り、報酬を受け取った。
1000ルーピー受け取った。
「ちょっと、少なく過ぎません?
あれほどの魔物をやっつけたのに!」
「まぁまぁ、いいではありませんか。
報酬があるだけでも、嬉しいことですよ?」
「黒瀬はまたそうやって!
早く、私の屋敷がほしいのー!」
「屋敷って?」
セラティナは、頭に?を浮かばせながら言った。
「大きな豪邸がほしいってことよ。
大きな屋敷を建てれば、いいこともたくさんあるでし
ょ?」
「なるほど…」
「セラティナ様…」
ピーロンがセラティナを呼び、2人には聞こえないように言った。
「あの方たちは、将来、この国を救ってくださる勇者でございます。私は、あの方たちが頂点に立たれるところが見たい…。だから、ずっとついていきます。
セラティナ様も、協力してくださるそうなので、私たちの野望を、、夢を叶えてくださいますよね?」
「そういうこと…。うん。
私もあの人たちといて楽しいから。
助けてもらった恩もあるし。
この先、何があろうと、今よりもっと強くなって、あの人たちを守って見せる!」
「セラティナ様…」
「ねぇ、2人とも何話してるの?」
「えっ!?いえ、なんでもないです」
「お嬢様は、バカだと、お話をされていたのですよ」
「セラティナと、ピーロンはそんなことは言いませ
ん!あなたとは違ってね!」
「フンッ」
「何笑ってんのよ!ちょ、ちょっと、黒瀬!」
こうして、長い1日は終わり、エルフの弓使い(アーチャー)、セラティナが仲間となった。
仲間が1人増えましたね。
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