19 ギルドハウスを建てる!(完成!!)③
「そっちにいったぞ!」
「紅葉、皆の攻撃力を上げて!」
「分かったわ!」
―――アーゲル・フィールド!!
紅葉は、黒瀬達の攻撃力をあげる魔法をかけた。
「よし!これで、たたみかける!」
黒瀬達は、魔物に攻撃を一斉に仕掛けた。
魔物に命中し、倒した。
紅葉達は、ギルドハウスへと戻った。
◇
◇
「皆さん、お疲れ様です。ありがとうございました」
「いえいえ」
「アナンさん、報酬はおいくらですか?」
「そうですね…。100万ルピーです」
「えっ!?」
「たくさんの魔物を討伐してくださったので、これくらいの金額になりました。受け取って下さい」
「ありがとうございます!」
紅葉達は、お金を手に入れ、あれから1か月が経とうとしていた。
◇ ◇ ◇
その夕方、紅葉達は夕食を食べていた。
「もう、そろそろギルドハウスを建てれる金額まで、到達したんじゃないの?」
「どうなの?黒瀬」
「そうですね…。ある程度は、貯まっていますよ。もう、そろそろグリムさんの所に、行った方がいいかと思います」
「では、明日行ってみましょう!」
夕食を紅葉達は済ませ、明日朝市で【ドワーフ・グリム】に行くことにした。
◇
◇
◇
紅葉達は、朝食を済ませ、すぐに【ドワーフ・グリム】に来ていた。
「おはようございます」
そう言って、皆で店に入っていくと、その声に気づいたのか、奥からグリムが出てきた。
「はーい!待っていたよ。ギルド:モミジの皆さん」
「今日は、ギルドの皆も連れてきました。さて、話し合いをしましょう」
紅葉達は、店の奥へと案内された。
広い部屋に通された。
「うわー!広いなぁ…」
紅葉達は、椅子に座った。
そして、本題へ。
グリムは、大きなノートを手に部屋に入ってきた。
「では、ギルドハウスの事について、話し合いましょう。紅葉さん、黒瀬さんから、ある程度の事は聞いています。お城みたいなギルドハウスで、外部からの侵入を許さないようなギルドハウスにしたい。ということでしたね」
「いや、どういうギルドハウスよ?そんなこと聞いたことないわ…(汗)」
「でも、広い方が後々の事を考えるといいでしょう?」
「紅葉は、何を思っているんだか…」
「大きくて、広くて、将来、たくさんの人達が、このギルドハウスに、入ってきてくれたら嬉しいなぁ…。と思ってるだけであって…」
「これ以上、仲間を増やすの?」
「何かあった時のためによ!」
セラティナと、紅葉はそう話していた。
グリムは、その会話を聞いて、
「お城内に、面白い仕掛けがあると、なんか楽しそうですね」
と、笑って言う。
「そうですねー…。例えば、お嬢様のお部屋には、クローゼットを開けたら、グーパンチが飛んでくるとか、後は、お着替えや、支度をしてくれるような…」
「それは、なんか…。ロボットがするような事ですね(汗)しかも、一箇所おかしな事、言ってなかったか?」
「グーパンチが飛んでくると…」
「何の事でしょう」
黒瀬はニッコリと微笑う。
(あの笑顔が怖い…。あの笑顔の裏には、黒い、真っ黒のドS腹黒執事があるんだから…)
と、セラティナや、ピーロンが思った。
それから、ずっと、ギルドハウスの話がすすむ。
「わたくしは、ここにしたいですわ。紅葉様の隣の部屋ならば、いつでも、ね…いやいや、何かあれば、すぐにでも守りに行けれますし!」
「クロナ様…。今、その前に何か言われようとしていましたよね?何だったのですか?」
「別になんでもないですわ。空耳でしょう」
「いいえ。空耳では、ございませんよ?ちなみに、地獄耳ではないのでご安心を。いつも、お嬢様の部屋に侵入しては、お嬢様の下着等を取って、コレクションにしていますよね?」
「なっ!?ち、違います!紅葉様、違うんですよ?常に、紅葉様のお部屋に居たい。とかではなくですね…」
ニッコリと微笑う黒瀬の笑みは、どこか不気味で、それを見ている、クロナは、額から冷汗が、ダラダラと流れている。顔も赤く、それをみて、楽しんでいるのか、黒瀬はいじり続ける。
その結果、クロナはその場に倒れた。
「あーあ…。」
「クロナ!?大丈夫?」
呆れているものもいれば、心配するものもいた。
黒瀬は微笑んでいた。
(ざまーないですねー。いつしか、鞭で引っ張叩いてあげましょうかね(笑))
と、心の中でそう思った。
ピーロンは、その様子をみて、
(いやー。ほんと、聖さんには、勝てれませんね…。くわばら、くわばら…)
そう思いつつも、クロナを看病していた。
◇
そして、大体の事を決めることができた。
ギルドハウスの建設は、今から2日後に行うことになった。
この2日間は、魔物除けを作る。
万が一のためにだ。
それには、紅葉達も手伝うことになった。
◇
◇
◇
――――次の朝。
「お嬢様…。早く起きてくださいまし」
「ん?あ…おはよう…。黒瀬。もう朝なのね…」
朝から寝ぼけているのは紅葉はいつものこと。
寝ぼけながら、着替えをしていた。
「お嬢様。皆様、食堂にて、お待ちになっていますよ?」
「分かったわ。すぐ行くから、黒瀬はとっとと、部屋から出ていって!」
「失礼ながら、お嬢様?誰も見たくないですよ?お嬢様の裸なんて…」
「なっ!?いつもいつも、毎朝毎朝、懲りないわね!」
「わたくしは、朝から嬉しく思いますわん♡」
「く、クロナ!!いつからそこに?」
クロナの方を見ると、いつの間にか入ってきて、ベッドに横になっていた。
クロナの顔は、ニヤニヤしながら、紅葉の枕を頬づりをしている。
それを見た、黒瀬の顔が曇る。
「クロナ様?何をしてらっしゃるのですか?」
「えっ?何ですの?わたくしの朝からの癒やしは、この枕を頬づりしないと始まらない。至福の時!そこを邪魔しないでいただきたいですわね!」
朝からの2人の睨み合いが始まる。
そこをすり抜けて紅葉は、食堂へと向かった。
「皆、おはよう」
「紅葉、おはよう。今日もまた、大変だね(汗)」
「ほんとよ…。朝から、賑やかだわ」
「おかしいなぁ。クロナは、黒瀬を怒らせないようにと思っていたはずなのに…。クロナも懲りないね…」
「本当に紅葉の事が好きなんだよ」
「それは、違う意味で…でしょ?」
と、セラティナ達と話していると、黒瀬とクロナが下りてきた。
「紅葉様、いつの間に下におりていたのですか?」
「いや…。君達が話し込んでいたからだよ」
「わたくしは分かっていましたよ?さて、お嬢様、朝のコーヒーをどうぞ」
黒瀬は、紅葉にコーヒーを差し出す。
「ありがとう、黒瀬。さぁ、皆、今日は忙しくなるわよ!!」
紅葉は、朝食を済ませた後、ギルドハウスの建設現場に向かった。
◇
◇
◇
紅葉達は、グリムが待っている町のはずれにある土地に来ていた。
「では、魔物除けを作りますので、皆さんよろしくお願いします!」
「よし!やるわよ!」
紅葉は、気合十分にあった。
大きなコンクリートで囲いを造る。
結構、広い土地だったため、約1週間くらいはかかるはずだったが、紅葉達が手伝ったおかげで3日で済んだ。
それから、ギルドハウスを造る。
クエストを受けながら、手伝いが出るときは、皆で行ったり、行ける時があれば、モミジのギルドの誰かが暇さえあれば行っていた。
「いやー…。皆さんが時々、手伝いに来て下さるおかげで、凄い速さで、ギルドハウスが出来ていってる気がします」
ギルドハウスを造って、約5日が経った。
土台となるところも、3日くらいはかかるが、2日半でできていた。
「自分達のギルドハウスなので、自分達で造りたい!というのは、本当に心から思います。それに、愛着を湧きますしね」
「そうね。黒瀬の言う通りね」
「自分達でよく造ったなぁ的なのがほしいのかもなぁ…」
「できてからがめっちゃ楽しみよ」
紅葉達が、ウキウキしながら、また作業に入る。
◇ ◇ ◇
それから、約1年半かけて、ギルドハウスを造った。
「うわー!」
「やっと、できたね…」
「本当に、立派なお城のギルドハウスが出来ましたね」
出来たばかりのギルドハウスを紅葉達は眺めていた。
(今日から、このギルドハウスにやっと暮らせれるのね…。ギルドの皆と、一緒に思い出を作れるのね…。いつしか、この世界から、帰れる時が来るのかしら…。ないとしても、このギルドハウスでたくさんの思い出ができるのなら、もう、現実世界に戻らなくてもいい…)
そう紅葉は思った。
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